本当は今夜ゆっくり感想を書こうと思っていたのですが、

ちょっと、少しでも早く、微力ながら発信せねばと思って、取り急ぎ。

 

劇団ノーミーツが昨日から公演を行っているオンライン演劇『それでも笑えれば』がなかなかにすごいことになっている。

オンライン演劇だと侮るなかれ。

 

 

私は生の舞台が好きだし、何よりチケットを買って、何日も何ヶ月も前から楽しみにして、時間を作って劇場に足を運ぶという行動自体が好きなので、

ZOOM演劇にも、オンライン演劇にも、

元々あまり興味をそそられなかったし、そこまで可能性があるだなんて思っていなかった。

 

けれど、劇団ノーミーツが緊急事態宣言の時に、どこよりも早く発信し、コンスタントにバズっていた短編動画は、純粋に発想も構成も、SNSで見られるその気軽さもとてもよく、面白くて見入っていた。

 

 

ただ、そこから長編作品を作るたびに、ここまで進化するものだとは、春の時点では全く予想していなかった。

 

 

 

 

 

昨日と今日観た同劇団の第三回長編公演『それでも笑えれば』は、一言で言って、最高だった。

特に今日の昼公演があまりに良かったので、まだ言葉がみつからないのだが、

物語の構成も、キャストも、テクニカルな仕掛けも、

想像の斜め上をズバーンと行って、

竹を日本刀でスパッと切るような、

切った後の切り口の美しさを見て息を呑むような、

ここまでくると、なにを例えているのか自分でもわからなくなってきているが、

ただ二言、

「素晴らしかった。美しかった。」

 

 

刺さる人には、刺さりまくる作品のはず。

そして、凄まじい数のテクニカルスタッフに支えられた、技術面の層と表現の厚さよ!

 

前回公演を拝見した時には、度肝を抜かれ世界観に感動した一方で、テクニカルとキャストの演技がもっと無理なく融合できるような余白を感じたものだが、

今回はそういうことが全く気にならず、ただただ、2020年を生きた人間たちの物語に没頭できた。

 

舞台演劇とも、映画とも、ドラマとも違う、

「オンライン演劇」を確立した、と言っても過言でない作品かもしれない。

 

 

 

緊急事態宣言の時と違って、みんなが外に出て忙しく仕事をし、年末のエンタメコンテンツが溢れているタイミングだからか、5月の長編第一回、8月の第二回公演よりも、客足が伸びていないようだが、

この作品が人の目に触れずに終わるなんて、もったいなさすぎて、居ても立っても居られない。

 

同期で友の、藤井咲有里が、今回初参加で、主人公の母役を演じているのだが、

彼女も本当にいい仕事をしている。

 

オンライン演劇とはいえ、毎公演が生配信。

そして、今回は観客選択式演劇と名付けられた、お客さまが物語の分岐を選択する役割を担う作品だ。

お客さんの選択で物語が本当に変わってしまうという、演者側かしたら冷や汗ものの大仕掛け。

しかし、それが作品の中で無理なく、生きている。

 

観客が、選択に参加し、コメント欄で呟き合うことで、作品が一層盛り上がり、まるで劇場の中にいるような一体感を生み出していることに心底驚いている。

 

2020年の終わりにふさわしい、見逃さないで欲しい作品です。

自宅にいながら、もしくは出先や移動中にPCやタブレット、スマートフォンから気軽に視聴できます。

私が観れているので、もちろん海外からも!

 

チケットは上演直前まで購入可能なので、ぜひこの公演を観ていただけると嬉しいです。

 

公演詳細はこちら

https://no.meets.ltd/soredemo/

 

残りの公演日程はこちらです。

27日(日) 夜公演 19:30開場/20:00開演

28日(月) 休演日

29日(火) 夜公演 19:30開場/20:00開演

30日(水) 昼公演 12:30開場/13:00開演

 

上演時間:130分

(公演後には毎公演、ゲストを迎えてのアフタートーク有り)

 

 

 

取り急ぎ、

 

2020.12.27. 美月泉