名古屋/荒子川公園での朝、早々に出発して名古屋市内を通り岐阜県の土岐市にやってきました。本日は土岐市にある「核融合科学研究所」の見学です。

張り切って早く着きすぎたので近くの「道の駅 どんぶり会館」で時間調整です。

 

 

土岐市は美濃焼の産地であり「陶磁器生産量日本一のまち」として知られていますね。

見てください。トイレの中までどんぶりのオブジェが飾られています。(笑)

 

 

道の駅の向かいには陶磁器試験場「セラテクノ土岐」があったりしますが、約束の10時になったので「核融合科学研究所」に向います。

 

 

核融合は「地上の太陽」と言われており、まさに太陽が燃えさかる仕組みと同じことを地上で小さく実現して巨大な熱エネルギーを生み出そうとするものですね。

 

 

見学は毎回1組だけで1名から100名までとなっています。今回は我々だけの組に案内の方が一人ついての見学会となりました。

まずはビデオを見て核融合の概要を学びます。

 

 
核融合って何だろうから始まって
 

 

物質が原子核と電子にバラバラになる状態をプラズマと呼んでいます。

核融合発電は、海水から作る燃料を摂氏1億2千万度位に加熱した時、重水素と三重水素(トリチウム)の原子核同士がくっついて発生する熱エネルギーを発電に使います。

 

 

プラズマは実は身近にもあって蛍光灯がその例です。蛍光管の中に封入されたガスに電圧をかけてやるとプラズマ状態になって原子核同士がぶつかって熱を出して光ります。だから蛍光管は光ると同時に触れないほど熱くなるのですね。

 

それをもっと高温でやると核融合が始まり、とてつもなく大きな熱を放出します。

このプラズマの流れを起こす装置の研究をしているのがこちらの研究所なのですが、世界各国で大きく3種類の方式の装置が研究されているそうです。

 

 

こちらの研究所ではヘリカル方式での研究・実験をしているそうです。

いわば捻じれさせたドーナッツ状のステンレス製の器を作り、中を真空にしその外側に磁気コイルを巻いて中に磁場を発生させ、その中でプラズマを活発に運動させる装置です。

 

 

 ピンクに光っているのがプラズマの流れということだそうです。

実際の装置は↓のようなものだそうですが、見学コースの中には含まれていません。

 

 

また燃料は海水から無尽蔵に得られる重水素とリチウムを使うため、島国日本に適しており、

CO2も発生せずまた核分裂とも違うので放射能汚染などの危険性もほぼ無いということでした。

 

 

ひと通りビデオ説明を見た後は実際の施設を見学に行きます。

真ん中の白い建物が大型ヘリカル実験棟です。現在の原子力発電所の原子炉建屋と同じくらいの大きさだということです。

 

 

そしてこちらは「制御室」です。これから実験が開始されるということで多くの研究者等で賑わっていました。

 

 

因みにこの制御室は映画「下町ロケット」のロケ地として使われたそうです。

 

 

こちらはかつての実験に使用した小型のヘリカル装置です。放射能汚染等はありませんのでこうして展示して触ってみることもできます。

 

 

そしてこちらは現在の大型ヘリカル装置の5分の1カットの実物です。結構大きなものですね。

この中空を真空にした中をプラズマが走って行くのですね。

 

 

 

今現在はプラズマ流の研究が主で、まだ発電までは至ってないそうです。
発電の実証実験が始まるのは2050年位からではないかとの話でした。
まだ先のようですね。
 
ヘリカル方式の次は「トカマク方式」の研究所を見に行こうと思っています。
こちらは茨城県の那珂市にありますね。