常陸太田市でモーツァルト | 近藤嘉宏オフィシャルブログ「Brillanteな瞬間」Powered by Ameba

常陸太田市でモーツァルト

23日は常陸太田市のパルティホールで
モーツァルトを演奏してきました。
「ららら♪クラシック」でお馴染みの
石田衣良さんと加羽沢美濃さんの
司会進行でお送りするコンサートです。
出演させていただくのは確か3回目。
演奏会の中でのトークが楽しくて、
僕もいつもよりもかなりくだけた感じに
なっている気がします。
それに加え、楽屋で皆で集まっての雑談も
これまた凄く楽しく、
毎回楽しみにしている次第。
今回も大盛り上がり(笑)。

さて、モーツァルトですが、
僕は実はこれまであまり多くは
本番で弾いていません。
まだモーツァルトの世界観に
自分は到達出来ていない気がして、
弾くことに躊躇いを持っていたのです。
勿論モーツァルトは僕より全然若くして
亡くなっていますが、
若くしてある特殊な領域に到達した天才と言えます。
その音楽を本当の意味で深く、
内面性豊かに聴き手に届ける、
しかも全てがむき出しになる中で
それを自信持って成し遂げなくてはならない。
モーツァルトの持つ特殊な領域を
同じように特殊な領域を持つ天才が演奏するなら
それはまた特殊な合致をするのでしょうが、
僕のような「凡人」がその領域を表現するには
相当な人間修行が必要だと感じていました。

ですが…
数年前くらいからモーツァルトを弾くことを
そろそろ自分自身に許してもよいかな、と
思っています。
人間的にどのくらい深まったかは未知数ですが(笑)、
色々な複雑なものを感じ、聴こえてくるようになったし、
それに対応する表現手段も増えて
今の自分の中で納得のいく表現もできるであろうと。
いわゆる「解禁」ですね。
モーツァルトの作品は
それこそ小さい時にたくさん勉強していて、
随分とレパートリーはあるのですが、
そうは言っても丹念に一つずつ今の自分に
変換していかなくてはならないなと
思っています。

そんな中でのこの演奏会。
凄く手応えありました。
とにかく残響豊かで
音が良い意味で混じらないホール。
そして粒立ちの良いベーゼンドルファーの
コロコロと美しい天国的な響き。
その中でモーツァルトの作品をどう表現するか、
これほど頭の中にキッチリ見えたのは
初めてと言えるくらい。
うん、少しずついこう、モーツァルト。
「天才」も凄いけど「年の功」も強力ですよ、なんて言える程の
歳にはまだいってない???ですけどね、僕は(微笑)
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