いまだに設計事務所で下働きしていて、

何も成していない自分ですが、

この春から建築学生になる人に伝えたい事があります。

 

建築家を目指す人に向けて話そうと思いました。

 

建築家って何でしょうね。

 

資格で建築士資格はあって、

でも建築家は資格としては無い。

 

自ら建築家を名乗れば建築家なのでしょうか。

 

そういう面もあるのかもしれないけれど、

人から認めてもらっていない称号を、

勝手に名乗っている自称なんちゃらって、

少し残念に思います。

 

なので自分で建築家を名乗りつつも、

周りからも建築家と認知されている人を、

建築家ということにします。

 

 

 

 

私の事を書きます。

ただ建築家に憧れただけだった専門学生の頃から、

卒業後15年経ちました。

建築家になりたいと13年前くらいに思って、

設計事務所の門を叩き、

紆余曲折あって今まで生きてきて、

設計を業務で行って9年目です。

 

13年前に建築家になりたいと思ったのに、

設計を8年しかしていないのは、

途中で統合失調症を発症し、

リハビリのように建築現場のバイトをしたりしていた時期があるからです。

一年くらいは就活も上手く行かずにニートでもありました。

 

真っ直ぐに建築家を目指して来たわけでも無いのですが、

建築家の夢は今でもずっと持っています。

 

諦めないしぶとさは、

きっと人生で大きな力になると思います。

 

タフなだけじゃ足りないけれど、

タフじゃなきゃやっていけない世界でもあるなと、

日々設計事務所で働きながら感じています。

 

建築家になるのを諦めないために、

多くの事を諦めてきました。

 

人並みに稼ぐことは簡単じゃないと思います。

 

建築家になるには、

食うや食わずを厭わないこと。

昔読んだ建築家の本に書いてありました。

 

食べて行けるのかわからないことを嫌がらないなんて、

無謀なことを、

なんでできるのでしょうか。

 

 

建築が好きだからです。

 

 

一言建築が好きだからという中に、

貧乏も人並みの生活もできない事も覚悟する意味が入っています。

 

誰だって貧乏なんて嫌に決まっているのに、

貧乏を覚悟する事も建築が好きだからできる。

 

最初にその覚悟があったなら、

専門を卒業してすぐに建築家の弟子になっていたかもしれない。

 

私はその覚悟は最初には無かった。

 

卒業してもしばらくは居酒屋バイトで遊んでいて、

お酒の場には慣れたけれど、

建築家の夢は近づいて来なかったです。

 

でも毎月本屋に行って何冊か建築の本を買って、

日々遊びも建築の読書も続けました。

 

ゆっくりと建築家の夢を育んでいきました。

 

 

 

なんで諦めなかったのでしょうね。

 

思うのは、自分の才能に対し、

ほとんど自信が無くて、

期待値が低かったのも、

逆に続けて来られた理由な気がします。

 

もし自分に自信が溢れていたら、

実際の自分に対し失望していたかもしれない。

 

建築設計ってすぐにできるものでもないし、

大きなお金もかかるので、

自信満々な人がサクサク進めるよりも、

不安な人が裏を取りながらジワジワ進めて行くものです。

 

ほんとにこれでいいのか。

何度も決断した事を再考し、

時々大きく進めたことをひっくり返したりする。

そういう仕事だから手から離れるまで時間がかかり、

設計料は相場があるので、

やればやるだけ利益が下がる。

 

利益が下がるから、

建築家の下で働くスタッフは、

薄給になりがちです。

 

私は一年ほど建売会社に居たことがあります。

ブランクありの専門卒なのに年相応の月給も貰えたし、

初年からボーナスがありました。

 

設計を仕組化していて、

日々の仕事をこなすだけで、

大きな利益が出る。

だから給料も良かった。

 

そういう仕事もあるのです。

なるべく世間並の福利厚生のある仕事に就くべきだと思います。

 

これから建築学生を始める人に、

一つ言いたいのは、

建築家なんて目指さないでも良いよ。

と言いたいです。

 

結局建築家になる人は、

何を言われても建築家を目指してしまう。

 

建築って衣食住のように、

そこに当たり前にあって、

生きていればすべての経験は建築に活かせる。

建築に使うボルトをつくる工場で働く人が、

建築家より劣っているなんてことは無いはずです。

 

仕事の難易度の違いはあるので、

勘違いしてしまう事もあると思うけれど、

建築家は難しい仕事にやりがいをもっているから、

自分が偉くなったと感じるのは良くない。

 

自分が憧れている建築家を尊敬するのはいい。

沢山の若い人達に尊敬される建築家になったら、

偉くなったと思うかもしれない。

 

でも、

 

実るほど頭が下がる稲穂かな

 

そう昔から言われていますね。

 

自分が経験してきた事や学んで来た事が多くなるにつれ、

謙虚さを持って生きるべきです。

 

建築家は建築設計をすることを仕事にする事が多い。

建築は難しいので沢山勉強しないといけない。

 

一級建築士資格を取るために、

私はこの数年日々勉強してきました。

 

今年こそは製図試験に合格して、

一級建築士になりたいです。

 

資格は早めにとっておくほうが良いと思います。

正直アラフォーで資格試験勉強している今は、

少し辛いです。

 

3年前くらいから受験資格の改定があって、

4年制大学建築学科を卒業した人は、

すぐに一級建築士試験を受験できるようになりました。

 

この春から建築学科の学生になったなら、

5年後に一級建築士を受験することを見越して、

過去問だけでも入手しておくべきです。

 

学科試験は独学でいける。

聞くところによると、

過去20年分の過去問を周回するという勉強法もあるようです。

 

学科を3回目で受かった私の感覚では、

過去問10年分を周回し、

基本問題の取りこぼしを無くせば、

学科は受かる。

 

 

市販の過去問は7年分なので、

建築学科に入学した年の秋に出るのを買えば、

受験する年から過去問10年分を入手できます。

バイト一日分くらいの値段で先行投資しておいてください。

 

一級建築士は建築家ではなく、

この国での建築設計業務等の独占資格です。

 

私には縁がなかったけれど、

ハウスメーカーなどでは資格手当があって、

結構な金額になるので、

ぜひ早めに取得することをおすすめします。

 

 

一級建築士資格を得たら、

人生が拓けるかもしれない。

 

そう思って、今は日々勉強です。

 

今号の新建築住宅特集は、

若手建築家が特集されています。

まだ読んでいないけれど、

年齢の近い建築家から刺激を受け、

もっと頑張れると良いなと思います。

 

 

2016年の末頃、

建売会社をやめると決めた時に、

建築家になる覚悟を新たにしました。

その時から毎号住宅特集を欠かさずに買って読んでいます。

 

建築家になるまで続けようと決めて、

毎号買って読んでいます。

 

建築への憧れは、

今でもずっと育てているのです。

 

最初の学びで建築を好きになって、

これからずっと建築の道を生きていくために、

日々学び建築をもっと好きになっていく。

 

建築学科に入ったばかりのあなたは、

これから先どんな生き方をするのか、

まだ先は見えずに期待と不安でいっぱいだと思います。

 

いくつかの課題をやったあとで、

才能があるのかないのか不安になるかもしれません。

 

学校の課題くらいで人生を決めるのは早いと思います。

 

建築が好きだったら、

その気持ちを大事にしてください。

 

建築家になることだけが建築じゃない。

 

建築学生のハローワークが参考になるので、

進路に迷ったら読んでみてください。

 

 

 

 

建築学科の学生時代も、

とても楽しいので大事にしてくださいね。

 

建築家になりたい私からの言いたい事をつらつらと書きましたが、

少し長くなってしまったのでこのあたりで終わります。

 

それでは、また。