部長会議録の情報量の減少が一段と進んでいる

 以前に市の部長会議録の情報量が少なくなったと書いたことがあった。最近はそれが一段と進んでいる。

 情報量が少ないとは、案件の報告内容が簡略になったことと参加している部長の発言が少ない、あるいはほとんどなくなったこと。部長の発言記録が貧弱になった理由としては、発言が減り、内容のないものになったためか、発言はあっても記録から削除されているためかのどちらかが考えられる。おそらくその両方だろうと推測していた。

 

部長たちが発言しなくなった 発言の制止と恫喝の世界らしい

 ところが、最近偶然入ってきた情報によると事態はそう生易しいものではないらしい。部長会議録から部長の発言記録が減った理由は確かに会議で部長たちが発言しなくなったためらしい。

 そこで、問題はそのようになっていった経緯。栢木市長になっても前市政の雰囲気が残っていて、しばらくの間は自由な発言と議論が交わされていた。それが急に変わったのは昨年度からであるらしい。入ってきた情報のかぎりでは、発言の制止と、受け取りようによっては恫喝の世界らしい。そしてそれを主導しているのは、副市長とのこと。なお、あらかじめ断っておくが、副市長を責める目的で書き始めたわけではない。後で書くように、副市長が置かれた状況を理解したうえで最終的に判断する必要がある。

展望がなく暗黒状態らしい 副市長が流れを主導

 制止と恫喝の世界は言うまでもなく部長会議の場だけのことではない。1年以上前、その時もたまたま入ってきた確かな情報をもとに、市役所の雰囲気が悪化し、将来のある職員が泥船から抜け出すようにやめていったり、メンタルで休んでいることを心配して書いた。その後、このことは市長のパワハラ事件で図らずも明らかになった。

 そのような状況は大きく改善されないまでも落ち着いてきているのかと内々思っていた。ところが今回入ってきた情報では、事態はそうではないらしい。その情報のかぎりでは、展望がなく暗黒状態らしい。メンタルでの休みは一般職員にも及んでいるらしい。副市長が流れを主導していることも含め、このような話を聞いた後、梅雨空の鬱陶しさも重なって、珍しく数日間は気分が晴れなかった。

事態は職員にとどまらず、市事業全般に悪影響が及び、市民にとってもマイナス

 以上のような状況はまずは職員にとって大変なことだが、ことはそれにとどまらない。市政の透明性が失われるとともに、事務・事業の効率が落ち、生産性が失われる。したがって、病院や駅前の事業だけでなく、市の事業全般に悪影響が及ぶ。当然市民にとってもマイナス。

 以前から何度も、今の市長の進め方は、社会常識やルールだけでなく、法令までも無視して進められていると書いてきた。病院や駅前事業はその典型。このようなやり方は公平無私を旨とし、法令に基づき仕事を進めようとする職員にとっては、大きなストレスとなる。それ以前に人間としての健全な道義感が拒絶反応を示す。職員はそのような状況のなかに追い込まれて仕事をせざるを得ない。その結果、健全さを優先させれば、組織的にはマイナスの評価を受け、人事にも影響する。

 このように負のサイクルが回り出して、まさに、暗黒状況。情報のかぎりでは、この状況は議会にも感染が及んでいるらしい。

前副市長任期途中退任で市長のパワハラ事件の渦中に三日月知事により送られた

 このような状況のなかで、病院、駅前、文化施設などの事業が進められてきている。だから、外から見ていると不正確な資料をつくったり合理性のない説明や手続きがまかり通ることになる。

 かつては議会でこのようなことを正常化することを県から派遣されている副市長に期待する質問などがあった。ところが、入ってきた情報のかぎりでは、今このような流れを主導しているのは上述のとおり副市長らしい。

 今の副市長の就任については、昨年3月に「ドラマはもう十分! 三日月知事はパワハラを回避すべき」の標題で懸念を書いた。市長の旧来の支援者であり行政の大ベテランであった前副市長が就任後1年半も経たずに辞めた。その後、市長のパワハラ事件の渦中に栢木市長の「後任は県から招く」(読売新聞2022年3月18日)との意向に応えて三日月知事が送ってきたのが今の副市長。

職員に劣らず副市長の立場も苛酷で厳しい 付けは市政と市民に

 副市長は、通常であれば一定期間後、県庁に戻れる。しかし、課長や部次長で派遣される場合とは異なって、特別職なので手続き上は県を退職しての就任になるので、制度上は県に復帰できる保障はない。期待されている成果を上げるとともに、大きな失敗は許されない。

 一般的に派遣期間はまずは2年。野洲市では来年秋に市長選挙があるので長くてもそれまで。副市長にとって上述の大きな失敗の最たるものが、市長の意向に沿わず、市長の覚え(評価)がめでたくないこと。外からは見えにくく、分かりにくいが、組織と人事の仕組を踏まえると当人にとっては最も気にかかること。それも2年の任期が終わって県に帰るときの評価だけでなく、日々の評価。たとえば、なんかの会合で市長が知事と出会い、副市長について低い評価を一言しゃべっただけで、それが最後までついて回るという恐ろしい世界。加えて、市長のパワハラ実績も潜在的な脅威。

 したがって、副市長にしてみれば、市長の覚えに、この先10年近くの県庁生活と人生の浮沈がかかっていて、気が抜けない毎日。市長の意向を受けて忠実に仕事をするとともに、それを先取りして自らに対する市長の評価を高めなければならない。

 このように見てくると、職員に劣らず副市長の立場も苛酷で厳しい。市長と知事によって皆を不幸にする仕組みが仕掛けられたことになる。高笑いできるのは市長だけか?

 いうまでもなく、このような事態の付けは市政と市民に回ってきている。この事態を改善できるのは議会しかないが、入ってきた情報のかぎりでは、期待薄の状況らしい。