SURFACE初のバラードシングルであり、初のノンタイアップ曲。

デビューからここまで全てのシングルにタイアップがあった事がある意味で異常だっただけであり、やっと普通にシングルを発売する事になったわけですよ。

曲の力だけで勝負するって事。

それが何故にバラード!?

前作まで計5枚のシングルが全てアッパーな曲となれば流石にそろそろバラード・・・っていう流れは分からなくもない。

が、バラードが売れると途端にバラードしか歌わないアーティストとか子供の時から沢山みてきたので、どこか不安だった。

俺がバラード大好物ならそれもまたよしって話だけど、いかんせんバラードを歌うのが好きじゃなかった。

理由は簡単、歌が下手だから。

高校時代、周りからは「歌が上手い」とおだてられて木に登り、もう無我夢中で木の天辺まで登りきったらあらやだプロになれちゃった!っていう、ある意味シンデレラボーイであり、勘違いしたままのおめでたい人間だったのは救い。

プロ目指す途中で「あれ?俺別に歌上手くなんてないなこれ?」って気付かなくて良かったよ(笑)。

スーパー勘違い、どこから沸き出るのか謎な根拠のない自信、そして自分大好きナルシスト、ってのはミュージシャンにとても必要なものだと俺は思います。

不安だらけで自分を信じれないとか、もし万が一そんな人がミュージシャン目指したら、そしてプロになったら世間の声にフルボッコで一発で潰れちゃうと思う。

俺達なんて二人組みでしかもルックスも良いもんだから(キリ!)、何処ぞのスーパーユニットのパクリだ!ポストだ!って騒がれるんですから。

そんなパクリだなんて、なんとおこがましい。

真似して出来りゃ苦労しねえぞ。

最初にそんな洗礼を浴びせてくれたのは何処ぞの新聞記者。

上から目線で取材をした挙句、新聞に載った俺達の年齢が椎名慶治(29)、永谷喬夫(28)、なデュオ。

22歳だっつの!

しかもデュオって二重奏の事でしょ?

永谷歌わねえよ(笑)。

完全に誤報で始まるわけで、なんかおかしな世界に迷いこんだなぁって思ったものです。

いやぁ大変だったなぁ。

話がそれちゃったし、無駄に長いけど、とにかく自分を信じないと!!って言いたかった。

歌が上手くないってプロになった頃薄々気付き始めていた。

ただ、言葉に感情をのせるのは下手だとは思わない。

それだけが救い。

逆に言うとそれしかない。

作る前からバラード縛りで事務所、レーベルと話が進んでいたので、覚悟は決めてましたけど、この時点でSURFACEが世に出したバラードは「冬の終わり」ただ1曲のみであり、しかもアルバムにコッソリ収録されているのみ。(良い曲だからALBUM「Phase」を聞いてみてね。「SAIKAI」でも披露してます。)

一番の不安は売れた後の未来じゃなく(売れりゃその後やりようあるだろうしね)、「世間はSURFACEのバラードを受け入れてくれるのか?」という、まったく売れなかった時の未来。

元気が良くて、チャラけてて、それでいてポジティブ、そしてデュオ(笑)。

ここまで築きあげたSURFACEのイメージってこんなんでしょ?

バラードで元気でチャラけてポジティブは無理がある。

一体どんなバラードを歌えばいいのやら・・・そんな感じでした。

後にも先にもノートに手当たり次第な言葉達を羅列したのはこの曲のみ。

キーワード的に「遊園地」、「観覧車はキスのチャンス?」という殴り書きがあったり、「焼肉」、「食べるのは付き合い長い?」ってあったり(笑)。

カップルに関して、シチュエーションを具体的にしたかったんでしょうけども。

結局「電話」をテーマに物語りは進む事になりました。

この曲でも野口のアドバイスをもの凄く受けながら書き進めていったのを覚えているし、「素」って言葉を野口から貰った時に、「あ、素直ではなく素だけってすげぇ」って斬新さを覚えました。

2番の「好きだから些細な事が許せるとずっと思ってて 好きだから些細な事が許せなくなるなんて思わなかった」と言う歌詞をメロディーに乗せた時、なんか体の芯からゾワっとしたのを覚えてます。

俺なんかすげぇ事書いたんじゃねえか?って。

メロと言葉が完全に合致した時に起こる寒気というか。

ここにくるまでの作品にも何度かありましたが、一番でかいゾワゾワ感でしたねぇ・・・覚えてるわぁ・・・。

永谷もバラードシングルって事でいつも以上に気合いが入っていたのか、それとも何も考えていなかったのか(笑)、最後のサビのリフレイン「君の声で 君の感触で 君の肌で 君の温もりで」っていうアレを、レコーディング当日の最後の最後で伸ばしたという事件発生。

歌詞をフィックスして終わり、後は歌うだけと言う状態、ボーカルレコーディングの日にそれが発覚。

最後の最後で2行分のメロが増えた事で当たり前だが2行が空白になるという大事件。

レコーディング前に相談してくれてれば何も問題が無かったわけだけども、なんの相談もされていないし、レコーディング当日に構成が変わった事実をつきつけられて椎名固まる。

その後は説教。

「二人で作曲した曲の構成を直すのになんの相談もなしかいワレ!(口調は違うと思います)」という内容だったのは覚えてる。

この時の俺は本当に怖かったらしい。(そこは記憶にない)

リフレインを単純に繰り返すだけじゃ歌詞が引っくり返って終わるもどかしさが最後まで残ったが、他に良い方法も見付からず。

新たに言葉を書き足すと言う発想も許せなかったし。

「あぁ~この部分言葉つけたしたのね」と思われそうで嫌だった。

こういう作品作りは二度とゴメンだよアタシは!

永谷とこの話もたまにしたけど、「マジブチギレでしたよね(笑)」と笑い話にされます(笑)。

笑うんかい!

それでも最終的に完成したソレは二人の化学反応が起きた名曲、珠玉(ふる!)のバラードになったと自負してます。

この曲をリリースした後、SURFACEがバラードを制作する時は常に「君声に負けないように!」と意識するほど、ライバル的存在になったぐらいですから。

その後に発表される様々なバラードがそこそこ良い曲(謙虚)なのは「君声」があったからこそ。

今回から遂にSURFACEも12センチシングル(マキシシングル)の仲間入りを果たし、初の3曲入りシングル。

労力1.5倍で締め切りは一緒みたいな(笑)。

すげえ大変なんだけど!!1曲増えるってこんなに大変なんですか!!

俺達ってカップリングも大事にしていたみたいで(みたいってなんだよ)、それはとても良い事だとは思いはするものの、肩の力まったく抜けてないガチンコな2曲を全力で作りあげました。(「まいったな -しょうがない-」はこのCDでのみ聞けるのでチェック!)

今思えばもうちょっとリラックスしろよ・・・って思うぐらい全部の作品ガチですよねこの二人。

肩凝るよ?

そして完成したSURFACE初のバラードは売れたの?って話になりますが・・・。

どうでしょう?(問うな)

PVではまた新たな監督(コロコロ変わるもんだね)との出会いから始まり、ある意味斬新な切り口、ギターリストの永谷を主役に。

俺はそんな永谷の心を表現してたんじゃないかと。

ガラス1枚隔てた男女二人が近いのに遠い・・・その距離にもどかしさをぶつけるような?どうなの?そんなPV?(だから問うなってば)

ガラスと一緒に機械でグルグル回ってましたが目が回るほどの速さではなかったのが幸いです。

あのガラスそこまでしっかり固定されてなくて、ちょっとでも寄りかかるとグラグラしていたのが怖かった(笑)。

この日の永谷は熱が途中から上がったらしく、撮影後半につれて顔色が・・・緑色に・・・。

それでも一番難しいであろう「言葉のない演技」をやり遂げたのは素敵だったなぁ。

ギターソロとか弾くシーンはセクシーだよね。

ガラス越しに手を重ね合わすシーンとかベタだけど超かっけえし。

なにこいつ超イケメン。(顔はハッキリ映ってないが、雰囲気が)

最後女性に抱きつくシーンとか・・・やだ・・・てれる・・・(*ノノ)。

でもさ、このPVの一番皮肉めいた部分っていうか、俺の中で一番印象残ってる部分は他にあって、「綺麗なままで終わらせないぜ」っていう監督の意図っていうか、エンディングで女性が笑って終わる、最後の一瞬だけキッ!とした顔見せるんだよね。

ゾクッとしたぜあのシーン。

気付いてなかった人スローモーションでも、一時停止でもなんでも見て御覧なさい。

ってことで、具合悪いながらもイケメンな永谷を是非皆さんもチェック!!

今PV見てきたんだけど、ホントこの曲のギターは凄いな。

何本重ねてるんだっけ?結構いってるなこれ。

イーボウという機械でギターの弦を振動させ続け、あたかもストリングスのようにギターを奏でる奏法を駆使したオーバーダブは素晴らしいね。

ギターソロとか凝り過ぎ。

やり過ぎ。

カッコ良過ぎ。

俺のほうが目立ちたい。(本音出た)

音でも映像でも完全にギタリストに軍配あがってる。

っち!

ではまた明日。



Last Attraction/SURFACE


2010.04.28 Release!!
UMCK-1350/1351
¥3,800(tax in)
[初回生産分]解散ライブ先行予約案内封入

<購入者先着特典:ポストカード>
※先着特典となります。数に限りがございますのでお早めにご予約ください。
※一部CDショップ、ECサイトでは特典がつかない場合がございます。
ご予約、ご購入の際は予めご確認をお願い致します。


♪SURFACE解散ライブ♪
「Last Attraction」
■日程:2010年6月13日(日)
■会場:東京国際フォーラム・ホールA
■時間:OPEN 16:30 / START 17:30
■席種・チケット代:全席指定 ¥5,800(tax in)
■チケット一般発売日:2010年5月8日(土)
■お問い合わせ■
VINTAGE ROCK 03-5486-1099(平日12:00~17:00)


♪着うた(R)、着うたフル(R)配信中♪
レコチョクmusic.jpdwango他にて名曲を配信中。

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