2013年、セルフカバーアルバム「Phase」発売に伴い渋谷タワレコの地下にあるカットアップスタジオでインストアイベントを行った。

そのイベント当日に映像を流すって企画があり、それは、椎名と親交の深い人との対談をさせたいって話だった。

そこで白羽の矢がたったのが田淵智也で。

正直面識はあるものの親交なんてない。

友人でもないし、プライベートでも会ったことなんてない。

それでも時々スタジオなんかで会えば笑顔で会話をするし、スタジオに置き手紙なんかもしたことがある。(手紙については話すとくだらないのに長くなるので割愛)

そもそも出会いはさかのぼるとSURFACE解散の年である2010年2月。

ライブイベンターが一緒で、そのイベンター主催のライブにSURFACE、ユニゾン、椿屋四重奏(解散しちゃった)の三つ巴。

なんでか知らんが俺がトリにされたのは覚えてる。(デビュー年数だけでトリとか決めるの良くないとオモイマース)

そこがある意味しっかり田淵を田淵と認識した最初だった。

とまぁ出会いまでさかのぼったわけだけど、そこからカットアップスタジオで流す為の対談までプライベートで会う事はないまま対談を収録。

お互いぎこちなくもあり、でもやっぱり共通する話題だと意気投合しまくって熱く語るし、妙に似てる部分もあったり。

友達になれるタイプではある(笑)。


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でまぁカメラが回ってる前で「一緒に音楽やろうよ」と言われれば、「嫌です」ってなかなか言えないもんでしょ?田淵も例外ではなく、本当は「嫌です」って言いたかったかも知れないけどカメラの前で「是非是非!!やりましょう!!」と口約束。

そんなこんなで時を経て、いい加減忘れてしまいそうな社交辞令を社交辞令のまま終わらせない為に「一緒に曲作ろう」って誘ったのが今年の4月頃か。

俺自身その時に一緒に作ったからって一体どんな形でリリースするのかとかなんにも決めていなく、兎に角一緒になんかやる事で答えが見えりゃいいやってぐらいで。

そして5月に田淵から音源が届いて。

その音源にクスクスしながら、そしてワクワクしてる自分がいて。

一発で気持ち良くなってしまって田淵に「これでOKだよ」って返事。

田淵は「えぇ!?マジすか!?」と一発で一切直しもなくOK出る事に驚いていたっぽい。

そこから俺はバタバタと野暮用が始まり(笑)、それをクリアしてもう一度改めて田淵曲と向き合った時に、6月頃までに書いてあった歌詞に違和感が走り、80パーセントほど書き直した。

もう少しだけ大衆性をおびたい。

本当にそう思った。

田淵とマニアックな事やりたくて組んだのか?いやちゃうな・・・と。

なので誰かの背中を押す応援歌ってわけでもないけど、聞いてて少しは前向きになれるような言葉達を探した。

自分がそういう言葉達を投げかけて欲しかったのかも知れないけどね。

なんやかんやで完成までこぎつけたんだけど、田淵はもうユニゾンで大忙しでまったく会うタイミングがないので、途中からはお互い別々に作業をするような形に。

俺の歌録りにも顔を出せず。

なので、俺は俺で歌を録ったらそのデータを田淵に投げ、その歌を聴きながら田淵は田淵で自分のスタジオでコーラスレコーディングって形。


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最後にトラックダウン(TD)やミックスと呼ばれる作業があるんだけど(曲が完成する作業)、そこで久々に田淵と合流し、無事にお互いが満足出来る、納得出来るサウンドや言葉達に仕上がった。

長かった(笑)。

4月から始まって9月。

1曲に5ヶ月!(作業をずっとしてたわけじゃなく、ほぼ放置せざるを得なかっただけだが)

そしてこの2人のアクの強い個性に更にもう1人今回アレンジャーに田淵の知り合いの元serial TV dramaのリーダーであり、マルチに活躍するギタリスト・新井弘毅を起用。

彼もアクが強い(笑)。

最強のギターを弾き倒してくれまして、バランスをとろう!なんてベタな気持ちなんかなし(笑)。

そこに更に俺の知り合いのドラマーかどしゅんたろう参加。

田淵が新井君を連れて来て、俺はかどしゅんを連れて来て、もはやアクしかない4人組のバンド(笑)。

かっこ良過ぎる変態的なドラムを叩いてくれました!

この4人が組んだら一体どうなったのか!?是非その耳で確認してほしいなって思います。


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左からかどしゅん、椎名さん、田淵、新井君。

大人な、それでいてヤンチャな曲になってるんじゃないのかな?

それでいて椎名慶治らしい、いやぶっちゃけSURFACEらしさすら味わえるんでは?と。

そんな「人生スパイス -go for broke-」も収録された椎名慶治名義のオリジナル作品としては1年10ヶ月振りとなる「I & key EN II」よろしくお願いします。

11月12日発売!!


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