伊勢神宮 神聖な闇の中で「遷御の儀」
20年に1度社殿を建て替え、奉納する宝物や装束なども新調して神様に引っ越してもらう伊勢神宮(三重県伊勢市)の式年遷宮は2日夜、新しい社殿にご神体を移す「遷御(せんぎょ)の儀」が内宮(ないくう)で営まれた。「浄闇」(じょうあん)と呼ばれる神聖な闇の中、絹のベールに包まれたご神体は、神職らによって現社殿の西隣に同じ規模で造られた新宮に納められた。
式年遷宮は、戦国時代に中断はあったが、飛鳥時代の持統天皇4(690)年から約1300年にわたって続くとされる神事で、65の社殿などを造り替えるだけでなく、約1600点の御装束神宝(おんしょうぞくしんぽう)も新調する。
第62回となった今回は、用材を切り出す山の神を祭る2005年5月の「山口祭」から始まり、約30の祭事が行われてきた。総費用は約550億円。
なぜ20年に1度なのか、明確に根拠を示す文献は残っていないが、伊勢神宮の事務を取り扱う神宮司庁によると、社殿や宝物などを20年に1度新しくすることで、常に若いまま、いつまでも変わらない永遠の姿を目指し、国の繁栄を願う「常若」(とこわか)の精神が込められている。
内宮には皇祖神の天照大神(あまてらすおおみかみ)が祭られ、遷御の儀には天皇陛下の代わりに天照大神に仕える臨時祭主の黒田清子(さやこ)さん、鷹司尚武(たかつかさなおたけ)大宮司ら神職、天皇陛下が遣わした勅使ら約150人が束帯や衣冠など古式の装束で奉仕した。
午後6時、太鼓の音を合図に神職の一行が斎館を出て正殿(しょうでん)へ。午後8時、明かりが消された神域では、絹垣(きんがい)と呼ばれる絹の幕に囲まれたご神体が現正殿から新正殿に向かった。
皇族を代表して秋篠宮さまが参列され、安倍晋三首相も出席。各界の代表ら約3000人の特別奉拝者が特設席から見守った。
ーEX 2013.10.03-
伊勢神宮 天皇陛下からお供え
20年ごとに社殿を建て替える式年遷宮のクライマックス「遷御(せんぎょ)の儀」から一夜明けた伊勢神宮(三重県伊勢市)の内宮(ないくう)では新正殿(しんしょうでん)に引っ越しを終えた神様に最初の食事を供える大御鐉(おおみけ)や、天皇陛下からの奉納品を納める奉幣(ほうへい)などさまざまな儀式が続いた。夜には「御神楽」が奉納され、8年にわたる内宮の遷宮の諸祭事が全て終わった。
内宮には皇室の祖神とされる天照大神(あまてらすおおみかみ)が祭られている。早朝の大御鐉(おおみけ)には、神職約20人が奉仕。神様の食事が入った木製の辛櫃(からひつ)2台を担いで進み、新社殿前の御(み)にえ調舎の中で、アワビを切る動作の後、塩を振りかける御(み)にえの儀を行った。食事は、新正殿の敷地へと続く瑞垣南御門(みずがきみなみごもん)の前にお供えした。
伊勢神宮
全国の神社を包括する神社本庁の本宗で、正式名称を単に「神宮」とし、三重県伊勢市と周辺にある125の社の総称。中心となるのが、皇室の祖神とされる天照大神を祭る皇大神宮(内宮)と衣食住の神である豊受大神を祭る豊受大神宮(外宮)。両宮とも同じ大きさの敷地が東西に並び、遷宮のたびにどちらかに新たな社殿が建てられ、古い方は解体される。
ーEX 2013.10.04-