1年半の騒ぎは何だった? 当初から見越された無駄な時間と作業

 市長が駅前文化ホールの存続方針を正式に表明したことが今朝の新聞に出ている。昨日20日の市議会特別委員会で表明したとのこと。昨年教育長が文化ホールの廃館・解体を強引にも正式に表明し、昨年末までには関連条例の改正まで議会で宣言した。ただし、ホールの最終責任は市長にあり、このことは教育長の一存ではなかったはずである。この1年半近くの市民を巻込んだ懇談会やアンケート騒ぎは何だったのか?また、職員にとっても大きな負担だったと思われる。当初から見越されたはずの無駄な時間と作業だった。

 

 

「市民から存続を求める声が圧倒的に多かった」

 記事の見出しは、「3施設、文化ホールに 野洲市、正式表明 『迷走』指摘も」。(毎日新聞2023年10月21日)
 そして概要は、次のとおり。
 「野洲市は20日の市議会都市基盤整備特別委員会で、JR野洲駅前の野洲文化ホールに市内3文化施設を集約する方針を正式に表明した。」
 「市は「市民から存続を求める声が圧倒的に多かった」などと方針転換の経緯を説明。」
 「老朽化が進む文化ホールの建て替えは費用が100億円を超えるため困難とし、26年度に大規模な改修工事をする計画を示した。工事費は22億5300万円と試算」。
 「市議からは方針転換に「市民感情を無視して、経済面だけで走ってしまったことが迷走の原因ではないか」との指摘があった。」(毎日新聞2023年10月21日)

 

病院について市民の声を確認すべき 財政規律のタガ外れ、行財政改革はすっ飛ぶ 借金が増える一方 

 文化ホールを「26年度に大規模な改修工事をする計画を示した。」とは急な話だ。もちろん改修工事は必要ではあるが、25年度には改修のための調査・設計費が必要になる。それだけでも中途半端な金額ではない。一方、体育館病院では工事費の巨額な増額を行なったが、工期が延びることも含め今後のさらなる増額が確実視される。そのうえ、総事業費が明らかにされていないし、開院は不透明だ。このような状況のなかで、慌てたようにいきなり文化ホールの改修工事にかかるとは、無謀。まずは財源の問題があるし、改修にあたっての市民の思いや希望も丁寧に聞く必要がある。また、活用方策(ソフト)との一体的な見当も欠かせない。文化ホールについて「市は24日と28日に市民説明会を開く」(毎日新聞2023年10月21日)らしいが、それは単に「迷走」の言い訳の場。
 いずれにしても、事業調整などの財政規律のタガが外れ、行財政改革はすっ飛んでしまっている。湯水のようなお金の使い方だが、どこにそれほどのお金があるのか?借金が増える一方。
 ところで、今回の方針転換の理由は市民の声。それなら体育館病院についても同じように、何をさておいてもまずは、市民の声を確認すべきだ。