「人と地球、支える技術」は気宇壮大 面積は甲子園球場約4個分
先日の新聞に県立高専の基本構想を伝える記事があった。見出しは、「人と地球、支える技術を 基本構想第1弾」。(毎日新聞2023年3月27日)
「人と地球、支える技術」とは、気宇壮大なねらい。また、15万平方メートルは、甲子園球場(総面積)約4個分にあたり、異例に広大。
まず、記事の概要を引用すると次のとおり。
「『人と地球を支える技術を磨く学校』を目指すとしている。」
「県内初の高専で、野洲市市三宅の県有地と国有地の計15万平方メートルに設置する。」
「施設は延べ床面積1万9500平方メートルが必要と試算した。校舎・実験室・実習工場のほか、体育館や管理棟などを建設する。」
グラウンドのない高専 市負担32万円の今後の膨らみは千倍で収まらない
記事の施設紹介に必須施設であるグラウンドがない。それは、野洲市が河川防災ステーションの名目でグラウンドを整備するからだと思われる。グラウンドといっても、小中学校のそれとは違って、400mトラックの陸上競技場、野球場、テニスコートなどが必要。県の施設のために、規模が小さく財政力も低い市がグラウンドを整備することも異例。
なお、書いてから気づいたが、グラウンドのない高専とはグラウンド(基礎・土台)がない高専とも受取れ、言い得て妙。
ところで、昨日新聞折り込みされていた市広報紙に新年度予算の紹介記事が出ていた。そこには主要事業のひとつとして、「高専設置に伴う河川防災ステーション等整備事業・・・新規(32万2千円)」があがっている。その下の、「通学路の整備や河川防災ステーション等の整備に向けた調整を図ります。」説明を読めば、調整のための費用だと分かるが、標題だけ見た市民はこの程度の負担かと誤解する。
しかし、これまで議会などでの情報からすると、負担額はこの数倍どころか千倍でも収まらない。市の財政負担は、この32万円が今後どこまで膨らむのか?
気楽な計画を「未来実現予算」と自慢 市外から市民可愛そうの声聞こえるが、市民は平静
広報紙で市長は、「県立高専について本市での設置が決定されたことから、大きく野洲の姿が変わろうとしています。今年度は、これらの事業が本格的に始動する重要な年度であることから「未来実現予算」として予算編成を行いました。」と新年度予算を誇らしげに紹介している。
実質的には総事業費額が確定せず、開院後の収支も明らかでない新病院整備。経費削減を理由に駅前文化ホールの廃館・解体を一旦打ち出した。また、以前紹介したように野洲幼稚園と第三保育園の老朽化対策計画は放置されたまま。このような状況のなかで、本来県が整備する施設を、何億円かかるのか分からないが、その後の維持管理費も含めて市が負担するという、ご気楽な計画を「未来実現予算」と自慢してる。
市外からは、野洲市民が可愛そうだという声が聞こえてくるが、市内では市民はいたって平静。