「新病院整備に向けた道筋が開き」?

 昨年度末、3月27日の市部長会議の記録がホームページに公表されたので、目を通した。報告や協議の案件はなかったようで、市長の年度を振り返っての挨拶が1ページにわたって掲載されている。

 そのなかに、「10年余り、紆余曲折を繰り返して来た新病院整備に向けた道筋が開き、併せて駅前南口の賑わい創出の事業化を進めるきっかけも作ることができた。」とある。これは先日紹介した、市広報紙4月1日号の、「未来実現予算」と誇った新年度予算の概要を紹介した市長説明と同じ趣旨。

体育館病院は元日早々から市民に背中を向けて挨拶した?

 ところで、体育館病院の完成予想図(パース)を市ホームページにある新年度予算概要説明資料から一昨日のブログに貼り付けた。そのとき、その完成予想図はどこから見たのか疑問に思った。体育館らしきものが左手にあって、右はしには水路か川らしきものがあるので、東北側から見た図と判断した。すなわち、病院の正面でなく、裏側を望む視角。

 そういえば、この図は今年1月の市広報紙特別号の表紙の図と同じもの。ただし、そのときは左手の体育館がはっきりしなかったし、右側の川はカットされていて、なかった。したがって、正面から見た図だと漠然と思った。しかし、今回予算概要資料の図から裏側から見た図であることが判明。

 言うまでもなく、完成予想図は通常はもっとも見場の良い正面側を見せるもの。それなのに、人にたとえれば、背中を見せるのと同じ。市広報紙の特別号では、体育館病院は元日早々から市民に背中を向けて挨拶したことになる。

 

 

正面のない病院? 

 このように書いてきたが、問題はこの建物の正面がどこかということ。直感的には、体育館の正面出入口と向かい合う、「エントランスホール」と「ピロティ」がある南面が正面と思われる。しかし、出入口は東面に小さく設けられている。したがって、市はこの東面が正面と判断しているのか?最初に図で自転車置き場かと思ったのは、出入口の雨風と日差し避けの屋根らしい。

 もし、東面が正面であっても、通常は東南からの視角で予想図を描く。ところが、そうしなかった理由は、東南からの視角で予想図を描けば、屋外階段が入ってきて絵にならないからではないか?

 一般的には建物の正面には出入口がある。しかし、建物の正面と出入口が一体でない場合も例外的にある。この体育館病院はどこが正面なのか?それとも正面のない病院なのか?

シャトルバス乗り場、職員通用口も取れない? もっと市民が安心できる情報が必要 これで「道筋が開」く?

 以上のほかこの完成予想図とレイアウトを見て気になったことは、駅からのシャトルバスの昇降場及び待機場所とその動線。患者が天候の影響を受けないで便利に安心して利用できる昇降場を出入口直近に確保できるのか?

 また、このシャトルバスは職員の利用も想定しているようだが、図で見るかぎりでは、職員専用の出入口がない。患者用の出入り口と同じというわけにはいかない。具体的には、設計段階で決定すると注記されているが、土地の面積と形状に制約がありすぎて、無い袖は振れない。現段階でもっと市民が安心できる情報が必要。このような状態で「道筋が開」くのか?