何も明らかにならず、現実感なく盛り上がらない 計画改定の質問意図は見直しに賛成の上で、その実現性を心配?

 今日9月6日の市議会の病院関連の質問は、橋議員と益川議員が行った。橋議員は例の体育館病院周辺に新都市拠点を設置する市総合計画改定について。益川議員も同じ問題で質問した。

 橋議員の質問を通して聞いたところでは、その意図は計画見直しに賛成の上で、その実現性を心配していることにあると受取れた。

 まずは、計画の見直しは拙速ではないかと質問したが、市長の答弁は市民病院整備に合わせて設置する方向で進めてきた。拙速ではないというものであった。体育館病院が出てきたのは市長の4か月余りの熟考後の昨年5月下旬であった。そして、病院の建設予算が可決されたのは今年3月末。半年も経たない間に市長が「本市の最上位系計画」と位置付ける計画の見直しを行なうことが拙速でないとすれば、拙速とは何を意味するのか?

 また、審議会の新川会長報告にあった財政面について議員は質問したが、財政面等をしっかり踏まえて進めて行くと政策調整部長がいつものとおり答弁。

 病院の事業費の高騰についての質問に対しては担当部長が、96.7億円の債務負担行為の範囲内で行なっていく。ただし、物価スライドには対応すると答弁。

 新拠点を含めた交通ネットワークの充実についての質問に対しては、地域交通計画のなかで検討していくと、これまた市民部長が建前の答弁。

 大規模小売店舗が上がっているが可能かとの質問に対しては、市街化調整区域を市街化区域に変更して、土地所有者や地域住民の意向と同意があれば可能であるなどと、都市建設部長が答弁。

 以上のように口先答弁だけを引き出しているだけでは、何も明らかにならず、現実感がなく盛り上がらない。

 

本当のことが言えない状況に陥っている印象 障害者病床は県立で対応するのが好ましい

 益川議員の質問は3項目

 「市立野洲病院の運営について」では、市立野洲病院での障害者病床の試行状況、令和4年度の決算、看護師の20%弱減、整形外科医が2名から1名になったことなどを質問。
 障害者病床の試行状況については福山病院長が答弁。13床で運用し、地域医療調整会議でも評価されている。上手くいっていて良い方向である。筋ジストロフィー・神経難病など、医大で診断がついたものを引き受ける。点数も高く、経営上も良い。

 ただし、はっきり言えば、障害者病床は手がかかる。医師がかかわる部分は少なく、看護の部分が大半なので、看護師の確保が課題である。また、京都では独立行政法人国立病院機構「宇多野病院」で対応しており、本来は県立で対応するのが好ましい。 令和4年度の決算については、コロナ関連を除いた最終収支結果を示すことは困難との担当部長の答弁であった。
 看護師の20%弱減については、仕事の割り振りや非正規で対応しているが、大きな課題である。
 整形外科医が2名から1名になったことについては、本来は少なくとも2名必要。手術件数がかなり減って経営面は厳しい。共同研究講座で医大今井教授から来年度もう一人送ってもらうことができると福山病院長が答弁。
 その他、前川管理者が1年間の所感を問われて答弁した。
 

 全体を通して聞いた印象は、本当のことが言われていない、あるいは言えない状況に陥っているというものであった。

JAレーク滋賀と土地交換による整形化の協議 危なさ、キナ臭さが漂う

 益川議員の2問目は「野洲駅南口周辺整備について」
 まず、検討委員会が3回開かれたことやアンケート結果では、上位3位がカフェ、レストラン、広場であったことを確認し、事業方針から肝心の「心と体の健康」が消えた理由を質問。政策調整部長の答弁は何を言っているのか不明確で、理解できなかった。

 議員はマンションの提案があった場合の対応を質問したが、部長の答弁は自由提案として扱うというもので、これも意味が解らなかった。また、アンケートの市民意向と違うという質問に対して部長は整合性とれると答弁。これも解らない。

 検討委員会の市の説明では、駅前市有地の切り売り以外の何物でもないという指摘に対しては、部長はA、Bブロックは民間から購入した土地として位置付けている旨答弁したが、かつて書いたように購入地には旧町有地が実質的には含まれており、部長の認識は誤っている。議員は、また事業方針には検討委員会での委員の意見が反映されていない、あるいは無視されていることを質したが、明確な回答はなかった。

 議員が委員会で市の事務局が、JAレーク滋賀と土地交換による整形化の協議を進めていると説明したことについて質問したが、これまた明確な部長答弁はなかった。

 最後に、委員の意見からするとスケジュールどおり11月の事業者公募は困難ではないかとの質問に対しては、部長はスケジュールどおり実施すると答えた。
 以上のように、ここでもやり取りが口先答弁の繰返しで盛り上がらなかった。それとともに、通して聞いていて、なにか危なさ、キナ臭さが漂っている感があった。

 

市総合計画の重要性と改定手続きのいい加減さが矛盾 実質的中身なく口先答弁でキナ臭さが

 益川議員の最後の質問は、「野洲市総合計画の改訂について」。

まず、計画の重要性の認識を市長に質問。市長は、本市の最上位系計画であり、たいへん重要と答弁。

 次に、質問によって、第一次計画策定では委員30名、会議5回開催、その改訂では委員30名、会議8回開催などを政策調整部長の答弁で引き出したうえで、今回の改訂が委員7名、会議2回の開催であることに疑問を呈して質問したが、部長からは明確な答弁はなかった。計画の重要性と改定手続きのいい加減さが矛盾している。

 また、市広報で市民への案内がなかったことを確認したうえで、市長に対してまちづくりへの影響について質問。市長は、多極ネットワーク型云々と題目を唱えたうえで、車でのアクセスに優れた地域であるとし、良い影響が出るなどと答弁。

 また、委員からのスポーツと健康だけでは拠点でないという意見について議員が質問したが、部長からは明確な答弁はなかった。

 最後に、議員は駅前の賑わいとの関係について質問したが、市長の答弁は、駅間には公共施設でなく民間、体育館周辺には公共といった意味不明なものであった。体育館周辺には公共といいながら、橋議員が指摘したように大規模小売店舗が上がっているのだから筋が通っていない。ここでも、実質的な中身がなく口先答弁でキナ臭さが漂っている。