勘 | ゴウブログ

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シンガポールでがんばってます。

えっと、なんと8か月ぶりのエントリになってしまってもはや恐縮することすら恐縮してしまうレベルで大変恐縮なのですが、更新を楽しみにしてくれていた皆さん、お久しぶりです。更新を楽しみにしてなかった皆さん、すいません。このブログの存在を忘れてしまっていた皆さんもしくははじめてこのブログを読んだ皆さん、こんにちは。



僕は何かを深く考える(考えた)ときにブログが頭をよぎるのですが、今日は「勘」に関する簡単な考えを残したいと思います。の前に、まず前提としてこの「勘」を直観という本能的な反応というわけではなく直感といいますか感覚的で「俺の勘SUGEE!」的なものとさせてください。



さて、この勘については別に今日はじめて考えたわけではなく、今までも考えてきたことではあります。勘ってなんだろう?勘ってすごいの?エライの?とか。最近Twitterなどでいろいろ目にするヘンテコなことからもいろいろと考えていました。そんな中、今日読んだ本によって僕の考えがかなりまとまったので、忘れないうちに残しておきたいと思った次第です。



結論としてはこれです。



「勘をバカにするな」



僕は今まで、多くの「勘」に関することを耳にしてきました。「信じられるのは自分の勘だ」とか「理屈よりも直感を大切にしよう」とか。はい、そうですよね。皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし、これは僕だけかもしれませんが、そのようなことをいう方は大抵何かを極めたもしくは第一線で活躍されている方です。いや、そのようなことを言える方、という表現のほうがいいかもしれません。



ただ、僕のような庶民は、成功者からそういうカッチョイイ言葉を聞くと、なんとなく感覚的に「なんだ、勘でいいんだ。今まで理屈っぽく考えてたけど感覚でいいんじゃないか。だって○○さんが言ってるんだし!」なんて思ってしまってなんだかワクワクしてきちゃったりするんだけど、僕はずっとそこに何か引っかかるものを持っていたわけです。で、今日ある本を読んでその引っかかりが外れた感覚がしたのです。



オイこのステルス野郎!とか言われるのがめんどくさいし、私は基本的にはステマなんてどっか逝ってくれと思っているタイプなのでその本の名前も詳細も書きませんが、それはある世界的に有名な日本人の半生が書かれた本で、その方が10代~20代のころにやっていたことなどが詳しく書かれてありました。とても厳しい業界の中でのし上がっていく様が描かれている、まあいわゆるサクセスストーリーなわけですが、その中身がすごい。



まず、10代後半から寝る間を惜しんで研究に励むことで得てきたインプットの量が半端ない。削った睡眠時間で習得した外国語は2つ、その道の過去事例を全て頭に叩き込む努力、アイデアを全てノートに書き込み積み上がっていくノートの山。事業失敗や詐欺によって莫大な借金を背負わされた両親を助けるために仕送りをしつつ、自身の成長のために無給でいくつかの企業を手伝う気力&体力。



次に20代前半、先輩やボスからのいじめに遭いながらも果敢に何度も何度も立ち向かい、積み重ねてきた知見によって徐々に論破していく。同時にその道に対して真摯に向き合う姿勢(道具を大事にする、できるまでやる、など)が周りの共感を呼び、年齢に関わらず味方が増えていく。気になる情報があれば、夜行列車に飛び乗り自らの目で確かめにいく行動力が様々な人間を巻き込んでいく。両親に送っていた仕送りが博打に消えていた事実を知り愕然とするものの、その行動はスローダウンすることなく逆に加速していく。



そして20代後半、彼は結婚して子どもを授かった直後に海外からオファーをもらう。海外から認められた彼は家族を引き連れ海を渡るのですが、背水の陣として、遺書を残して旅立つ。



もうこれ以上の説明はいらないですね。そんな彼も、「直感を信じよう」と言うんです。



「直感」って何でしょうね?



僕は、直感や勘というのは、自分の習得してきたモノの範囲でしか出てこないものだと考えています。その道の第一線で活躍する人が言う「勘」というのは僕らが考える「勘」のレベルではなく、その「勘」が飛び出てくる彼らの引き出しには僕らが想像できないほどの中身が詰まっているはず。というか、中身を詰める行動をとってきたからこその引き出しであり、中身を詰めてきてないのに「勘、出てこいやぁあ! 」みたいなことをいくら大声で吠えても何も出てけえへんっちゅうねんアホかという話じゃないかな、と。



僕らは勘違い(←ダレウマ)してはいけないと思います。間違えてほしくないのですが、僕は、勘は大事だし頼るべきだと考えています。ただ、引き出しに何も入ってないのに呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーんとハクション大魔王が出てくることはないし、引き出しを開けたらあらまびっくりタイムマシンがふわふわ浮かんでいるわけでもないので、ネタ帳にどんどん記入するかの如く普段から引き出しに詰め込んでいかないといけないのだと思います。



冒頭の「勘をバカにするな」というのは、勘を信じるなという意味ではなく、勘が働くように普段から精進しなければいけないという意味です。日ごろのルーティンワークから見い出す改善手法、日々のチャレンジ、苦悩、勝利の美酒、などいろいろありますが、要は経験です。たくさん経験して、たくさん学んで、それを引き出しに入れていく。そうして勘は磨かれていく。



何も努力しないのに勘を頼りにしてても仕方がないでしょう。





Yes, I can.