「市が移転新築する体育館・市民会館、事業費68億円増の190億円に…建材費の高騰で」

 先ほどネットでニュースを見ていたところ、「市が移転新築する体育館・市民会館、事業費68億円増の190億円に…建材費の高騰で」(読売新聞2023年2月4日オンライン)という見出しの衝撃的な記事が目に入った。

 記事の概要は、「秋田県横手市は、移転新築する横手体育館と市民会館の基本設計を公表した。概算事業費は両施設合わせて計約190億円となり、昨年3月時点の計約122億円から大幅に膨らんだ。」(読売新聞2023年2月4日オンライン)

 

基本計画から基本設計までの1年間に68億円増

 記事には「昨年3月時点の計約122億円から」とあるから、基本計画では約122億円だったことになる。基本計画から基本設計でこれだけの高騰。これまでにも書いたように、基本設計では建設工事の額は確定しなくて、構造設計や資材が具体化する実施設計で確定する。当然その間にまた増額のおそれは高い。

事業推進の可能性があるのは「体育館・市民会館」が採算性を求められる公営企業施設ではないから

 記事では、「高橋大市長は1月25日に基本設計を公表した際、「市民の期待が大きい施設整備で、身近で愛される空間にしたい」と話した。9日に市民向けの説明会を行う。」(読売新聞2023年2月4日オンライン)となっていて、これほどの増額であっても、事業を進める意向。

 市民説明会の結果がどうなるかは分からないが、事業を進める可能性があるのは、「体育館・市民会館」が制度上採算性を求めらる公営企業施設ではないから。

地方公企業法に基づく野洲市の病院では採算性見込み立たなければ事業進められない 「甘いなというふうに思いますね」とならないように、慎重な議会審議を

 ところが、野洲市の新病院の場合は地方公営企業法に基づく事業。当然厳格な採算性が求められるので、同じようにはいかない。採算性の見込みが立たなければ、事業は進められない。

 野洲市では病院整備を設計施工一括発注で実施する意向であるが、このような状況では、あまりにもリスクがありすぎる。また、受注側の企業にとっても、基本設計から工事完了までの期間が長く、あまりにもリスクが高いので、入札に応札する意欲が湧くのか疑問。市長発言の「甘いなというふうに思いますね」(カンテレ8 報道RUNNER 2023年2月1日)とならないように、慎重な議会審議が求められる。