『行方不明展』 | yoshi's drifting weblog -揺蕩記-

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私の一番好きな言葉、揺蕩(たゆた)う。……
日常の、ふとした何気ない出来事について、
その揺蕩う様を書き留めていきます。

私の好きなプロレスラーの一人に東京女子プロレスの桐生真弥という選手がいまして。

 

 

 

 

タイプとしてはストレートな選手で、パワー系の技を出しつつ、「謝罪式ニードロップ」(相手をうつ伏せに寝かせ、その上に正座して乗り、何かについて謝罪を行なったのちにニードロップを打ち下ろす)というお約束技もあったり、ストレートゆえに相手の姑息な技に引っかかったり、プロレスを楽しむ基本がしっかり詰まってる選手でして。

 

 

また、キャラクターとして「猫好き」「麻雀好き」そして世の中にひっそりとある面白いものを見つける嗅覚がすごいんですね。

 

 

去年の3月、渋谷で行われた『その怪文書を読みましたか展』であるとか、第四境界の「人の財布」であるとか、ちょっとミステリーホラー寄りではありますが、そういった普通に過ごしてたら見逃してしまうであろうイベントを、まあよく教えてくれるのですよ。

 

 

で。

 

 

そんな桐生真弥選手が新しく教えてくれたのが、この『行方不明展』。

 

 

 

 

『その怪文書を読みましたか展』を企画したホラー作家の梨氏と、テレ東の大森時生氏がタッグを組んで企画したイベントでして、まあ『その怪文書を読みましたか』の続編みたいなものなんですが、でも内容は全然違う。

 

 

……その前に、

 

 

私、このイベント「日本橋三越前のビルの1F」でやってるという認識だったんですよ。

 

 

で、行ったんですね、銀座の三越に。

 

 

そこに行って、あとは1Fでやってるんだから解るだろう、と。

 

 

それにしても、銀座のど真ん中でよくもまあこんなイベントできるなぁ、……とは思ってたんですよ。

 

 

だからかなぁそこら辺のションベン正論を振り撒く阿呆どもが「身内が行方不明で困ってる人もいるのに、それを茶化すみたいなイベントをするなんて不謹慎だ!」とか言ってプチ炎上させてたりするのは、……なんて思いつつ、銀座の三越前に行くと、どこでもやってない。

 

 

てか、ソニプラやんかここ。

 

 

とか思って、改めてHPを確認すると、「日本橋」の「三越前」と書いてある。

 

 

え、ここ日本橋の三越でしょ?

 

 

……そう。

 

 

私、銀座の三越と日本橋の三越を一緒にして考えてたのであります。

 

 

銀座と日本橋って一緒じゃん、っていまだに思ってますけど、でも違うんですねぇ。

 

 

この歳になって気づくとか、ね。

 

 

 

 

そんなこんなで銀座線に乗って三越前駅に向かい、A4出口を出ると、もう目の前にあるのとかね。

 

 

例によって、ものすごく20代でいっぱい。

 

 

冗談ではなく、そこかしこで「それな」「それな」って聞こえてきてましたよ。

 

 

ほんそれ。

 

 

では早速、会場入り。

 

 

 

 

会場内はまず、この企画展が「フィクション」であることが強調されてます。

 

 

本当に行方不明の人を探してるわけではないし、そう言った類のビラを展示しているわけでもない。

 

 

企画は4つのブロック、「身元不明」「所在不明」「出所不明」「真偽不明」のブロックに分かれていて、それらの各「プロローグ」と「エピローグ」をアップしなければ、それ以外は全部写真撮影OK、SNSアップOKとなっております。

 

 

 

 

なので、バンバン写真撮りまくりです。

 

 

 

 

電話ボックスのように、でっかいモニュメントもあれば、こういった展示もあったりとバリエーションは豊富。

 

 

 

 

映像展示もあったり、音声展示もあったり。

 

 

 

 

音声展示は40分待ちとなっていて、長蛇の列だったので諦めました。

 

 

 

 

コックリさんのインパクトは絶大でみんな見入ってましたね。

 

 

でもって、右下には逆さ文字で不穏な言葉が書かれてます。

 

 

 

 

何度も同じ夢を見、その中の世界はいつも同じ構造で、地図まで書けるほどに克明に覚えてる。

 

 

そうなった場合、起きているこっちが現実であっちが夢なのか、それともこっちが幻であっちが現実なのか、

 

 

 

 

自分という存在がどこにいるのか、こっちなのかあっちなのか。……

 

 

 

 

そういったことがこの展示のテーマの様でして。

 

 

 

 

個人的に好きだったのはこの双眼鏡。

 

 

どこかの廃墟にあった4つの双眼鏡のうち、1つだけ何故か「壁に向いて」置かれていた、と。

 

 

そこから外が見えるわけではないのに。

 

 

じゃあ、その双眼鏡を覗いたら、そこからは何が見えるのか。……

 

 

 

 

使い捨てられて所在が不明になった携帯電話たち。

 

 

 

 

私が使ってたD502iがあって「懐かしい!!」って。

 

 

 

 

地下に行くと出所不明のエリアの最初に香水の展示があり、実際に匂いを嗅げます。

 

 

至って普通の香水、……なんですが、エピソードを読んでから嗅ぐと、ものすごく不穏な匂いに、充ちに満ちきってしまいます。

 

 

 

 

4つのエリアに亘って展示がなされていきますが、根幹にあるのは「存在」と「不在」。

 

 

あるはずのものがそこにないから「不在」なわけであり、最初からそこになければ不在によって生じる困惑は起こりえないと。

 

 

また、そこに「存在」しなければならない人が、なぜ「行方不明」になりたがるのか。

 

 

本人は「不在」を望んでいるのに、周囲の人間がそこに「存在」を強制する。

 

 

その感情は一体、なんなのか。

 

 

……といった堂々巡りに囚われてしまいます。

 

 

 

 

これが一番好きだったかな。

 

 

ある樹海に誰かが勝手に建てた看板。

 

 

 

 

揃えられた靴が1足あり、そこに写真が置かれてたら、見た人は勝手にそこに「行方不明」を構築してしまいませんか?って。

 

 

 

 

なんの変哲もない写真なのに、妙に不気味に思えてしまうのは、見てる人のエゴなんでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

まさに「真偽不明」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

見たことない景色なのに、何故かそこに「既視感」を覚えてしまうのもまた、人間の無意識的な幻覚なのでは?と。

 

 

 

 

 

 

というわけで、90分制限のあるイベントでしたが、60分くらいじっくり堪能しました。

 

 

 

 

例によって最後の展示物は現実世界のこっちに向かって「飛び出して」きてます。

 

 

 

 

 

 

見に行かれる方は、最後の最後、壁と壁の間にも展示物があるので見逃さないように。

 

 

というわけで最後は物販コーナー。

 

 

欲しかった(ちょうど良さげだった)ステッカーは完売のようで、まあせっかくなので

 

 

 

 

プログラムを購入。

 

 

あとは『その怪文書を読みましたか」展にもありましたガチャ、2回ほど。

 

 

 

 

これと、

 

 

 

 

コックリさん!!!

 

 

実はこれ、何かの紙の裏に描かれてるみたいで、その表側の文字がうっすら読めるんですよ。

 

 

じっくり見て解読すれば、また何かわかるのかも?

 

 

というわけで『行方不明展』堪能いたしました。

 

 

 

 

このあと、再度銀座線に乗って向かった先は末広町。

 

 

続きは次回。