鍼灸師 Shuhei Higashi 鍼灸師のブログ

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鍼灸師 鍼灸の勉強、言葉、英語学習など備忘録的に使用予定です。

『人の一生は、重荷を背負うて遠き道を行くが如し、急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし。心に望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え。勝事ばかり知りて負くることを知らざれば害其身に至る。己を責て人をせむるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり。』

 

現代訳

人生は重い荷物を背負っていくようなものである。急ぐ必要はない。不自由が当たり前と思えば、不満は生じない。心に欲が生じたときは苦しかった時を思い出しなさい。我慢することが無事に長く安らかに要られる基礎で、怒りは敵と思いなさい。勝つ事ばかり知って負けることを知らないことは危険である。自分の行動を反省し、人を責めてはいけない。足りない方がやりすぎてしまったものより優れている。

 

これは徳川家康が自分の人生を振り返りながら語った遺訓とされます。幼少期に人質にされたり天下を取るまでに時間がかかったりと長い困難を経験した本人だからこそ言葉に重みがあり長く人々に語り継がれているのでしょう。

 

人生は最初から生まれた瞬間から苦しみをはらんだ長い旅路です。道中には不自由が付きまとい、良いことがあれば悪いこともあります。失敗を経験し乗り越えていくからこそ他人に対して優しくなれます。そしてこの旅は最後まで満たされることはないのが常なので、たくさんのことを求めてはいけない。そういうものだと思えば失敗が普通のことで重荷のせいで前に進めない日があることもおかしくないのではないでしょうか?