約束の資料は不掲示 よほど混乱していて、余裕がない

 今日10月4日の市議会病院特別委員会。傍聴した市民などから概要を聞いたので、かいつまんで紹介する。なお、市ホームページには「資料につきましては、10月4日当日午前8時30分に掲載する予定です。」と表示されているので期待していた。しかし、夕刻になっても約束は果たされないで、掲載されていない。不掲示はもちろん、そのことの断りもないとは、よほど混乱していて、余裕がないものと思われる。

意見の多くは市の方針に対する疑問や反対意見 告示内容変更の重大問題は議論なし

 会議は事務局からの説明の後、質問や意見の表明に移った。最初に東郷議員が意見を述べたが、傍聴した市民にはその趣旨があいまいで良く分からなかったとのこと。 細かなことは省いて、全体的に見ると、市長与党会派の一議員が理解を示すような発言をした以外は、出された意見の多くは市の方針に対する疑問や反対意見だったとのこと。市長与党会派議員の大半と公明党と立民の議員からは発言がなかった。ただし、市長与党会派の稲垣議員は10月6日に採決することには懸念がある旨の意見を述べたようだ。
 今日の議案が体育館病院の工事費を22億6300万円(24・5%)増額し、総額120億円超にする補正予算(債務負担行為)にかかわるものであったためか、着工時期が遅れるとともに階段移設工事で工期が1年半ほど延びること、また階段移設工事を本体工事に一体化するため、告示内容が変わるなどの重大な問題は議論されなかったようだ。

部長答弁の声が小さく聞きにくかった 暴言吐いた元気はどこ?

 会議での答弁は主に病院事業部長が行なっていたようだが、声が小さく、かなり聞き取りにくかったようだ。福山病院長がもっと前へ出てしゃべったらと助言する一幕もあった。議場で休憩時に市議に暴言を吐いた元気はどこに行ったのか? この暴言とは、今朝の新聞に「野洲市職員 市議へ暴言 病院会計巡り 議会で『何様のつもりだ』」(読売新聞2023年10月4日)の見出しで載っている大きな記事。記事は次のように続く。
 「昨年、市長による部下へのパワーハラスメントが問題となった野洲市で、今度は9月の定例市議会の場で、市立病院の事務部長が益川教智市議(新誠会)に対し、「何様のつもりだ」などと暴言を吐いていたことがわかった。」
 「休憩時に、事務部長が益川市議の席に近づき、『公然とうそをつくな』『浅い考えで発言するな』『信用毀損(きそん)だ』『何様のつもりだ』などと暴言を吐き、口論になったという。」(読売新聞2023年10月4日)

県市町振興課が確認? 八方ふさがりで再入札以外出口ない 強行すれば業者をも不幸な状況に巻込む 問題は市の「身の丈」 話がそれたが、市の説明を理解する限りでは、入札告示はそのままにして設計施工の総額約97億円の予定価格の範囲内で業者に落札してもらい、契約後に増額変更するつもりらしい。そして、このやり方については、問題ないという滋賀県庁総務部市町振興課の確認(お墨付き)を得ていると説明した。県庁の建設工事の実務は土木部監理課なのに確認は大丈夫か?
 しかし、先日から書いているようにこのやり方は通用しない。話が込み入るが理由は次のとおり。 6日に増額補正を可決することは、市は約97億円の予定価格では落札しないことを正式に認識したことになり、当然業者もその金額では請け負えないと認識している。そうなると、業者は通常は予定価格を越えた入札をしないので、不落になる。
 万一、業者が増額契約されることを見越して、約97億円の予定価格内で入札し、契約したなら、その条件で請け負う約束をしたことになる。したがって、契約後に業者から増額要求はできないし、すれば虚偽の入札を行ったことになり指名停止。もし、逆に市から増額提案をしたら、それは不当な支出で市に損害を与えたことになる。

 すでに書いたように、工期、工事内容、金額すべてが告示とは違っている状態で入札を実行することは不可能。今の状況は八方ふさがりで、再入札以外に出口はない。万一強行すれば、市だけでなく、業者をも不幸な状況に巻込むことになる。

 最後に余興として、6日の採決を憶測すれば、市長与党会派議員と公明党、立民議員が賛成して可決されるのではないか?以前の駅前賛成議員からも万博による建設費高騰を理由に賛成する議員が出るかもしれない。しかし、問題は、高騰の理由づけでなく、野洲市の「身の丈」に合うかどうかだ。

「変更はない」を理由に市民に説明しない まったくの市民無視 議会も審議に応じているからには同罪

 最後に、今日公表された9月25日の部長会議録から。財源の資金余剰の活用はまったくのお門違い。それよりもこのような重要なことを、「変更はない」として市民に説明しないとは、まったくの市民無視。議会も審議に応じているからには同罪。
→議会への説明は特別委員会で行われるが、市民への説明の予定はあるのか。
 →整備内容については5月に開催した市民懇談会や市広報で示しており、今回そこから変更はない。今回の費用増額については、市民の代表・代理である議員の知見により速やかに判断いただきたいと考えている。
→資料に「具体策」の記載があるが、この内容も公表するのか。
 →公表予定である。
→対応方針に関して、入札制度上、問題ないか。
 →制度上、問題ないものと考えている。
→費用の増額に本市の財政は現在、耐えられるのか、政策調整部長の見解は。
 →一般会計の負担増については、病院事業の資金余剰の活用計画が検討されているところであり、必要に応じてその資金の一部を、新病院整備基金に繰り入れることも両部で検討しなくてはならないという考えである。(政策調整部)
 →当院としても、その必要性はあると認識している。(病院事務部)
 →病院整備事業の実現に向け担当部長を筆頭に各部長に意見を聞きながら、進めていきたいので、最大限の協力を願う。(市長)