徳島で19年ぶりに新規開校 ソニーとソフトバンクが100億円 

 今日知人が、徳島で19年ぶりに高等専門学校が新規開校した報道があったと電話をくれた。起業家の育成を目指すというコンセプトが明確で、ソニーとソフトバンクが100億円を出すらしいとのこと。

 電話を受けたのが、ちょうど琵琶湖でカヌーを漕いで花見をしているときだったので、後でネットで調べる旨伝え、礼を言って電話を切った。なお、イラストの代わりに琵琶湖・海津大崎の今日の桜の写真を添付します。

 夕方帰宅して、ネットで検索すると、昨夜のテレビや今朝の新聞で広く報道されている。したがって、詳しく紹介するまでもないが、以前の報道も含め紹介すると、概略は次のとおり。

情報工学ベースにデザインや起業家精神について学ぶ単科の高専 全寮制で学費は無償

 「徳島県神山町で、起業家の育成を目指す私立の高等専門学校「神山まるごと高専」の入学式が行われ、1期生が学生生活をスタートしました。

『神山まるごと高専』は、IT企業の社長などが設立し、徳島県神山町に建てられた真新しい校舎で、2日、1期生44人の入学式が行われました。」(NHK2023年4月2日19時27分)

 「経済界も注目する「神山まるごと高専」は、ソニーグループやソフトバンクなどから拠出された100億円規模の基金を運用して学生全員の学費を無償化し、ビジネスの最前線で活躍する現役の経営者も講師に招いて、卒業生の4割が起業することを目標に掲げています。」(NHK2023年4月2日19時27分)

 「高専の新設は19年ぶり。国内の高専としては58校目となる。資金集めを独自に行うなど純民間ベースで開校にこぎつけた。」(産経新聞ネット2022年8月31日17時48分)

 「その学校は、昨年8月に設置認可を受けたばかりの新設校。しかも、『デザイン・エンジニアリング学科』だけの単科高専(高等専門学校)で、ソフトウェアやAI(人工知能)などの情報工学をベースに、デザインや起業家精神について学ぶという少し変わった学校だ。」(JBpress2023年4月3日)

お役所仕事的な滋賀高専とは違う 公約の「民間の知恵と力」はどこに?

 概要と言いながら、引用が長くなったが、要するに、民間設立で、起業家を育てるという明確なねらいをもった、単科の高専。全寮制で、学費は無償。なお、昨日入学した44人(男女各22人)に対し、応募者は約400人だった。また、校歌は、今朝のニュースで訃報が伝えられた、坂本龍一さんが作曲を手掛けた。

 以上の情報からすれば、これなら、今さらの高専の新規開校は分かると思った。昨日紹介した、いかにもお役所仕事的な滋賀県立の高専とは違う。滋賀高専の場合は、「人と地球を支える技術を磨く学校」を目指すとなっていて、人の育ちでなく、学校に焦点が当たっていたのが気になっていたが、徳島の方は、目指す学生の姿として、「モノをつくる力で、コトを起こす人」が掲げられている。

 今回の徳島の高専は、「民間の知恵と力」を公約に掲げる野洲市長が、税金丸抱えの高専を進めようとしていることへの皮肉。