「こけちゃいました」これは1992年バルセロナオリンピックのマラソンで金メダルを期待されていた谷口浩美選手が給水の際に他の選手に足を踏まれ転倒し靴が脱げてしまうアクシデントに見舞われ、懸命の追い上げも8位入賞に終わったというレース後のインタビューで出た言葉です。正確には「こけちゃいました。これも運。精一杯やりました」という言葉です。
金メダル候補と期待されながら、アクシデントがあったといえ8位の成績は本人も残念だったろうし、国民の期待に応えられなかった責任を感じたことだと思うんです。でも「こけちゃいました」の一言で重苦しい空気を一掃してくれたと思うんです。「これもうん。精一杯やりました」まさにその通りです。あの状況から8位まで追い上げたんですから、それだけでも頭が下がります。”オリンピックには魔物が潜む”と言いますが、まさにそうなっちゃったわけです。そして昨日はスピードスケート女子団体パシュートで金メダル目前の最終コーナーで高木菜那選手が「こけちゃいました」
連覇の期待が大きかっただけに残念に思った人も多いのではないでしょうか。
でも「これも運。精一杯やった結果です」と言ってほしいですね。責任感じることないですよ。決勝に残るだけでも大変な努力をされているのは誰でも認めるところです。オリンピックの成績は国民として晴れがましいものですが、頑張っているアスリート個人のものですよ。高梨沙羅ちゃんも不運なオリンピックになってしまいましたが過度な責任を感じないでほしいです。個人種目と違って団体戦はメンバーに対する責任を強く感じてしまうのでしょうが、「それも運」なのです。「こけちゃいました」と笑って済ませましょう。スマイルスマイルですよー。