●京阪神緩行線とは
東海道本線京都駅〜神戸駅間と山陽本線神戸駅〜西明石駅間で運行する各駅停車の通称です。時間帯によっては京都駅から草津駅まで、西明石駅から加古川駅まで延長運転されるので草津駅〜加古川駅間とされることもあります。
国鉄時代にはこの通称が鉄道趣味誌などをはじめ、よく使われたそうですが、現在(JR民営化後)は快速列車・新快速列車を含めJR京都線およびJR神戸線と呼ばれています。また今では尼崎駅から福知山線(宝塚線)やJR東西線(片町線・学研都市線方面)へ直通する列車もあり京阪神緩行線という路線名は定義が曖昧になりもうこの通称を使う人もいないのでしょうか。
本稿では、わかりやすく東海道本線(琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線)の草津駅から京都駅、大阪駅、神戸駅を経由して西明石まで続く複々線区間の電車線のことを京阪神緩行線、列車線のことを東海道線としてご紹介しようと思います。
★草津駅〜西明石駅まで続く複々線
上下線路が4つあります。草津駅〜京都駅〜大阪駅〜神戸駅〜兵庫駅までは方向別複々線で進行方向左側が列車線(本稿では東海道線)、右側が電車線(本稿では京阪神緩行線)となります。
東京で例えるなら中央快速線が列車線。中央総武各駅停車が電車線って感じです。
そして兵庫駅から新長田駅間で立体交差し西明石駅まで線路別複々線でそれぞれ走ります。そして西明石駅で複々線は終わり、複線となります。
★JR舞子駅ホーム
新長田駅〜朝霧駅間では電車線(京阪神緩行線)のみ停車することができます。列車線(東海道線)にホームがありません。
東京で例えるなら中央総武各駅停車は代々木駅にホームがあり停車できるけど、中央快速線にはホームがなく通過するのと同じ感覚です。
なお新長田駅〜朝霧駅間以外にも新駅はコスト削減のため京阪神緩行線(電車線)のみに停車できる仕様になっている駅が多くあります。
桂川駅・島本駅・JR総持寺駅・さくら夙川駅・甲南山手駅・摩耶駅など
それでは続いて車両紹介です。
★207系電車(0番台先行試作車)
当車両から103系や201系と異なり前面に貫通扉が設置されています。これはJR東西線(地下区間)に対応するためです。本形式から貫通扉のある車両がJR西日本のスタンダードとなりつつあります。上記写真は0番台先行試作車のF1編成です。
★207系0番台(量産車)
★207系1000番台
★207系2000番台
現在、当車両は全車7両編成での運用ですが207系のF1編成(先行試作車)を除く全車両は4+3の7両編成となっています。かつて片町線の木津〜松井山手間は4両編成しか対応してなかったのです。なので松井山手駅で3両編成車両を増解結していたのです。2002年に京田辺〜松井山手間が2010年には片町線全線で7両編成に対応しています。
★207系2000番台 和田岬線代走
普段、和田岬線は103系が使用されますが検査などで運用を離脱する際は207系が代走します。和田岬線は6両編成までしか入線ができないことから207系の3両編成と3両編成を連結して運転することがあります。
また207系もデビューから長年経過しリニューアル工事が行われ従来のデザインから若干変更されています。
★207系0番台(更新車)
★207系1000番台(更新車)
★321系電車
207系の改良型として登場した車両です。当形式は片町線7両入線が可能とした前提だったため7両固定編成で製造されました。
2形式、京阪神緩行線内では主に京都駅〜西明石駅間での運行となり草津駅〜京都駅間では高槻駅から普通列車となる快速列車が活躍しています。京都駅〜高槻駅間では乗降数がそれなりにあるため快速タイプの列車と普通タイプの列車が重複して活躍しています。また高槻駅から快速タイプの普通列車は快速列車となるため高槻駅を始終着する列車も数多く存在します。列車番号にCがつくことからC電と呼ばれることもあります。
現在は京都駅・高槻駅方面から宝塚方面へ直通する列車もあり尼崎駅で北新地方面から直通する列車と接続し神戸方面へ乗り継ぐこともできます。もちろん反対側もそうです。
また京阪神緩行線内、西明石駅まで直通せずに尼崎駅、甲子園口駅、神戸駅、須磨駅などで折り返す時間帯もあります。
京阪神緩行線は普通列車のほか快速列車なども乗り入れます。ここから東京と違い少しややこしい話になるかもしれません。
●草津駅〜京都駅間
日中時間帯
・東海道線(列車線)
特急列車・貨物列車・回送列車など
・京阪神緩行線(電車線)
普通列車・快速列車・新快速列車
朝ラッシュ時間帯
・東海道線(列車線)
新快速列車・特急列車・貨物列車・回送列車など
・京阪神緩行線(電車線)
普通列車・快速列車
●京都駅〜高槻駅間
日中時間帯・朝夕時間帯
・東海道線(列車線)
新快速列車・特急列車・貨物列車・回送列車など
・京阪神緩行線(電車線)
普通列車・快速列車
●高槻駅〜大阪駅〜西明石駅
日中時間帯
・東海道・山陽線(列車線)
新快速列車・特急列車・貨物列車・回送列車など
・京阪神緩行線(電車線)
普通列車・快速列車
朝ラッシュ時間帯
・東海道・山陽線(列車線)
快速列車・新快速列車・特急列車・貨物列車・回送列車など
・京阪神緩行線(電車線)
普通列車・快速列車(一部)
※例なので全てがこのように走行するわけではありません。
★新快速と快速タイプの普通が並走する
京阪神を走る快速列車、日中時間帯のほとんどは、東海道線(列車線)ではなく京阪神緩行線(電車線)を走行します。京阪神緩行線内で待避できる駅は京都駅、高槻駅、新大阪駅、大阪駅、芦屋駅などであまりないため、快速列車は徐行運転をよく行っているイメージがあります。
★網干総合車両所明石支所高槻派出所
京阪神緩行線で活躍する207系及び321系電車は網干総合車両所明石支所に所属しています。なお明石支所の車両を留置する派出所が高槻と放出にあります。
高槻派出所内に構内踏切があるのですが、これ一般の人でも通行することができる珍しい踏切です。留置している車両を眺めることもできます。
今は京阪神緩行線の普通列車は207系と321系が活躍しています。かつては103系や201系などの国電と呼ばれる列車が数多く活躍していたほか初期は初代関西急電の42系電車、鉄道博物館(大宮)や青梅鉄道公園に保存されている40系電車やリニア鉄道館に保存されている70系電車なども活躍していました。
わかりにくい説明でしたが、京阪神緩行線いかがだったでしょうか?
ご覧いただきありがとうございました。
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