市立野洲病院は草津市にある民間総合病院のグループ?

 1か月ほど前のこと、ある会合で県内の行政事情に通じている人から、市立野洲病院は草津市にある大きな民間総合病院のグループに入っているのかと尋ねられた。意外な質問だったが、外からはそのようにも見られているのかと参考になった。

 その人がどのような情報をもとにそのような質問をしたのかは確認しなかったが、考えてみれば理由がないとは言えない。なぜなら、昨年9月に栢木市長が委嘱した病院整備事業顧問はこの民間病院の元トップであったし、現在も名誉院長の立場にあるから。

 

 

滋賀医大との関係は異常に濃密 管理者、顧問、審議会の3人の委員 受注者選定委員会の委員長まで

 医療に関してグループということでは、野洲市と滋賀医科大学との関係も極めて濃密だ。昨年9月に栢木市長が任命した前川病院事業管理者は滋賀医大の名誉教授。また、上で触れた病院整備事業顧問も滋賀医大の元病院長。さらに体育館病院の審議会には、滋賀医大から学長、病院長、教授の3人が委員として参加協力している。そして、学長は審議会の会長を務め、教授は体育館病院の設計施工受注者を選定する委員会の委員長という、きわどい大役までも引き受けている。

 かつて駅前Aブロック病院の検討では、学長だけが評価委員会の委員長として参加協力していただけであった。それと比べると、市と医大との関係、あるいは医大の関与は異常なほど濃密になっている。

医大のなかでの組織的位置づけは?

 病院を整備し運営するうえで医大との関係が濃密なことは市にとって良いことではある。しかし、気になるのはこのような一見濃密と見える関係の実態がどうなのかということ。

 具体的には、野洲市の病院整備や運営が医大のなかで何らかの組織的な位置づけが得られているのか?それとも、学長は病院事業管理者を市長に推薦し、また、学長、病院長、教授の3人は市長から委嘱されたので委員として参加協力している程度なのか?

 もし、野洲市の病院が医大のなかで何らかの位置づけが得られていて、その在り方が医大の運営にも影響するとするなら、昨年11月の評価委員会のように、慎重に本質的な審議もしないで、駆け足のように体育館病院に異論なしの結論を学長は出さなかったはず。当時会場で傍聴していて、学長の対応には責任感よりは、委嘱されたのでその役割を果たしているという思いの方が勝っていたと感じられた。

 

一過性で軸脚にはならない? 将来の問題でなく、整形外科の外来は休診ばかり

 このように見てくると濃密に見える市と医大との関係の持続性が心配になる。人が変わればすぐに変わるのではないか?あるいは、医大の助言に寄りかかって病院整備を進めて行っても、医大は最終的に何の責任も持ってくれないのではないか?その責任を負う覚悟はだれが持っているのか?要するに一過性のものであって、軸脚にはならない。

 このことは、将来の問題ではない。先日ある市民が市立野洲病院の整形外科の外来は休診ばかりだ。ネットで「外来診療担当医表」を見れば分かると言っていた。確かに今開いてみたら、そのとおり。