部長会議で質問をしたのは副市長だけで、2つも 新病院整備は浮遊状態?

 体育館病院事業は昨年11月の契約では実質的に進まないと思われるが、市のホームページの情報は相変わらず昨年11月8日で止まったままで、その後の新しい情報提供がない。新病院整備は行き詰まり、浮遊状態に立ち入って、時間だけが無駄に過ぎて行っているのではないか?
 そこで、最近の市部長会議や市長記者会見の資料をホームページで見てみた。今年1月15日の会議録に「『公立病院経営強化プラン』の策定について」という案件があった。このプランは県を通じて総務省に提出するもの。会議では次のように説明されている。
 「病院事業を設置する地方公共団体が病院事業の経営強化に総合的に取り組むため、令和5年度中に策定するよう総務省より通知(中略)されたものであり、この度、令和6年度から令和9年度までを計画期間とした市立野洲病院経営強化プラン(案)を策定したので、概要を報告する。」
 会議録には(案)が添付されていないので内容は分からない。ただし、記録を読んで意外なこととして驚いたことがある。それは質問をしたのが副市長だけで、次のように2つもしていること。なぜこのようなことが起こるのか?
 「第一章『野洲市と市立野洲病院を取り巻く環境と課題』における湖南保健医療圏における必要病床数に対応して、新病院の維持期病床は医療機能のどの区分に該当するのか。(副市長)」
 「新病院の病床数について、圏域の調整会議では、了承が得られているのか。(副市長)」

 

副市長への協議抜きで会議に提出? プランは副市長の初歩的な質問だけで済む案件ではない

 通常であれば部長会議に提出する案件については、あらかじめ副市長と市長とに協議され、了解が得られている。だから副市長が会議の場でこのような初歩的な質問をすることはない。ということは、この案件は副市長への協議抜きで会議に提出されたことになる。もしかしたら市長も抜いて会議に供されたことも想定される。

 今年の4月から始まる6年度から4年間の病院経営強化プランといえば重要な計画である。以前話題にしたように、常勤医をはじめ、看護師など医療職員の確保、そのなかには滋賀医科大学への寄附講座の形をとった整形外科医1名の確保問題もある。副市長の初歩的な質問だけで済む案件ではない。

 

寄附講座による整形外科医の確保は筋書き通り実現する?

 たとえば、寄附講座による整形外科医1名の確保について言えば、この時期であればすでに医師は内定しているはずである。手術ができる能力と実績のある医師が確保できるのか?そして、常勤の麻酔医をはじめ医療スタッフのチームが組めるのか?
 それ以前の問題として、市長と医大学長との間にはどのような協定(契約)文書が交わされたのか?派遣される医師の身分はどうなり、給与はどのように支払われるのか?
 給与に関しては、市から医大に支払われる年約2500万円のなかから支給されると考えられるが、その場合その医師は市立病院の常勤医として位置付けられるのかなど疑問は尽きない。
 寄附講座による整形外科医1名の確保は筋書き通り実現するのか?いずれにしろ、協定(契約)文書は公表されるべきである。

 

病院整備についての具体的で力強い意気込み見られない 病院が建たない兆候?

 もうひとつ。最新の市長記者会見記録。昨年末12月22日の記録では次のようなやり取りがあった。

記者 来年の選挙展望として、市長は秋に改選を迎えられます。まだ出馬表明もされていませんが、我々は常識的な対応を考えておけばよいでしょうか。

市長 どうするかは、今の時点で申し上げることはできませんが、全ての仕事ができたわけではないと思っています。過程の状況で一つひとつ進めている段階のものもありますので、前を向いて一生懸命に取り組んでいきます。

 昨日、滋賀医大との共同研究講座の予算に係る債務負担行為を市議会でお認めいただきました。しっかり良い成果が出る取り組みをしていきたいと考えています。

 

 せっかくの問いかけなのに、答には新しい年に向けて、体育館病院整備についての具体的で力強い市長の意気込みが見られない。これまた、「このままでは病院は建ちません」の兆候ではないか?