[海軍兵学校?]海軍兵学校?地下壕
広島県江田島市江田島町宮ノ原
計画/竣工:不明
出典:国土地理院 1948/01/12(昭23) USA-M731-A-4、抜粋・加筆
海軍兵学校(第1技術学校)から大原分校(江田島青少年交流の家)へ向かう国道487号線沿いにある地下壕。運転中、左手の竹林にいくつかの坑道が確認できるので気になり行ってみた。
妖怪酒隠し様とカエル先生(祐実総軍三等兵さま)=既に探索済み、ご両人に呉滞在時にお会いした時、この地下壕の考察をいただきました。ありがとうございます!
結論:誰がいつ、どのような目的で掘ったのか不明。資料も無いが、海軍特有の掘削の仕方なので民間の防空壕ではないと思われる。ただ設営部隊が掘った整然としたものではなく、兵学校の学生が野外演習などの教育課程で掘ったような"素人っぽさ"がある。
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道路に面している坑口は5ヶ所あるが、開口しているのは2ヶ所(うち1ヶ所は坑口部分に貯水槽があるため入壕可能なのは1ヶ所、残り3ヶ所は閉塞)。反対側に貫通している坑口は2ヶ所で開口しているのは1ヶ所のみ(もう1ヶ所は閉塞)。
縦坑(主坑道)は貯水槽がある坑口を(1)とすると、右方向へ並列に(2)(3)(4)(5)とつづく。入坑可能なのは(2)のみ。
・(1)と(2)は2本の横坑があり
・(2)の坑道の奥には2本の行き止まり(横坑)がある。
・行き止まり坑道(横坑)は、(1)ないし(3)の主坑に連結させようとしたが失敗した感あり。
・(4)にも奥に左へ伸びる行き止まり(横坑)があるが、(3)の主坑に連結させようとしたが失敗した感あり。
・(3)から(5)に向かい下る。
・(3)〜(4)をつなぐ横坑は双方から掘り進めたのか、中間地点で高さが合わず明確な段差在り。
・(4)(5)の2坑道を3本の横坑があみだ籤のようにつなぐ
・(4)の坑道が地下壕最大、
・(4)のみ反対側も開口している。
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向かって左の坑口(1)
貯水槽が幅いっぱいにドーーーンと設置されているため入坑できず。
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向かって左から2つ目の坑口(2)
こちらから入ります(・ω・)ノ
最初の角を左折
左折して直進(横坑)、再び左折(主坑)
「貯水槽」がどーーーーん!
坑道に貯水槽を設置って、徹底籠城(持久戦)を決め込んでつくられた八丈島にある地下壕のようだ。
貯水槽のせいで左折は出来ないので右折方向を撮る
(1)の主坑の最奥をみているが崩落している。(2)の最奥に掘られた左側の横坑とつながっていたのか、途中で諦めたか、定かではない。
一旦、引き返す。
この(1)と(2)を結ぶ横坑は壁全てに支保工があった痕跡あり。
入坑した主坑道(2)に出たので、更に奥に進む。
凸凹の一定しない勾配がある地下壕ゆえ軌道は敷設不可能。海軍設営隊が掘ったの地下壕とは明らかに違う。直線部も僅かにクネクネ曲がっている。
主坑(2)は奥に行くと行き止まりの横坑が左に1本・右に1本ある。行き止まりの横坑は、(1)ないし(3)の主坑に連結させようとしたが失敗した感あり。
行き止まりの坑道
岩盤にピット(歯がついた鋼管)で開けたような穴がある。ボーリング調査の痕跡なんだろうか?単なる掘削ではないような・・・よくわからない。
以下、同じような写真
主坑(3)を谷側にみる。
正面は坑口だが閉塞しているため真っ暗。
戦後に普及した重たいチャリ
主坑(3)と(4)を結ぶ横坑の入口。
自転車がある(3)と(4)を結ぶ横坑は、坑道内部で(4)に向かって下っている。この横坑は双方から掘り進めたのか、中間地点で高さが合わず明確な段差在り。
標高が低い(4)や(5)は地盤が良くないのか、崩落箇所が多め。
(5)の主坑
部分的に支保工を入れた痕跡がある。(5)は奥で部分的に崩落していた。
主坑(5)を奥から谷側の坑口方向をみる。
坑口は閉塞しているので真っ暗。
主坑(2)に戻り、退出(・ω・)ノ
終わり
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