体育館病院の地盤安全確認求めた医師会文書と市長等の回答を公表

 医師会は市長と前川管理者に対し、体育館病院の地盤の安全確認についてあらためて文書で確認を求めた模様。その文書とそれに対する市長と管理者連名の回答文を市は3月24日に公表し、報道機関に配布した。 

 先の議会で、「諸般の事情により答弁を差し控える」と答弁拒否した件は、まだうやむやのままなのに、今回は素早い対応。

 医師会の文書は、小西医師会長名で3月22日付。そして、「野洲市が進めておられます市立野洲病院の移転先について、 医師会から下記のように迅速に地盤調査の結果公表されることを、強く要望します。」と始まっている。

 途中、県立大学の陶器教授の名前をあげて、その指摘を引用したうえで、最後は、「早急に適切な間隔及び本数でボーリング調査および土質試験を行い、支持層 (支持地盤、深さ)、圧密沈下、液状化等の検討、その結果を建築可能なエビデンス (客観的根拠) として公表されることを、また、安全な建築であることを確認するために、 第三者による安全検証を受け、その結果を公表されることを切望します。」と結ばれている。

「判断した」でなく、「判断される」では回答になっていない! 市政の姿勢を良く表している

 この文書に対する3月24日付けの栢木市長と前川管理者連名の回答文は、素(そ)っ気ないもの。医師会が求めた、調査や試験、また第三者による安全検証とその結果公表などについて、「それぞれ適切な時期に実施し、結果を公開していきたいと考えております。」とだけで、いわゆる木で鼻を括(くく)った回答。相手の存在を認めていない。

 ただひとつ、回答文のなかに注目を引く文章がある。それは、「現状市が持ち合わせている当該用地及び隣接地の過去の地質柱状図を根拠に、当該用地については、特段の困難なく安全性の高い施設を整備することが可能であると判断されるところであります」。

 市長と管理者が「判断した」ではなく、「判断されるところであります」では回答になっていない。一見するところ客観的に見えるが、主語がなく、責任者が隠れていて、無責任で卑怯な言い回し。要するに地盤安全のエビデンスはないということ。

 医師会や市民、議会が心底心配している問題に対する回答としては、誠実さがなく、今の市政の姿勢を良く表している。

 

陶器教授はピエロで不要となったので黒塗り抹消? 闇を覗くようで恐ろしさ感じる 市民が期待する病院が本当にできるのか?

 以上のことに加え、この回答からすると、昨年6月15日付の陶器教授「確認」のエビデンス公文書は何だったのかと呆れる。

 上記の言い訳に納得できるかどうかは別にして、この論理で行くと、昨年6月のエビデンス公文書は不要だったことになる。ということは、陶器教授はピエロ(道化)に使われたことになる。

 そういえば、今回の文書公表に当たって、医師会の文書に記載されている陶器教授の名前が黒塗りで消されているようである。評価委員会、市民懇談会、市議会が終わればピエロは不要となったので抹消されたのか?闇を覗いているようで、恐ろしさを感じる。

 また、今回の回答によって、以前紹介した田中議員と石川議員の「地盤の安全は専門家が確認している」という議会本会議での主張には根拠がないことが、あらためて明らかになった。この2人の議員がどこからの情報でそのような発言を行ったか?

 いずれにしても、布施政策監が答弁を差し控えた「諸般の事情」への疑惑は深まるばかり。そして、このような状態で、市民が期待する病院が本当にできるのか心配が増す。