以前は予算編成過程公開だったが今は密室 積極的に公開すべき 

 市ではすでに来年度予算の編成作業がほぼ終わり、概要が固まっている時期。以前であれば、年末に編成作業の第1段階から情報を公開。年明1月下旬には最終の市長査定前に、その情報をもとに市民との意見交換会を開催し、そこで出された意見や提案を踏まえて、予算案を確定していた。

 しかし、栢木市長になってからはどのような手続きになっているのか不明だが、いずれにしても市民には情報は伝わらない。

 元々は国補助金も含め市民の税金を財源にした予算。秘密にする必要はないし、むしろ積極的に公開すべき。秘密にすれば、逆に危険。

 

6億円超かけ1千万円の土地を更地に これが民の知恵か?  公費で市有地の簿価を値上げ 公費感覚のマヒ? 基本計画の信頼性を失墜させる

 というところで、注目の野洲市の病院と駅前の来年度予算案。もちろん、現市政では密室型ですすめられているため全貌は分からない。ただし、そのなかでの情報だろうが、体育館病院用地確保のための屋外大型階段の移設費用が6億円を超えるとの情報が伝わってきている。

 基本計画では、病院用地費全体が1千万円。ところが、そこに病院が建つよう、更地にするために6億円超の市費を費やす。これも常軌を逸した計画。誰でも、聞き、知れば、即座に驚いて、自然に声を上げる。公費で市有地の簿価を値上げするのと同じ。

 ただし、常軌を逸しているのは、この大型階段移設にとどまらず、体育館病院計画そのもの。

 この6億円超はすでに予想していた金額なので私は驚かないが、問題はこれまで示された病院の整備事業費、93億円強には入っていないはず。これは意図的な隠ぺいなのか、それとも以前書いたような、行き当たりばったりの結果なのか?どちらにしても、基本計画の信頼性を失墜させる。

 この大型階段移設は、体育館の施設改修だが、その原因は病院建設。そのうえ、体育館側にしてみれば、施設の安全性など機能は格段に悪くなる。当然、病院事業で補償工事を行なう必要がある。したがって、この費用は病院の整備費に加えられるべきで、これだけでも足せば約100億円になる。

 1千万円の土地を更地にするのに6億円超の費用をかける。これが、市長得意の「民」の知恵か?もし、この伝え話が本当なら、金銭感覚、それも公費感覚がマヒしているのではないか?

 なお、階段の移設は費用の問題だけではない。建築確認が下りるのか?厳しい消防法の基準を満たすのか?約10年前の悲惨な「明石花火大会歩道橋事故」以来厳しくなった警察の指導をクリアできるのか?

基本計画の液状化対策費が半月で1500万円も上昇 総事業費は天井知らず 駅前商業開発も同様か?

 この6億円話があながち虚報でない証拠(エビデンス)は既に存在している。それは、同じように病院用地の整備費用。用地が軟弱地盤であるため液状化対策が必要。その面積を基本計画案で当初は、病院が建つ部分を除く1500㎡としていた。昨年11月14日の評価委員会資料では、そうなっている。

 ところが、それから2週間後11月28日に確定された基本計画では1800㎡に変更されている。市は、平米当たり5万円の費用が必要としているので、半月の間に1500万円も高くなったことになる。駅前であれば不要である、液状化対策費用だけでも総額9000万円が必要になる。さらに、建物が建つ部分には、旧温水プールの倍以上の200本ほどの基礎杭を少なくとも15mの深さに打ちこまなければならない。そのうえ、中ノ池川には擁壁設置が必要になるかもしれない。市は、整備費は今の試算より年率8%で上昇すると明言しているので、総事業費は天井知らず。

 市長の選挙公約の駅前病院の半額どころか、駅前病院よりも格段に高くなることは明らかになりつつある。

 このような杜撰(ずさん)な事業費計画で事業を進めることも、市長得意の「民」の知恵か?これでは、現時点で、目標が不明確で主体性のない、すべてが「民」頼みの駅前商業開発も同じレベルの杜撰な計画ではないかと怪しまれる。