鉄道輸送に欠かせないレール | よしひろ よしちゃん 鉄道写真館

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みなさんこんにちは!よしひろよしちゃんです。 


今回は鉄道輸送に欠かせないレールということでJR西日本のレールについてご紹介します。


JR西日本は東は中土、西は博多南、南は串本、北は和倉温泉と西日本広範囲に広がる鉄道会社でたくさんの路線があり、つまりそれだけレールが敷かれています。毎日列車は走りますのでレールは新しい物に交換しなければいけない日がやってきます。そんなレールはどこからやってくるのでしょうか?


新幹線と在来線で異なります。在来線はJFEスチール 西日本製鉄所(福山地区)で製造されています。製鉄所からの輸送手段は2つあります。


1つ目は製鉄所(福山港)から船舶でJR桜島線の安治川口駅(大阪港)まで輸送し安治川口駅からJR貨物の機関車に牽引されひとまず、吹田貨物ターミナル駅に輸送します。


★EF66 0番台(27号機)とレールを載せたチキ6000貨車 安治川口駅にて


列車番号(スジ)は変更があるので当ブログでは掲載しません。

★ EF66 100番台とレールを載せたチキ6000貨車 千里丘駅付近にて


安治川口駅から吹田貨物ターミナル駅まで輸送され日によりますが、吹田貨物駅で機関車の交換を行い、引き継ぎJR貨物が京都貨物駅(梅小路)まで輸送します。


なおレールの行先によっては、吹田止のものもあります。


京都貨物駅に到着するとJR貨物からJR西日本に貨車が渡されます。




★JR貨物からもらうレール貨車を待つJR西日本の機関車 京都鉄道博物館にて


JR貨物が牽引するレール貨車が来る少し前に京都貨物駅(梅小路)から牽引する吹田総合車両所京都支所(向日町)に常駐している機関車が梅小路運転区(京都鉄道博物館扇形車庫付近)にやってきます。普段は下関総合車両所(山口県)EF65が担当しますが、時々代走で網干総合車両所宮原支所のDD51が担当することもあります。この輸送を梅小路配給とファン内では呼ばれています。


京都鉄道博物館からレール貨車の連結作業などは見れませんが、上記、梅小路配給の機関車入換作業などはSL2研修庫やSLスチーム号のりば付近で見ることができます。



★JR貨物から渡されたレール貨車を牽引する機関車(梅小路配給) 向日町駅にて

京都貨物駅(梅小路)から吹田総合車両所京都支所までは、JR貨物から引き渡されJR西日本の機関車が牽引します。

向日町レールセンターの入換車

吹田総合車両所京都支所からは入換用機関車で同敷地内にある向日町レールセンターに搬入します。


ここまで運んできたレールは25m定尺レールです。

チキ6000

チキ7000

25m定尺レール輸送ではチキ6000形とチキ7000形が使用されます。


25m定尺レールのままレール交換をする場合は、翌日以降に工事臨時列車(工臨)の設定された時刻にJR西日本の機関車がレール交換をする最寄りの保線区まで輸送し引き渡されます。

★DD51とレールを載せたチキ6000貨車 西宮駅にて

★ EF81とレールを載せたチキ6000貨車 桂川駅付近にて


行先により牽引する機関車が異なります。近畿圏は下関総合車両所のEF65、網干総合車両所宮原支所のDD51、そして数少なくなりました敦賀地域鉄道部のEF81などです。



続いて25m定尺レール以外のレール輸送についてですが、その前にJFEスチール 西日本製鉄所からの輸送手段の2つ目をご紹介します。


2つ目の輸送方法はJR山陽本線の東福山駅まで製鉄所から結ぶ専用鉄道(専用線)を使って輸送します。


そして東福山駅周辺の25m定尺レールのままレール交換をする場合は、当駅から工事臨時列車(工臨)の設定された時刻にJR西日本の機関車がレール交換をする最寄りの保線区まで輸送し引き渡されます。


それでは25m定尺レール以外のレール輸送はどう行うのか。


向日町レールセンター(溶接所)

吹田総合車両所京都支所(向日町)のレールはそのまま入換車で溶接施設に移動し溶接します。


25m定尺レールを50m長尺レールまたは200mロングレールにします。


鉄道が走る音といえばガタンゴトンですね。レールを溶接することでレールの繋ぎ目(ガタンゴトン)を減らし揺れを少なくします。


そして東福山駅のレールは工事臨時列車(工臨)の設定された時刻にJR西日本の機関車が吹田総合車両所京都支所まで輸送します。(通称 向日町工臨or東福山工臨)




東福山駅から吹田総合車両所京都支所にやってきたレール貨車(チキ5200.チキ6000)

吹田総合車両所京都支所からは他と同様、入換用機関車で同敷地内にある向日町レールセンターに搬入します。


JR西日本でレールを溶接できる施設は吹田総合車両所京都支所(向日町)だけなのでロングレールに溶接するレールは基本的に全て当所に運ばれるのです。


向日町レールセンターでレールを溶接をしたレールはロングレール専用の貨車に積み替えられ吹田総合車両所向日町支所から各地に発送されJR西日本の機関車が牽引します。


ロングレール専用貨車は先程までの25m定尺レール貨車と全然違います。比べるとこんな感じです。

ロングレール貨車(ロンチキ )25m定尺レール貨車(短チキ)の並び

左側のロングレール貨車には黄色い機械があります。これがロングレール貨車、一番の特徴です。


先程紹介した25m定尺レールの運搬は吹田総合車両所京都支所または東福山駅からレール交換を行う場所の最寄り保線区まで輸送していましたが、長尺レールとロングレールは直接、現場(レール交換場所)まで運搬します。

ロングレールを降ろしたイメージ

現地へ運搬して先程少し記載した黄色い機械を動かしレールを滑り落としていきます。落とすレールは現在、使用している線路隣に置くのが大半です。ここに置いておき夜間の保線作業時にクレーンなどを利用し交換していくのです。




チキ5500  機械部分

じっくり見るとなかなか面白い構造をしています。




ロングレール各地に発送する光景

ロングレールもJR西日本の人気機関車、DD51.EF65.EF81などが担当します。

なおトンネル内でロングレールを卸す際は作業が煤煙があることから基本的に電気機関車が使用されます。


なお今までは吹田総合車両所京都支所から御着行(御着工臨)のロングレール輸送はまれにあり、これは御着駅構内に繋がる姫路新幹線保線区に運ばれ山陽新幹線のレール交換を行っていましたが、現在は福岡県にある日本製鉄(新日鐵住金)の八幡製鉄所で製造されています。八幡製鉄所からは最寄り駅である黒崎駅から北九州貨物ターミナルまで輸送し北九州貨物ターミナル駅から東京貨物ターミナル駅間でJR貨物がレール貨車を牽引します。JR西日本だけでなくJR東海・JR東日本の新幹線レールも当製鉄所が製造していますので東京まで走っています。JR西日本の停車駅は新幹線保線区のある新下関駅・東福山駅・御着駅でJR東海は西浜松駅となっています。





チキ5500(通称 日鐵チキ)

関西圏は夜間に通るのでなかなか見れる機会がありません。また鉄工所を出発する際にすでに溶接されロングレールになっています。

★吹田総合車両所京都支所(向日町)から安治川口駅にレール運搬貨車を戻す光景、2019年に引退したEF200が牽引したこともありました。

なおここまで記載しませんでしたが、レール運搬をしてレールを卸した貨車は空になります。空になった貨車は大半、発送駅に戻ります。ですので安治川口駅発送の貨車は安治川口駅、東福山駅発送の貨車は東福山駅、向日町駅発送の貨車は向日町駅、黒崎駅発送の貨車は黒崎駅です。なお貨車には●●駅常備(貨車が常備している場所)と記載されています。


新幹線の線路と在来線の線路

少し話が逸れますが、新幹線と在来線の線路幅が違うのは皆さんご存知でしょうか?


在来線は1067mmで狭軌、新幹線は1435mmで標準軌と呼ばれています。


1872年に日本最初の鉄道が開業した際に1067mmの狭軌が採用されました。しかし幅が狭い狭軌は標準軌と比べて高速化が難しいなどデメリットが多かったのです。そこで標準軌を採用した新たな路線を1964年につくったのが皆さんよくご存知、東海道新幹線をはじめとする新幹線です。


現在も在来線が狭軌なのには、1872年鉄道創業期に標準軌を採用しなかったからでしょう。創業期に狭軌だった理由には諸説がいろいろあります。


狭軌は車両、線路の構造物が小さくなるため建設コストが低いということや明治初期、限られた予算で鉄道網を築き上げるためには狭軌が適していたのかもしれません。


在来線が標準軌を採用していれば現在の鉄道もまた違った形だったかもしれませんね。

★JR山口線の線路(SLやまぐち号後部から撮影)

ここまでレールについて紹介してきました。

線路はレールだけでなくレールの下に枕木、そしてバラスト砕石・砂利(一部の場所)などによりできています。


続いてバラスト砕石・砂利についてご紹介します。


バラスト砕石・砂利はどうやって輸送するのでしょうか?


バラスト砕石・砂利は製造工場などからトラック(ダンプカー)で陸路を使い鉄道車庫などの施設に持ってきます。

★JR播但線 寺前駅バラスト積み込み線

近畿圏ならJR播但線の寺前駅にバラスト積み込みの施設があります。このベルトコンベアにバラスト砕石・砂利を入れて専用貨車に入れます。


なおバラスト積み込みのベルトコンベアではなく普通のショベルカーやブルードーザーなどで積み込む場所もあります。


その専用貨車はこんな車両です。


ホキ800 ホッパ車をEF81が牽引する。


このホキ800 ホッパ車にバラスト砕石・砂利を入れて工事現場まで機関車に牽引され輸送し貨車のダイヤルを緩めることでバラストを散布します。


上記写真は向日町(近江今津駅常備)のホキ800です。JR寺前駅で撮影した写真がないので代用致します。

バラスト砕石・砂利はレールと違い小さい物でトラック輸送も可能ですから近年はこのホキ(鉄道)を使われることが少なくなりつつあります。京阪神でホキ800 ホッパ車はたったの2両が向日町(近江今津駅常備)にあるだけでその2両もほぼ使われていません。


次回のブログでは今回紹介しなかった、25m定尺レールの最寄り保線区に運ばれてからの作業、現在多く採用されているバラスト砕石・砂利の輸送方法、枕木の輸送方法のほか保線車両について詳しくご紹介します。


ご覧いただきありがとうございました。

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