みなさまへ

 

週刊ポストの記事にかかる件で、世間をお騒がせしていたしましたこと、ひとえに我が身の不徳の致すところであり、心からお詫び申し上げます。

これまでの間、皆さまに本件についてご説明すべき立場にあることは明白でありますゆえ、煩悶しておりました。

しかしながら、参議院選挙を控える時期に、わたくしが自らの弁明に立てば、あくまでもこれは私自身の問題でありますのに、あたかも党の問題のように取り上げられ、また、様々な政治的思惑から利用され、そしてマスコミが沸騰することにより参議院選挙にさえ影響を及ぼすことが容易に想像されました。このため、参議院選挙が終わるまでは沈黙を守り、選挙後速やかにご説明申し上げるつもりでおりました。

ところが、長年日本を導いてこられた安倍元総理が怖ろしいテロによりご逝去されるという、想像を絶する悲劇が突然この国を襲いました。

私は、心から哀悼し、喪に服することとし、皆さまへのご説明は、服喪の後にさせていただこうと考えておりました。

しかるに、今週、私の見解と称し、まるで誤った内容を伝える記事がマスコミに唐突に掲載されました。

それを放置していれば、誤報が独り歩きする可能性がございます。

それゆえ、喪に服しているさなかではありますが、本日、私からのご説明を皆さまにお伝えさせていただくことといたしました。

 

 

家庭を持つ身でありながら、また政治家としての自らの立場を踏まえた場合、十分に氏素性を把握していない女性とふたりきりで飲食をともにするような振舞いは、軽率な行動であったと、深く反省しております。

 

もっとも、私に対するご叱責は、主として「飲酒不可能な年齢であることを認識しながら共に飲酒した」、「パパ活」(デートの対価としてお金を支払った)をしたという点に対する倫理的非難であったと認識しております。

 

しかし、まず率直に申し上げて、私は、当該女性が飲酒不可能な年齢の方であるとは認識しておりませんでした。

と申しますのも、対象の女性と出会ったのは、5月25日(水)の午後9時頃、神田にある飲酒を伴う女性による接客がなされるいわゆるクラブ(複数店舗を経営するチェーン店の一舗)を初めて訪問した際であります。当該女性は、同店舗にて接客を担当する従業員として働いておられ、私の席について、飲酒をされておりました。それゆえ、私は、飲酒不能な年齢である可能性など微塵も疑いうこともなくおりました。

その際に、当該女性から、営業成績を上げるため月内にいわゆる「同伴」に付き合ってほしいと乞われたことから、翌26日(木)に交換したラインのやりとりで、「同伴」のお誘いをし、27日(金)の午後6時30分に汐留にあります焼肉屋の個室にて待ち合わせをし、晩餐後に「同伴」をすることを約しました。

27日(金)に当該焼肉屋の個室にて、飲み物を頼む際に、「お酒飲める?何がいい?」と確認し、女性の意向に従い「ディタオレンジ」というお酒を注文いたしました。その後の会話において、女性から「大学一年生」「18歳です」という旨の発言がありましたが、酒席で働く女性が身元を知られたくない等の理由から、年齢や所属先、出身地などについて正確なことを述べないことは良くある話でありますから、私としては、真に受けることもせず、「なるほど、大学一年生という設定なのね」と受けとめ、軽い乗りで会話を合わせていたというのが実情でありました。

つまり、女性は、お酒を提供するチェーン店のクラブ従業員として働いていた方で、私の席についた際に飲酒をされていましたし、その後の同伴に際しての晩餐においても、飲み物を注文する際に、私が「お酒をのめるの?」と確認したところ、ご本人がお酒を要望されたため、私は、飲酒可能な年齢であることについて疑問を抱かずにいたのです。それゆえ、確かに、その後の会話において、女性から「大学一年生」や「18歳」という発言はありましたが、「そういう設定で働いているのだな」と理解し、飲酒を制止もせずにいたわけです。もし、実際に「大学一年生」の方であったならば、無論飲酒を制止すべきでありましょうが、しかし、以上のような経緯の下、飲酒可能な年齢であると思い込んでいたのが実情でありました。

 

また、女性に4万円をお渡しした経緯は、以下のとおりであって、これを「パパ活」と総括されていることについて、違和感を抱いております。

と申しますのも、焼肉屋での晩餐を終えたところで、当該店舗にて、「お店(女性が勤務している神田のクラブ)にいこうかね」と、私から女性に告げたところ、自ら同伴を要望していたにもかかわらず、何故か女性の方から「今日は休みます」と、お店は休んで、ふたりで時間を過ごすことを希望されたのです。そうとなれば、お店で得られるであろう給与を補填してあげるべきと考え、「お店にでるといくらもらえるの?」と確認したところ、「2万円くらい」とおっしゃいました。そこで、多めに3万円とみて、さらに帰りのタクシー代として1万円を加算して、4万円をその場でお渡ししました。

すなわち、私がお渡しした4万円は、いわゆる「パパ活」といわれるような、素人の方が個人的なお付き合いをすることの対価としてお支払いしたものではなく、クラブに勤務される方の欠勤に対する給与相当額の補填としてお支払いしたものなのです。

のみならず、上述の成り行きからおわかりになりますとおり、私は、この晩餐は、あくまでも「同伴」としてお誘いしたものであり、その後、女性が勤務しているクラブに赴いてお酒を楽しむことを目的としたものでありました。

 

以上が、当日の経緯に関する私の認識する事実です。

さて、その上で、私は、自らの身の処し方を判断すべきこととなります。

その前提として、どうしても確認させていただきたいことが二つございます。

 

第一に、女性が真実18歳であるか否かという、現在私に向けられている非難の前提をなす事実についてです。現在のところ、ポストがそう記載しているのみであって、誰もこの点を客観的に確認し得ておりませんお酒を提供するチェーン店のクラブ従業員として勤務し、かつお酒を飲んでいた女性が、本来飲酒ができない年齢であることを疑うことは難しく、この真偽については、私にとって闇の中にあり、いまだ光が当てられていないのです。当該女性に年齢について真偽のほどを確認すべくLineで何度となく問い合わせもしておりますが、残念ながら連絡が取れない状況です。

私は、この女性が実際に18歳であるのかという点について、また、仮に18歳である場合には、何故当該店舗でお酒を飲んでいたのかについても検証する機会を与えていただきたいと思います。その事実は、身の処し方を判断する上で、もっとも重要な出発点となる事実だからです。

事実関係というものは、司法機関を通じて客観的な事実として確定した上で、初めてそれを基礎として、あるべき社会的関係が築かれていくべきものでありましょう。真実であるか否かを検証することもないまま、週刊誌の記載を鵜呑みにし、それがあたかも断定的な事実であるかの如く叫ばれ、これに従わざるを得ない状況が作出されるという社会構造は、適切なものとはいえないように思います。

私としては、現在、法律の専門家にお願いして、名誉毀損訴訟を通じて、「女性が真実18歳であったこと」にかかる客観的事実の確認をさせていただくべく、準備を進めて戴いております。週刊ポストは、名誉毀損訴訟において、私のお会いした女性が18歳であることについて立証責任を負うべき立場にあります。無論当然、身分証明書等により確認されているはずですから、訴訟において、①私が実際にお会いした方だと確認できる女性について(同一性の確認は訴訟において厳密にしていただく必要があります)、②18歳であることの確認資料(身分証明書等)を、証拠として提出していただければ良いわけですから、週刊ポストが上記を直ちに履行して戴ければ、速やかに実現し得るものと思います。

 

第二に、本件について、私が問題提起をさせていただきたいのは、週刊ポストの取材方法です。

なぜなら、本件記事が、焼肉屋における会話内容にかかる録音を元に作成されたものであることは一目瞭然であり、その後に私に取材をされた記者の方も録音が存在する旨言及されていましたが、当該録音は、女性自らが実行した以外の可能性はなく、かつ、女性は、録音後すみやかに、当該録音内容を週刊ポストに提供したものと思われます。

焼肉屋において、私と女性とは個室で夕食をとりましたが、当該店舗は、テーブル席の並ぶ解放された平場スペースと、個室スペースとが、大きく区分されております。個室スペースは、廊下に面して合計4室並んでおり、中2室は6名用で、廊下と格子壁にて接しており、外からも内部を見通すことができ、会話も筒抜けのしつらえの半個室となっていますが、両端の2室は、2名用及び4名用で、いずれも音漏れしないような堅い木製の扉で遮蔽され、音漏れしようのないしつらえの完全なる個室でした。

私は、2名で完全個室を予約し、実際に、並びの端であり、また建物の角部(壁の2面が外窓となります)に位置する2名用の完全個室に通されました。個室のドアは狭い通路に面する分厚い板状の扉であり、週刊ポストの記者が張り付いて個室内の会話を録音しようと思うならば、廊下の扉の隙間に張り付いていなければならず、店舗従業員に怪しまれて即座に制止されること必定となる構造です。

にも拘わらず、週刊ポストの記事は、個室の扉が「格子戸」であったと記述し、あたかも格子戸越しに会話が漏れ聞こえたかの如く装っていますが、これは明らかな虚偽です。個室内では、店員が食事や飲料を運ぶとき以外には、ドアを閉め切っておりましたので、私のいた個室内での会話を録音することができるのは、同席していた女性以外にはあり得ない構造となっておりました。

すなわち、この女性は、週刊ポストとの間で予め打合せして録音の準備をした上で焼肉屋に赴き、録音を実行し、その内容を週刊ポストに提供したものとしか考えようがないのです。

のみならず、タクシーを飛ばして向かったお台場においてすら、私の立ち回り先に張り込んで、私と女性との写真を撮影したということは、女性から行き先についての連絡を予め受けていなければ実現し得ないことであり、その点においても、週刊ポストと女性との予めの打合せがなされていたことが容易に推認されます。

つまり、週刊ポストは、女性に、私との会話内容において何らかの「私の落ち度」を録音することを目的として録音及び録音内容の提供を打ち合わせた上で、仮に女性が真実18歳であるとするならば、18歳が飲酒するという成り行きをもくろみ通り惹起せしめ、18歳との飲酒を非難する記事を作成したわけです。

このような手法は、要するに、「非難対象となる事象が発生するべく自ら加担し、以て独占的にその証拠を入手し得る立場を確保した上で、もくろみ通り発生した当該事象を使って、当該事象を非難する取材手法」であり、いわばマッチポンプというべきやり口であります。まして、仮にその女性が18歳の大学1年生というのであるならば、そのような女性を、いわば記事を作成するための道具として使用したという点においても、相当性を欠くものといえましょう。

私は、このような手法で記事を作り上げるやり方は、もはや健全なジャーナリズムの報道取材としてあるべき域を超えた、社会通念上許容し得ないものと判断し、その当否を世に問うべく、不法行為に基づく損害賠償を求めて訴訟を提起する所存です。

 

これは、私が地位に連綿しているからではないことをどうかご理解いただきたく思います。私は、上述の2つの疑義が解消された暁には、身の処し方について速やかに判断させていただく所存です。

判断を急げとおっしゃる方もいらっしゃることでありましょう。しかし私は、わが国の選挙というプロセスを経た者が、私的領域に関する裏付けも確認し得ぬ週刊誌の記事を元に、しかもマッチポンプのごとき手法で作られた記事のみを以て、糾弾対象たる事実の客観的な解明検証もなされぬまま、むやみに排除の圧力が加えられるような社会的風潮があたかも当然の如く先例化することに、異を唱えたいとの一念から、恥を忍び、事実関係の解明に向けた手続きを、まずは専門家にお願いするのであります。無論、おまえのような立場の者が・・・と非難される方もいらっしゃるでしょうが、しかし、このような一石の投擲は、私のような立場に陥った者でなければ行い得ないものであることをもご理解戴ければと思います。

 

最後に、皆様にこれだけのご迷惑をおかけしておりますことについて、改めて、心よりお詫び申し上げ、私から皆さまへのご説明の結びとさせて戴きます。

 以 上