今回は車庫探訪シリーズということで金沢総合車両所松任本所についてご紹介します。
JR北陸本線の松任駅前にある車両基地及び車両工場です。
車両基地と言っても配置されているのは事業用車(非営業車)や試験車両などの配置のみで車両の重要部検査・全般検査のほか車両改造や更新工事などが行われる車両工場の方がメインになっています。
★金沢総合車両所 松任本所
重要部検査または全般検査が行われています。当所での主な検査車両はここの金沢総合車両所、支所配置の車両(運用研修センター・富山支所)や敦賀地域鉄道部の一部列車などの北陸地区で運用されている車両のほかIRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道などの第三セクター鉄道会社の検査を担当しています。
北陸地区ほとんどの車両検査は当所が担当しているので一般公開や試運転があるときは面白い写真を撮ることができます。
本所には2種類の貨車が配置されています。
★チキ5200形
レール輸送用の貨車で松任駅常備であります。
★ホキ800形(写真は向日町操車場のもの)
バラスト輸送用のホッパ貨車で松任駅常備であります。
また本所には3種類の車両が保存されています。
★2120形2272号機 蒸気機関車
1905年にイギリスから輸入した蒸気機関車です。日露戦争の輸送増大のために導入されました。初期は田端や尾久に配置され門司下関や岐阜に転属した後に、ここ松任で保存されておりJR西日本の登録鉄道文化財に指定されています。
★475系(クモハ475形46号車 電車)
JR西日本の登録鉄道文化財に指定されています。急行列車などで活躍している153系.165系の交直流両方に対応したのが457系(455系.475系)で急行くずりゅうなどで活躍しました。同形式が鉄道博物館(大宮)にも保存されています。
★キ100形209号機 除雪車
1942年に製造されたラッセル車です。この頃は機関車にラッセルヘッドを装着するのでなくラッセル車に機関車を連結する仕様だったようです。当車両は登録鉄道文化財に指定されていませんが、同形式で後藤総合車両所に保存されている車両が登録されています。
489系(クハ489形1号車)やキハ52も保管されていましたが現在は整備され489系は京都鉄道博物館、キハ52は津山まなびの鉄道館に展示されています。
近年、北陸線を走る列車はほとんどJR西日本になってから製造された車両になってしまいました。ですが今でも面白い車両がたくさん走っています。これから金沢総合車両所 松任本所で検査や修理が行われた、主な車両をご紹介します。
まずは普通列車です。
★413系 電車
交直流両用車で北陸本線や七尾線などで活躍していました。列車短編成化と客車列車淘汰のために581系.583系を改造した419系.715系が導入されたのですが寝台・座席兼用車を改造しているので、また他にある車両は急行型列車でラッシュに対応できないことから導入された車両です。
北陸本線の一部と七尾線は直流電化で他は交流電化のため交直流両用車となっています。
★455系電車
車両組み換えで413系編成の中に457系急行型車両が組み込まれている車両もありました。最後の現役急行型電車としてファンから人気でした。
★415系800番台電車
これまた面白い車両。七尾線を直流電化のため交流電化の北陸本線と直通運転するため普通列車用の交直流電車が必要となり上記の413系電車では足りなくなりました。福知山電車区に配置されている485系電車は直流電化区間のみの運用で交流機器は必要なく485系電車から交流機器を取り外し 113系に交流機器を搭載して415系800番台に改造。そして485系は直流専用車両となり183系になりました。また面白いのが当列車は交直流車に改造される113系だった頃、万博号や初代新快速として活躍したグループなのです。
上記、3種類の車両は2021年のダイヤ改正で引退しました。
★521系0番台
現在、北陸本線や七尾線の普通列車には521系が使用されています。同じ形式、同じ番台ですが顔が異なります。
続いて特急列車です。
かつては485系などが活躍していましたが、特急型車両も現在はJR化に製造した681系が683系が活躍しています。
★681系.683系
数は少なくなりましたが、今も機関車や気動車の検査・修理が行われています。
★EF81電気機関車
他にも寝台特急日本海や寝台特急トワイライトエクスプレスなどで活躍した機関車で現在は工事臨時列車や団体専用列車の牽引をしています。
★キハ48 (花嫁のれん)
北陸地区のほか非電化路線の各地で活躍する気動車です。当車両は金沢〜和倉温泉を走っています。
また現在も検査を行なっていますが、国鉄時代に製造したラッセル車は少なくなりました。
★DE15形1004号機
当車両は主に北陸本線で使用されたラッセル車(除雪車)です。現在は後ほど紹介しますキヤ143に置き換えられ、一部車両第三セクターのあいの風とやま鉄道で活躍しています。
★DD15形15号機
この車両も主に北陸本線で使用されたラッセル車(除雪車)です。こちらは解体されてしまいました。
ここまでに紹介したラッセル車(保存車含む)は機関車にラッセルヘッドをつけて走行するタイプでした。近年製造されている新型のラッセル車は異なります。
★キヤ143形1号機
当車両は気動車扱いとなるラッセル車です。JR発足後、鉄道車両として初めて製造したラッセル車です。ラッセルヘッドを外せば、牽引車としても使え、現在のSLやまぐち号客車(35系)の前後に当車両を連結すると走行できるようですが、試運転以外に当車が車両を牽引することはおそらくなかったかと思います。
JR西日本の北陸地区の大きな検査や修理を担当する金沢総合車両所松任本所、最寄りの駅はJR北陸本線の松任駅ですが、北陸新幹線の暫定開業(金沢〜敦賀間)で並行する北陸本線は第三セクター化されます。そうなるとIRいしかわ鉄道松任駅となりますが、当所の管理はどこがするのか?など気になります。
車庫探訪シリーズ〜金沢総合車両所 松任本所は以上になります。いかがだったでしょうか?
ご覧いただきありがとうございました。
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