修学旅行から帰っても

学校で久美はよく話しかけてきた

その度に連れの目が気になった

まさか裏切る事も出来ないから

常に久美に悪態をついていた

やがて

久美はあまり話しかけては

こなくなっていった




三年生になっても

久美と同じクラスになった

会話はしなくても

俺の久美への想いは

日増しに募っていった

いつも横目で彼女を追っていた

しかし

時は無情にも虚しく流れただけ

やがて卒業が間近に迫った




余談だが中学時代の俺は

かなりモテていた

ハーフっぽくて喧嘩は強く

女に素っ気ないところが

逆に良かったと

後日、同級生の女子から聞いた



話は戻る

卒業近くなると我が硬派同盟も

志願脱退者が続出した

好きな女子と離れ離れになる前に

アタックをしたかったから

でも当時の俺はその勇気が無く

かといって、告白してくる女と

付き合う気持ちは全く無くて

ひたすら久美一筋の想いだった



"彼女は一体どこの高校へ

行くのだろう?"

俺のほうが成績が良かった為

同じ高校を受験しようと思ったが

彼女が選んだのは女子校だった



卒業したくない、時間よ止まれ

そんな思いも虚しく

遂に卒業式を迎えた

式の後

第二ボタンを貰いに

女子達が何人もやってきた

俺は久美を待っていた

(来た)

久美が話しかけてきた

「神無月君モテるね〜」

俺も久美に返した

「黙れ」

……………

…今だに理解できない返し

これが、その当時のウブな俺

その後、久美への想いは消えず

後々、物語を醸し出す事になる