チャイコのコンチェルト再発見 | 近藤嘉宏オフィシャルブログ「Brillanteな瞬間」Powered by Ameba

チャイコのコンチェルト再発見

中部フィルと
チャイコフスキーの第1番を共演しました。

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ここ暫くこの作品を弾いていなかった事によるものか、
数年前に奏法を変えた事によるものか、
それとも僕自身の感じ方が変わってきたのか、
とにかく音楽がとても新鮮に
心に響きました。

旋律の一つ一つが
今までないくらいの密度で
しかもディテール細かく
心に迫ってきました。
しかも以前より
技術的にも弾きやすくなっていた。

一体何なんだろう…
自分でもわからないのですが、
取り組んでる事の成果が
出てきたのかもしれないと
ふと思ったり。
そういえばこの作品、
大幅に奏法を変えてから
弾いていなかったかも。
だから普段よく弾いている作品よりも
自分自身の変化を
ハッキリ自覚できたのかも知れないなあ。

そして…
改めてこの作品、
やはり素晴らしいと再確認しました。
旋律の美しさ、全体の構成、
ピアノを浮き立たせる作曲技法、
オーケストレーションの巧みさ、
カデンツァの楽曲との融合性、
そして何よりも音楽のメッセージ性。

ともするとポピュリズム的に捉えられたりして、
聴き手もどこかで惰性化しているかもしれないこの作品の中には、
もっともっと奥深い内的な蠢きが存在しているように思うのです。
またそうした部分に意識を向けて弾く事で、
さらに思索的な広がりも増すのではないかと。

いやあ、奥深い…
チャイコフスキーの第1番、
さらに研究していきたいと
今回強く思いました。

今回初共演だった中部フィルには
明晰な秋山さんの指揮のもと、
温かい音楽でソロを支えて頂きました。
今回、GPで一つのものが出来上がった気がしたので、
本番は音楽の呼吸の幅を大きく取って、
思い切り攻めてみました。

最後にマエストロ、コンサートマスター稲庭さんとの3ショット!

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お疲れ様でした!!