突然さに驚く中学生までの医療費無料拡大 行財政改革なんか吹っ飛んでしまう

 今日6月8日から市議会の定例会がはじまった。所用があって、ネット配信で市長の議案説明が聞けなかったのでどのような説明がなされたか知らないが、驚く議案があった。これについては、昨日議案概要資料を見たときも目を疑った。

 それは、「議第 49 号 野洲市福祉医療費助成条例の一部を改正する条例」案。内容は、子どもの医療費の無料化を、現在の小学6生年までを中学生までに拡大するもの。そして、それに対応する予算が一般会計補正予算案に盛り込まれている。

 医療費の無料化の拡大には賛成だが、あまりにも突然すぎる制度変更だ。通常は、昨年度から検討を加え、年度末の3月議会に条例案と予算案を提案するもの。年度前半の議会で提案するものではない。ましてや、行財政改革の名のもとに、しつこく野洲文化ホールの廃館を誘導しようとしているただなかである。無料化拡大のためには、システム改修費と毎年約1500万円の経常的な支出が伴う。医師会との調整も必要。

 事情の分からない職員からすれば、当初予算案は何だったのかという思いがするだろうし、また、行財政改革なんか吹っ飛んでしまう。

 

 

3月議会で共産党小菅議員の哀願質問に市長は冷たい答えをしたばかり

 それ以上に驚くことは、3月議会で共産党の小菅康子議員がこのことについて質問した。質問というより、そのときネット傍聴していて感じたのは、哀願あるいは、縋(すが)っているという感じだった。その哀願質問に対する市長の答えは、内容も話しぶりもまったく冷たく、素っ気ないものだった。このことを最新の議会だより(令和5年(2023年)5月)から引用すると次のとおり。

 

 全国では95%の自治体が無料化を実施している。県下で実施していないのは本市と5自治体(うち大津市は今年10月から実施の予定)だけである。子育て支援・少子化対策として将来のまちづくりの観点からも有効だと考えるがどうか。

 滋賀県市長会が要望した助成制度の見直しについて、県が検討をしていくことになった。その動向を注視し、判断していく。

 

3か月弱の間に市長方針が180度転換 市政が安定を失い、大きく乱れていることの証

 小菅議員の質問にもあるとおり、様々な事業を連携・共同で行っている近隣の草津、守山、栗東の各市は現在の野洲市と同じ制度である。それなのになぜ、年度途中に突然抜け駆けしようとするのか?

 昨日話題にした滋賀医大への資金供与と同じように突如何らかの事情が出てきたのか?それとも、質問をした政党と何らかの取引をしたのか?

 いずれにしても、3か月も経たない間に市長の方針が180度転換したことは確かである。そして、その裏には何かがあるはずだし、さらに言えば、市政が市民に見えないところで、安定を失い、大きく乱れていることの証ともなる。無理をして進めている体育館病院についても、Bブロック病院の前例が思い起こされ、大丈夫かと疑問が湧く。