全協で報告だがホームページはまだ「準備中」 「由らしむべし知らしむべからず」?

 一昨日話題にした、3月14日に開かれた駅前開発の検討会の会議結果概要。今日4月20日の市議会全員協議会で報告された。ところが、市ホームページでは、会議概要は「準備中」の表示のまま。市民には、「由(よ)らしむべし知らしむべからず」なのか?

 そのことはさておき、なぜそれほど時間がかかったのかと驚くほどの簡単な結果報告。

 

「病院機能が外れることに異論はなかった。」

 まず、「概要」の概要を紹介すると次のとおり。

【協議事項】

・これまでの経緯、コンセプトと必要な機能及びゾーニング

・野洲駅南口周辺整備事業について、 官民連携の手法、工程スケジュール等の進め方

・野洲市野洲駅南口周辺整備構想検討委員会の今後の予定

【確認事項】

・駅前に必要な機能の一つとして掲げられていた病院機能が外れることに異論はなかった。

・病院機能が外れても目指すべきにぎわいづくりは変わらないため、これまでのコンセプトを踏襲する。

・にぎわい創出には、税収や費用などの視点をもって内容を検討する。

・官民連携により事業を進めるため、令和5年度中にパートナーとなる連携事業者を決定する。

・令和5年度の野洲市野洲駅南口周辺整備構想検討委員会は4回開催し、連携事業者との基本協定締結までにおいて必要に応じて1~2回開催予定とする。

 

前提抜きの議論なら、マンション提案は受けるが、病院ダメの論理は通用しないが、委員からの質問はなかった

 この検討会が駅前から病院を外すことを前提で設置され、それを承知のうえで就任した委員ばかりなので、【確認事項】の最初にあるように、「病院機能が外れることに異論はなかった。」のは当然。しかし、「病院機能のみ削除」(毎日新聞2023年3月15日)の理由を全委員が十分理解し、納得できたのか疑問。

 また、【確認事項】2つめの「病院機能が外れても目指すべきにぎわいづくりは変わらない」についても、常識的には理解できないが、報告に添付されている質疑応答記録には、それについてのやり取りはない。都市機能の観点から見て、中核施設である市民病院が、あるかないかでは、にぎわいのあり方は大きく違う。

 駅前のまちづくりについて、前提抜きでフラットに議論するなら、市長の言うマンションの提案は受けるが、病院はダメと言う論理は通用しない。そのことについて、少なくとも質問した委員があってよさそうなものだが、駅前病院と駅前構想の検討に当初から関わってきた、立命館大学の及川清昭教授を含め、そのような発言は記録にない。

ゴールは事業連携協定の締結 本番のチェック機能ない 後は市長と事業者が密室で進める!

 会議の雰囲気を知るうえでの参考として、5つある質疑応答からひとつ紹介すると次のとおり。

【委員】今回の検討委員会におけるゴールはどのように考えているのか? また、周辺整備によるにぎわいを生み出す場合のターゲットは?

【事務局】事業を担ってもらう事業者と事業連携協定を締結することがゴールと考えている。ターゲットは基本的に野洲市民と考えている。

 以上のやり取りで質問者は事務局の答に納得したようだが、禅問答に近い。

 野洲市民だけをターゲットにしたにぎわいで、事業者は採算が取れ、税収増の貢献ができるのか?あまりにも甘い見込み。

 また、事業者との事業連携協定の内容がどのようなものなのかは分からないが、事業連携協定が結ばれただけで、それがすぐに実現するわけではない。むしろ、それはスタートであって、それからが本番。その本番の進行管理を市民と専門家の側から公開でチェックしていく役割が重要。しかし、この回答では、それは市長と事業者が密室で進めるということを、図らずも、あらかじめ宣言していることになる。

 やはり、本音は、市民は「由らしむべし知らしむべからず」のようだ。