市長は市中央で便利と繰返したが、管理者は「不便になる可能性はあると思う」と公言 見解の一致図るべき

 228日から市議会定例会が始まった。そこでの市長の新年度向けの施政方針をネット中継で傍聴したが、病院についての具体的で新しい情報はなかった。

 体育館病院については、市の中央であり、市民にとって便利。また、令和8年度開院という趣旨説明を市長は繰り返しただけ。

 このように、市長は体育館病院は便利と相変わらず繰返している。しかし、昨日紹介したように、医師会との会合で、市の病院事業の最高責任者である前川管理者が、「駅前であると便利だと思います」、体育館病院では「不便になる可能性はあると思う」と公言している。

 市長と前川管理者との見解のどちらが優先するかと言えば、制度上は前川管理者の見解の方になる。まずは、あらためて両者の見解の一致を図るべき。

 

体育館病院が便利だと心底思っているのは、実は栢木市長だけでは?

 駅前が便利で、体育館病院は不便と言っているのは、もちろん前川管理者だけでない。

 昨日、野洲市内で開業している医師会の2人の理事の会合での発言の一部を紹介した。その部分だけでも、駅前が便利で、体育館病院は不便であることは明らか。2人の理事の発言全体を読めば、より説得性は高まる。

 ということは、前川管理者は病院事業の最高責任者でありながら、やむを得ず、「私の立場は病院を建てる場所を決める責任者ではない」という無責任な発言をせざるを得ない状況に追い込まれていることになる。

 ひょっとすると、体育館病院が便利だと心底から思っているのは、栢木市長だけではないか?後は加えるとすれば、医師会理事の言ったように「祇王地区の方だけ」。これではまさに、市長は裸の王様。

不都合な事実を隠し、都合の良いことだけを表に出して進めては事業は実現まで行きつかない

 今日の市長発言のもうひとつは、体育館病院の令和8年度開院。市長は職員とコンサルが作ったスケジュールだけ見て、今年の秋に設計施工一括発注の契約を結べば、その後3年あまりの間に開院できると思っているようだが、自分で指を折って数えてみれば、数字が合わないことが分かるのではなか?ただし、この点についても、市議会の過半数の議員が同じように思っているのであれば、そのことに気づくことは困難かもしれない。

 昨日触れた医師会との会合記録から見えてきたことは、市長は不都合な事実を隠し、都合の良いことだけを表に出して進めてきたということ。このようなやり方では、あるところまでは行けるが、その先、事業の実現までは行きつかない。

 万一、そのようなことになれば、市民と市にとって取返しがつかない大きな損失。