病院の工事費がまだ上がるという前提で説明 野洲市が破産するのではないかという心配の声

 昨日3月1日の病院特別委員会は、異例にもネット配信がなかったので、何がどう審議されたのかまったくわからなかった。ただその後、委員会で市長は、病院の工事費がまだ上がるという前提で説明した。これでは本当に野洲市が破産するのではないかという心配の声が伝わってきた。

「野洲新病院整備費、7億円増加の見通し」

 すると今日の新聞に「野洲新病院整備費、7億円増加の見通し 市が示す」(中日新聞2023年3月2日)の見出し記事があった。長くなるが、ほぼ全体を引用すると次のとおり。(記事の漢数字は算用数字に変更)

 「市によると、基本計画案の策定を進めていた昨年10月時点で、病院棟の整備工事費を75億8400万円と試算していた。9%の物価上昇を見込み、契約締結を予定する今年11月には82億6600万円まで上昇すると想定。工事監理費と基本設計、実施設計、設計支援業務の各事業費を加えると87億3400万円余となる見通し。

 市は新年度病院事業会計当初予算案で、2023〜26年度に限度額97億5200万円を確保する債務負担行為を設定し、市議会に提案している。栢木進市長は『資材の高騰だけでなく不足する厳しい環境の中、職員一丸で汗をかき前へ進めている』と述べ、理解を求めた。」(中日新聞2023年3月2日)

 

身の丈に合わないとして止めた駅前病院の総事業費120億円越える恐れも

 記事は、以上のとおりだが、伝わってきた話では、議案になっているこの債務負担行為の限度額97億5200万円もさらに増額が必要だとの含みの説明だと受取られたらしい。これでは、病院の工事費は天井なしで、市が破産する心配はまんざら杞憂(きゆう)ではない。

 記事にある基本計画案の工事費75億8400万円は、基本計画資料の78.8億円に当たると思われるが、数字が合わない。そのうえ、これに設計監理費の相当分を足す必要があるので、75億8400万円の根拠が不明。 

 もし、この数字が「案」の段階の数字だというなら、なぜ計画確定段階の高い数字を使わなかったのか?意図的に低い数字を使ったのか?

 また、これまでの説明では、事業費の高騰率は8%と公言してきたのに、9%になっている。

 いずれにしても、これらの修正見込みの金額を基本計画資料の「概算事業費」に入れてみると、栢木市長が、身の丈に合わないとして止めた駅前病院の総事業費120億円になるし、越える恐れもある。そのうえ、体育館病院の場合は、10.5億円の国交付金も付かない。