《新撰組 参上!》


幕末、政局の中心は江戸から京都に移り、全国の諸藩から尊皇攘夷、倒幕運動に参加する過激志士たちが集まり、辻斬りや要人暗殺が横行するなど治安が悪化しました。

従来から都の治安維持にあたっていた京都所司代と町奉行だけでは防ぎきれないと判断した幕府は、最高治安機関として京都守護職を新設し、会津藩主の松平容保を就任させます。
その配下の実働部隊として治安維持にあたった臨時警察組織が「新撰組」です。

中心となったのは、武州日野の田舎道場、“天然理心流・試衛館”の道場主・近藤勇とその兄弟弟子の土方歳三、沖田総司、井上源三郎、永倉新八、山南敬助などです。
序列は
局長・近藤勇
副長・土方歳三
総長・山南敬助
一番隊隊長・沖田総司…

不穏な空気が支配する京都で華々しい活躍をみせる新撰組には、腕に覚えのある入隊希望者が相次ぎ、最盛期には三百人を超えたといいますが、隊規は厳しく、内部で壮絶な粛清と抗争を繰り返します。

近藤と土方の絶対的なリーダーシップにより、強力な警察組織となった新撰組は、勤皇、反幕、倒幕、尊皇攘夷派の志士たちから恐れられ、幕末の、一方の立役者になっていきました。




作家の司馬遼太郎さんがこんな談話を残しています。

【新撰組はほんとに強かったそうですな。維新後、明治政府の要職を歴任した土佐出身の田中光顕が話したというこんな話が伝わっていますよ。
例えば木屋町かどこか、勤皇の志士が歩いていますと、向こうから新撰組が来る。そうしたらそれまで颯爽と歩いていた勤皇の志士たちが、蜘蛛の子を散らすように逃げたそうです。京都は横町が多いでしょう。小さい道が多いからどんどん逃げた。とくに土方歳三は怖かったというんですけれど、わかる気がしますね。
新撰組は、いわば政治警察のパトロール隊としては、あるいは治安警察のパトロール隊としては、まさに世界史上最強の集団じゃないですか。】




『新・幕末純情伝』
お楽しみに(^O^)