密室審査で、議会・市民には結果だけしか知らせない

 新聞報道にあったように昨日11月10日に市長と管理者も出席して市議会特別委員会が開かれ、体育館病院の入札結果が報告された。ネット配信がなかったのでどのような説明と議論が交わされたのかは分からないが、資料だけが市のホームページで公表されている。ただし、資料といっても入札に参加した4企業体の得点表とその提案の1枚物の図だけ。期待していた、というよりは明らかにされるべきと思われる、選定委員会で審査がどのように行なわれたのか、また委員の出席状況などは明らかにされていない。まさに密室審査で、議会・市民には結果だけしか知らせない。

 

体育館は庇を貸して母屋を取られる 

 市ホームページで公表されているので落札者のに限って提案の図を添付する。画像が粗くなるが、一部は拡大する。

 これを見てまず思ったのは、総合体育館は庇(ひさし)を貸して母屋を取られるということ。この図では体育館はポツンと建物だけしかないことになり、機能と使い勝手の良さが大きく損なわれる。

 そうかといって病院の条件が良く、ゆとりがあるわけではない。細長くて形が悪い土地であるため、各企業体の設計者の苦労のほどが分かるが、要するにいずれの提案も基本計画の参考図をなぞったもの。

 

 

なぜ窮屈な所に巨費を投じてせっかくの新病院を押し込む? 「にぎわい通り」?

 これから1年かけて基本設計なので、この提案の図だけであれこれ細かいことをいうには無理があるが、建物が細長いために、院内の移動が必要以上に長くなっている。また第2駐車場からの距離も遠い。

 さらに、救急車両や資材・物品・ガス類搬入車両のために、中ノ池川沿の信号近くの勾配があり、見通しの悪い市道からの出入口の設置は可能なのか。もし可能であってもかなりの危険性を伴う。本来なら病院敷地内で処理しなければならないものだが、土地が狭いために市道を使うことになる。なぜこのような窮屈な所に、巨費を投じるせっかくの新病院を押し込むのか理解できない。
 最後に一つ二つ。設計の専門家が作ったものなので、図を見るかぎりではそれなりに見えるが、上記のことに加えて、体育館との間の通路が「にぎわい通り」というコンセプト(考え方)であることと大型階段の処理が気になる。