最適のタイミングに、適した場所で、適切な医療チームに引継ぐ難しさ | Piece by piece. The next step and beyond.

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人生はパズルを1ピースずつはめながら作っていくもの。夢を叶えるため、日々パズルのピースを探し求めています。

空と飛行機をこよなく愛する元フライトドクターの日記です。

はいさい!おひさしぶり!ヨシバードです。

 

しばらくブログ更新をサボっていました。日本は秋の訪れを実感している頃でしょうか?中秋の名月もこちらシンガポールでは全く季節感ががありませんので、昨日指摘されるまでわからなかったです。ただ中華文化圏ですので、しっかりと月餅は売っています

今日は、記事とあまり関係ありませんが、朝日に向かって撮った写真をシェアさせていただきます。太陽に出会うとエネルギーをもらえますね! 


入社してから丸々二ヶ月が経ちました。シンガポールで六週間、東京で二週間の計8ヶ月の研修を終えました。この仕事は広い医学の知識を必要としますが、それだけでは成り立ちません。ロジの知識がいかに必要なのかを痛感しています。


 


日本にいると119番かければ、(例え外国人であっても)救急車(場合によりポンプ隊も)が数分後に駆けつけて、必要な評価をしたあとは病院連絡が自動的になされ、迅速に病院で治療を受けることができます。しかも、利用は無料です。離島であっても、ドクターヘリが必要であればシステムがactivateされますし、夜は自衛隊や海上保安庁が任務を兼務してくれます。

 


でも、外国では怪我・病気をした時は、救急車は有料ですし、どこの病院に運ばれるかによっても予後が変わるといっても過言ではないです。本当に主治医の診断を信頼できるのか...まず「疑う」ことから始めます。ホントに嫌な奴ですよね。

 

でも、こないだある「緊急手術が必要といわれた症例」で、与えられた情報を鵜呑みにしてはいけないことを学びました。主治医診断と症状が全然合わないなとおかしく思い、何回か患者と電話面談をした後、セカンドオピニオンを得るためにわざわざ日本に戻したのですが、最終診断は打撲と捻挫でした。もちろん手術はいりませんし、日本で「無罪放免」となり、僕も患者も胸を撫でおろしました。

 


でも、患者側からするとどこの国であろうとドクターはドクターです。医学部で学んで医師国家試験を通っているのですから、医師の意見を重くとる人がほとんどです(特に日本人は)。ましてや、
CTMRIなどの画像を目の前にしていない我らアシスタンスセンターの医師がどうアドバイスしても、「百聞は一見にしかず」ですので、主治医の意見が説得力あるに決まっています。


 

説得をするのは骨が折れましたが、結果的に不要な手術を回避できたことは素直に嬉しいです。それと同時に、やはり医療レベルが途上段階にある国では、自分で一旦情報を噛み砕いてから判断をする大切さを学びました。

 

今週から独り立ちですが、反省と学びの毎日です。症例をハンドリングするのに人の倍時間がかかりますが、一つずつ吸収したいと思います。得た医療情報単に受け入れ先にパスするだけでなく、この情報にいかに医学的な価値やグローバルスタンダードな判断を付加して症例を前に進めることができるか(これが一番難しいのですが)頑張っていきたいと思います。


実際に患者さんを目の前にするわけではないですが、色々な国の法律、ローカルルール、医療に関する考え方の違い、文化・言語・地理的なギャップを埋めるためにこのCoordinating Doctorは存在しているのだと思います。


目標は、
To treat a patient at a RIGHT TIME, at a RIGHT PLACE,  and by a RIGHT MEDICAL TEAM!!


目が回るくらいメチャクチャ忙しいです
が、頑張ります!