ベルリン・フィル1888〜89シーズンの資料 | 近藤嘉宏オフィシャルブログ「Brillanteな瞬間」Powered by Ameba

ベルリン・フィル1888〜89シーズンの資料

大変貴重な資料を

入手することができましたので、
せっかくですので、
少々ご覧頂こうかと。
 
1888〜89年にかけての
ベルリン・フィルの
11回にわたる演奏会のプログラムを
一つにまとめた冊子です。
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指揮は全てハンス・フォン・ビューロー。
それぞれの演奏会について
解説も約40ページずつあり、
充実の内容です。
プログラムの組まれ方が
今とは少し違ったり、
今ではあまり演奏しない作品を
プログラミングしていたり…
 
僕はベヒシュタインを弾く機会も
かなり多いのですが、
当時のベルリン・フィルの
公演におけるピアノ協奏曲は
全てベヒシュタインを使用していたようで、
これを現物の資料で
しっかりと確認できたのも収穫。
 
例えば1888年10月15日の公演。
ソリストはダルベール。
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それにしても若き日のダルベールと
フォン・ビューローの組み合わせによる
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番なんて
どんな演奏だったのだろう…
妄想が膨らむなあ。
 
またこのシーズン、
作曲家がソリストのようにゲストで招かれ、
演奏会の前半で
自分の作品を指揮するなんていう
夢のような企画も実現しています。
その一つがこれ。
1889年3月4日の演奏会。
ブラームスがゲストで招かれ、
自身のピアノ協奏曲と大学祝典序曲を指揮。
ここでビューローは
ソリストに回っています。
何ともニクい演出。
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しかしまあ、
凄い演奏会だ…
 
曲目解説はとても興味深いところですが、
譜例をふんだんに用いた
アナリーゼ的なものになっています。
こりゃ、当時の聴衆は
相当マニアックですね。
 
因みに解説の最初のページ。
"ブラームス指揮"と書かれています。
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ところで…
Library of Congressのサイトで
この演奏会の翌日
ブラームスがベルリンから
編集者ケラーに宛てた手紙が
閲覧できます。
こちらも是非。
 
さて、プログラム冊子には
他にも凄いコンサートが目白押し。
ヨアヒムがソリストを務めたものや
グリーグが「ペール・ギュント」を
指揮したコンサートもあります。
これです。分かりにくいですが…
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またこの冊子、
色々な広告のページがあって
眺めているだけでも楽しいのですが、
ページをペラペラめくっていたら
スタインウェイの広告を発見!
雰囲気が素敵ですね。
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