今更ながらの寸評 | よしちゃんのブログ

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佐世保市在住者です。自分の思った事や、日々の出来事に感想を入れたりしながら綴りたいと考えております。
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こんばんは

 

先週末はミステリーマニアの方に招かれて、“横溝作品鑑賞会(という口実の飲み会)”に行ってきました。そこで昨年の4月に放送された、準国営?放送制作の『“BS版”犬神家の一族』を初めて視聴しました。

 

とは言え、放送終了後に視聴者より寄せられたネット評価等を見てはいましたので、幾らかは予備知識を持っての視聴でありました。

 

※勿論、作品の大筋は皆様もご存じの通りだと存じます。まっ、まさか、“未だに犯人を知らない方”はいないとは思いますが、(ここからは内容を知っている前提で、好き放題述べますので)ネタばれや興味の無い方におかれましては、ここまででのご退場をお勧めします。

 

まず作品内で、遺言状の複雑怪奇さ?ばかりが強調されていましたが、余計な事件さえ起きなければ、『元から“相思相愛”であった佐清と珠世がくっついて一件落着』という、“実にシンプルな内容”でありました。

 

※佐清の召集以前の犬神家邸内においては、プラトニックな関係だったのでしょうが、多分、日頃から互いに(頭隠して尻隠さず的に)モジモジもされていたでしょうし、当然こうした態度は、その周囲にもバレバレだったのでしょうから、“(いつの時代もゴシップ好きな?)女中さん達の輪に入って”話を伺えば、全員一致での言質を取れたのではなかったのでしょうか。

 

※金田一さん、初動捜査から間違っていましたゾ⁉

 

何よりも、“菊人形の内容”を知れば一目瞭然であり、これは原作には詳細に書かれていますが、人形浄瑠璃・歌舞伎の演目である『鬼一法眼三略の巻、三段目菊畑』であり、長老鬼一法眼が佐兵衛翁、その娘皆鶴姫が珠世さん、実は牛若丸(義経)である虎蔵が佐清、鬼一の弟で鬼三太である知恵内が佐智、そして、宿敵笠原淡海が佐武・・・。オイオイこれでは、『佐武は“端から論外”である』という明確な意思表示ではないのでしょうか。

 

当然、佐兵衛翁の指示で猿蔵が製作していたのでしょうから、『これを見たら(佐武はもとより佐智も)察してくれるだろう』といった、一見(佐武、佐智に対しては)残酷に感じられるものの、(でも、佐清であれば万事上手くやってくれるだろう)との期待を込めての、佐兵衛翁の“親切心溢れる意思表示”であったのかもしれません。

 

ところが計算外の事態として、仮面の“ニセ佐清”の帰還がありました。確かに、戦争によるトラウマ的な後遺症はあるのかもしれませんが、これが本当に佐清であったならば、(想いを寄せる女性に対して)「珠世ちゃんゴメン、こんな顔になってしまって」くらいは言わないものでしょうか。

 

・・・だからバレていたのでしょう。

 

※ドラマのラストで“珠世さんがニヤリと笑うシーン”も、様々な物議を醸したみたいでしたが、単純に(佐清さんが五体満足で戻ってきてくれたのが最高に嬉しい。何よりも生理的に無理だった佐武、佐智がいなくなり、それよりも特に苦手だった松子叔母がいなくなってラッキー⁉)と、いった“本心の発露”だったのかもしれませんね。

 

あとは佐清が静馬を庇ったりして、『皆で仲良く前に進もう』的な、現代の“Z世代?”に通じそうな思想の持ち主でありました。珠世さんのニヤリも含めて、共感された若い方々は多かったではないのでしょうか・・・。

 

ともかく突っ込みどころは満載であり、書き始めると止まらなくなってしまいますので、ここまでと致しますが、また数年も経てば制作されるのでしょうね。

 

次回作に対する要望としては、多分、これまでに無かった筈であり、是非とも『原作に忠実に作って頂きたい』であります。毎回どこかしらの場面が違っているので・・・。案外、斬新と言われるかもしれませんゾ。

 

それでは