事態は落語、漫才、狂言の世界に 時間はつるべ落としのように慌ただしく過ぎていく 

 1月も早や半ばになった。3月の年度末まで時間はつるべ落としのように慌ただしく過ぎていく。しかし、体育館病院事業に関しては市ホームページに何の新しい情報はなく、昨年11月8日で止まったまま。
 市長や管理者等は、設計と工事を発注し、設計を進めていると市広報紙や議会等で説明している。
 管理者の前川氏にいたっては何を勘違いしているのか、設計は完了したと思い込んでいるようで、昨年末の医師会との協議でもそのように聞き取れる発言をしたらしい。そして真偽のほどは確認していないが、設計図面なるものを滋賀医科大学の関係者などへ見せに行っているという話まで伝わってきている。
 したがって体育館病院は決定されたもの、そして事業は動いていると思っている市民等も少なくないと最近も聞いた。

 しかし、何度か書いたように、82億1900万円の発注では、空調や給排水の経費が抜かされているため、いつまで待っても病院は建たない。この経費を抜く入札告示の変更を行なったのは、前川管理者本人。だからもう事態は落語、漫才、狂言の世界に入り込んでしまっている。

 

病院建たないどころか設計も始められない

 以前紹介したときには詳しく触れなかったが、昨年10月6日に前川管理者が出した「入札公告変更の公告」では、病院が建たないどころではなく、まずもって設計も進められない。あらためて変更告示の肝心のところを引用すると次のとおり。
 「予定価格(消費税地方消費税を含む・設計費及び工事監理費含む・但し、機械設備工事(空調換気設備工事・給排水衛生設備工事含む)を除く)に変更する。」
 昨年6月1日の当初の入札告示の「第6予定価格」の定めを上記のように変更するもの。読めばわかるように、機械設備工事の経費をだけを除いているのではなく、「設計費及び工事監理費含」めて除いている。したがって、設計も始められない。

待ちぼうけより見込みない 現地半額公約と駅前Bブロック計画どれも実績ない 市立病院が劣化していく

 先にいつまで待っても病院は建たないと書いたが、「待ちぼうけ」の歌を思い出す。、北原白秋作詞、山田耕筰作曲の唱歌。中国の古典にある「守株待兔(しゅしゅたいと)」を下敷きにしたもの。 昔ある農夫の畑にあった切り株に兎がぶつかり、首の骨を折って死んだ。これに味をしめた農夫は、次の日から農作業の苦労をやめ、また兎がやって来て切り株にぶつかることを待つことにしたが、2度と来なかった。そのため作物は実らず、百姓は笑いものになったという話。
 よく知られているとおり、歌詞は5番まである。1番は「待ちぼうけ、待ちぼうけ/ある日せっせと、野良稼ぎ/そこに兔がとんで出て/ころりころげた 木の根っこ」
 2番は「待ちぼうけ、待ちぼうけ/しめた。これから寝て待とうか待てば獲物が驅けてくる/兔ぶつかれ、木のねっこ」
 そして最後の5番は「待ちぼうけ、待ちぼうけ/もとは涼しい黍畑/いまは荒野(あれの)の箒草(はうきぐさ)/寒い北風木のねっこ」
 まさにこれを地(じ)で行っているような話だ。いやそれよりも見込みがない。「待ちぼうけ(守株待兔)」の場合は1度は兎がかかった実績がある。ところが栢木市長の病院の場合は、現地半額新築公約と駅前Bブロック病院計画のどれも実現せず、実績がまったくない。
 このようなに中身のないことに時間を無駄にしている間に、「待ちぼうけ」の歌の結末と同じように現市立病院では活力が失われ、劣化していく。