「受注者選定委員会」と医大の寄附講座についての質問

 今日6月16日から市議会の質問がはじまった。質問通告では、村田議員と益川議員が病院について、益川議員と田中議員が駅前開発について質問することになっている。ネット配信ですべてを傍聴する時間はなかったが、聞いたところをかいつまんで紹介すると次のとおり。

 村田議員の病院についての質問は、「受注者選定委員会」と滋賀医科大学への寄附講座にかかわるものだった。

 「受注者選定委員会」は体育館病院の設計施工の入札決定にかかわる委員会。その委員長に滋賀医大の今井教授がなった理由。また、今井教授は元々駅前病院に賛成だったとのことだが、なぜ変わったのかなどについて質問した。

 これらに対する前川管理者の答弁は、委員長になってもらった理由について、審議会の会長である医大の上本学長の推薦、長い期間評価委員会の委員であった、野洲病院のことをよく知っていることなどをあげた。ただし、このなかで長期にわたり評価委員会の委員であったことは間違い。今井教授は、市長公約の現地半額建替えについて検討した2021年の評価委員会から加わった。

 また、元々駅前病院に賛成だった今井教授のことについては、前川管理者は駅前病院のことには触れず、今井教授は新病院が早くできることに賛成だった旨答弁した。

 余談だが、通常このような委員会の長は会議を開いて委員の互選で決めるものだが、はじめから管理者が決めたというのも奇妙なこと。

寄附講座でなく実態は野洲市からの委託業務

 次の医大への寄附講座のあり方についての村田議員の質問に対する管理者や担当部長の答弁は、ややわかりにくかったが、まとめると次のようなものだった。

 市から医大に提供する金額は年2500万円。財源をどうするかは検討中だが、病院事業の余剰金を市民の保健福祉に使う目的で一般会計に繰り入れ、それを充てることも視野に入っているような答弁だった。

 また、この2500万円の使い道は、医大に新たに特任教授と特任助教を設置するのでその人件費が大半である。このうち特任教授は大学にいることになるが、特任助教は野洲病院に常駐する。いずれにしても2人とも野洲市のための仕事をするので野洲市にとってお金が無駄になるわけではない。答弁が分かりにくかったのは、担当部長がこのことを市がコンサルに業務委託する場合を例に説明したからであった。

 以上紹介したやり取りで、村田議員はよく分かったと理解を示したが、答弁を傍聴していてあっけにとられて驚いた。特任教授も特任助教も野洲市の業務に専従し、特任助教にあっては野洲病院に常駐するのであれば、これは担当部長が例にあげたようにまさに業務委託。とても、学術研究と教育振興のための社会貢献的な寄附講座とは言えない。滋賀医科大学の寄附講座とはこのようなものなのか?

「特定市民」発信の市政批判などのブログは人権侵害? 昨年は職員に、今年は市民に対し

 以上のほか、今日は奥山議員が「SNS等による人権侵害について」の通告で、「特定市民」が発信している市政批判などのブログが人権侵害に当たるのではないかと市長と総務部長に質問した。

 具体的には「特定市民のブログ」に対して市民や職員、その他外部から苦情を受けたことがあるか?また、ブログの内容に人権対策上問題があると考えられる場合、指導は出来ないかなどといった質問内容だった。

 総務部長の答弁では、苦情を受けたことはない。なお、指導についての答弁は分かりにくかったので紹介を省く。

 また、市長の答弁は、職員、特に日夜頑張っている病院担当職員に問題が及ぶ場合があれば職員を守ると言った趣旨の心強いものだった。

 ところで、奇しくも奥山議員は昨年の6月16日には、「内部統制(ガバナンス)と人材育成について」の通告で、職員がSNS等で市の方針と異なる意見を発信していることや部長会議等での異論を取り上げて、そのようなことがないよう市長に統制の強化を求める質問をした。

 なお、議場での「特定市民」という言い方でのやりとり自体に人権上問題はないのかという疑問が残った。