今日はとてつもない風が吹いています。
あのホームでの、マジシャンの異変を天も察したのでしょうか。
ティアはもう居なかったかのように時間は流れていきます。
しかし、そんなことを忘れてしまうほど、新メンバーもキャラが立っています。
彼の呼び名は「ハット」にしました。
言わずもがな、ベージュのハットをかぶっているからです。
目がぎょろっと大きく、口を閉じていてもなんとなく笑っているように見えるようなその顔は
メンバー一愛嬌があると言ってもいいのかもしれません。
ハットはおそらくほとんどの時間、笑っています。
声をあげて、ではなく、ニマニマしているかんじです。いや、別に気持ち悪いかんじでもないんです。
そして彼の目線の先にはいつもたいてい、
マジシャンがいます。
扉が開いている時間しか見ることができない一分間劇場。
いままでは、なにか考え深くトランプを手の中でこねこねしていたマジシャン。
苛立ちをおぼえているようにも見えました。
そのマジシャンが、ハットが来てからというもの、立派にマジックを披露しています。 ように見えます。
しかし、扉が開いている時間しか見ることができない一分間劇場。
たとえマジシャンがマジックを披露、みたいなことをしていても、ほとんどすべてをみることはできません。
たとえそれが、披露、というにはとてもじゃない感じで、むしろ相談、のように見えたとしても、すべてをみることはできません。
・・・ややこしくなりました。
つまり、マジシャンは、ハットが来てから、マジックを相手にしてくれる人ができ、ネタを披露したり、どうしたらより良いかを相談しているようなのです。
今日はこんな感じでした。
トランプの束を左手にもち、落ち着かず、にぎにぎしているマジシャン。(マジシャンはこのときすでにスタンディング)
大きな目をより大きくし、輝かせ、そんなにうなずかなくても、というくらい頷きながらマジシャンの一挙手一投足に注目するハット。
いつもとおなじように少しだけ口を開き、どこをみるでもなくぼーっと。やはりマジシャンのマジックには興味のなさそうな源さん。
マ「まずはー まずはー」
にぎにぎしていたトランプを、今度は上下に動かしながらなにかマジックのようなものをはじめそうなマジシャン。
マジシャンの声は朝の騒がしいホームでもしっかり聞き取れるくらい大きく、そして甲高い。
マジシャンの絵をごらんいただき、甲高そうな声を想像してください。
・・・
はい、そのもう半オクターブくらい甲高いのがマジシャンの声です。
その予想以上に甲高い声で「えぇ~ まずはー まずはー」となにかを始めそうな言葉を発していたわけです。
ぷしゅーーー どん。
はい、ドアが閉まりました。
だいたいいつもこのくらいしか見ることができず、これからどんなマジックが飛び出すのか見当もつかないまま
電車は発車してしまいます。
ただひとつ、その断片的な映像からもわかるのは、
マジシャンがあまりマジック上手ではないであろうことです。
これからのマジックに期待です。

