『工作』(ネタバレあり)〜一万歩で巡るいろいろな旅・その1〜 | yoshi's drifting weblog -揺蕩記-

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私の一番好きな言葉、揺蕩(たゆた)う。……
日常の、ふとした何気ない出来事について、
その揺蕩う様を書き留めていきます。

土曜日のお休み、それはジムに行けない日、つまりは、……ってもう何回書いてきたんだろう?って感じなので割愛しますが、都内で映画を見るのにもってこいの日なので、例によって仕事に行く時間よりも早くに家を出て、まずは1本目、シネマート新宿で韓国映画『工作』を見てまいりましたよ。

 

 

 

 

今日は一万歩ほど踏破したみたいでありんす。

 

 

 

 

実話を基にしたフィクションでございまして、90年代の北朝鮮の核開発の実態を調査するべく潜入捜査を命じられた韓国史上最も成功したスパイ「黒金星」のお話でございます。

 

 

ざっくり説明すると、『裏切りのサーカス』に近いでしょうかね。

 

 

北と南のスパイ合戦と聞いて『ベルリンファイル』の様な、アクションものをイメージしてたんですが、アクション性は全くなかったですね。

 

 

とにかくリアル路線のスパイものといった感で、結構しっかりとついていかないと、誰が韓国側の人間で誰が北朝鮮側の人間か判断できなくなりそうでした。

 

 

というのも、実は韓国側には「北朝鮮の核開発の実態を調査する」という主目的の他にも裏目的があって、それが「韓国の反体制側を叩きのめす」というもの。

 

 

当時、韓国では大統領選挙の只中で、野党側の金大中が政権を奪取しそうな勢いがあって、それを危惧した体制側の人間たちは北朝鮮側に裏から取引を持ちかけ「軍事挑発」を行ってもらっていたという闇営業がありまして。

 

 

正確には「北風政策」って呼ばれてたらしいんですけどね。

 

 

それによって、国民の不安を煽って世論を体制側につけようという目論見が露見するのですよ。

 

 

で、それに気づいた黒金星は信頼関係を築いていた北朝鮮側の外貨獲得責任者と結託して、将軍様にかけあって、……っていうのが流れなんですけど、そんなわけで、北朝鮮も韓国もある意味真っ黒だらけなんですよね。

 

 

北朝鮮側は純粋な真っ黒で、韓国側はゲスい真っ黒、って感じ。

 

 

で、みんな結構メガネかけてるんですよ。

 

 

なので、誰が誰だか瞬間判然としなくなる。

 

 

アクション性もある映画だと思ったら思いの外骨太だったのにびっくりしたのもありつつ、でもシネマート新宿の作りが醸し出してる平面的な空間とか妙竹林なスポットライトとかの居心地の良さとか、朝9時半からの骨太映画でしたけど結構良い心地で見ていられましたね。

 

 

あと、やっぱり印象的だったのが、「将軍様」こと金正日の登場シーンでしょうか。

 

 

スペクターのブロフェルドみたいな白いワンちゃんが足許をちょこちょこ動いてて、顔は抜かないのかなぁ何て思ったら案外堂々とお出ましになっちゃって。

 

 

で、なんででしょうね、……やっぱりベールに包まれてる=オーラ=カリスマ性って錯覚しちゃうんですかね?

 

 

登場しただけで、背筋が勝手に伸びちゃう感じ、ありましたよね。

 

 

あと黒金星が各施設のある町の付近を探索している時、町の光景が映されるんですけど、もう当然の様にそこに餓死したり凍死した人たちが、ある種の諦めの感情とともに放置されてるんですよ。

 

 

今でこそ、というべきか、未だに、というべきかは判りませんが、そういう貧富の差というか富の一極集中というのは、なかなかこみ上げるものがありますよね。

 

 

この人たちだけなんですよ、分断された国家にいる人たちって。

 

 

で、黒金星と北朝鮮の高官が最後の最後でまた、ね、……男の友情ですよ。

 

 

朝から良いもん見せてもらいましたな。

 

 

というわけで、お次の目的地は有楽町。

 

 

人生でほとんど乗ったことがない中央線に乗って到着。

 

 

 

 

30分ほど時間を潰して、次の映画でございます。

 

 

 

 

ここに来るとなぜかどうしても撮ってしまう性分。

 

 

続きは次回。

 

 

ではでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告