ワンマン経営者とそれを助長する副、それに取り入る一部幹部職員という構図?

 連日いやになるほど報道されている大手中古車販売会社の不正事件。事故車の傷を故意に大きくしたり、除草剤を使って店舗前の街路樹を枯らすなどの行為が報道されている。これらはもちろん不正な行為ではあるが、従業員約6千人といわれる組織にしては、滑稽なほど低劣な行為。最近の報道ではまだまだこれらに類する不正・反社会的行為があるようであるが、このようなことをやった、あるいはやらざるを得なかった社員の心情は穏やかではなかったと思われる。

 このようなことが行なわれてきた原因は様々であると思うが、報道から見えてくることは、ひとつには密室のワンマン経営にあるのではないかと思われる。ワンマン経営者とそれを支える、場合によってはそれを助長する副、そしてそれに取り入る一部の幹部職員という構図ではないか。

 

野洲市の状況は似ている 暗黒状態 ワンマンの典型は熟考後の体育館病院

 このことを書き出したのは、大手中古車販売会社の不正事件にコメントするためではない。これらの報道を見聞きしてすぐに連想したのは、半月ほど前に紹介した野洲市の組織状況のこと。偶然入ってきた情報をきっかけに書いたが、それ以前から職員の友人から、また職員の家族の話として私が知人から聞いていた情報とも合っていたのであえて紹介した。偶然入ってきた情報の中にあった、暗黒状態ということばが耳から離れない。

 もちろん野洲市の状況は、大手中古車販売会社の状況と同じではない。しかし、半月ほど前に紹介したように、ワンマン(独断専行)の市長とそれを助長せざるを得ない立場の副市長、そしてそれに忠実な一部幹部職員という構図は似ている。もちろん密室型行政も含めて。

 市長の独断専行の例はたびたび紹介してきたが、あらためて一例をあげると体育館病院。一昨年5月に市長自ら決定したと議会で公言した駅前Bブロック病院計画を、昨年はじめに理由もなく中止。その後、約4か月あまり熟考中と称して沈黙を貫き、昨年5月にいきなり体育館病院に決定したと議会で公言。これは典型的な独断専行。このようなことがまかり通るのは、残念ながら議会のチェック機能が劣化しているから。この点でも、問題の中古車販売会社が株式を上場していないため公開の場での株主のチェックが働かない状況と似ている。

 

体育館病院や駅前開発の今後の展開は予想ができない

 それでは、野洲市の場合、事故車の傷の故意の拡大や店舗前の街路樹を枯らすなどの行為に当たるのは何か?今さら言うまでもなく、先日も触れた、病院の立地を理由にした体育館周辺を新都市拠点に追加し、農地を市街化区域候補地にしようとする我田引水型の計画変更など。

 そして、その典型は、これまた体育館病院計画。議会を通すことを優先し、多くの困難課題や問題に覆いをして、骨抜きされた病院評価委員会のお墨付きを根拠に、予算を議会可決させた。基本的なところを詰めない大まかな基本計画から一気に設計施工一括発注まで持ち込んだが、覆い隠された困難課題や問題が今後明らかになってくると思われる。

 大手中古車販売会社事件の今後の展開は、その社会・経済的な面を含め予想ができない。同じように、野洲市の体育館病院や駅前開発の今後の展開は、予想ができない。