市は、市民団体を政治団体、医師会は政治活動をしていると決めつけ参加を拒否

 今日12月14日、市民団体が開いた新病院についての意見交換会に行ってきたので、概要を紹介します。

 午後1時半から図書館のホールでありました。会場は満席で、参加者は主催者側を入れると、見たところ約90人。守山野洲医師会からは小西会長、岸本理事はじめ5人が参加。市議会議員は7人が参加。

 会の大きな流れは、開会あいさつ、小西会長と岸本理事による市の病院計画とそれに対する医師会の考え方についての情報提供、参加者による意見交換、最後に今後の活動についての提案進み、予定通りの2時間で閉会しました。

 医師会による情報提供や参加者からの意見の主なものを紹介します。

 小島代表の開会挨拶は、市の開催した懇談会では十分な時間がなく、質問や意見が制限され理解が進まなかったので改めてこの場を持った。市に計画の説明を求め、当初は出席の承諾を得ていたが、主催の「駅前新病院を実現する会」が政治団体であり、医師会も政治活動をしているので市は参加できないという理由で市は参加を断ってきた。

高圧電線が安全である保証ない 維持期病床は不要で経営圧迫 急性期50床では足らない

 続いて医師会の話。

 医師会は政治活動を行なっているのではなく、市民の医療を守るために意見提案を行っている。

 電磁波の影響に関しては、スウェーデンではWHO基準でなく独自の安全基準に基づき、大きなお金をかけ学校近くの高圧電線を撤去している。評価委員会で前川事業管理者は長期にわたる恒常的な電磁波の影響はデータがないと回答した。したがって、安全である保証はない。

 計画にある維持期病床は不要。設置すれば、月1700万円のマイナスになり、経営を圧迫する。

 市立野洲病院では、現在、整形外科だけで毎月約30件の手術を行っている。これに他の科の入院を入れると計画にある急性期50床ではとても足らない。

 このように、計画では悪循環になり、経営が成り立たない。

体育館病院は経営が成り立たず、民間に委ねても、民間はタダでは引き受けない 病院が消え、100億円超の借金だけが残る結果になる

 次に岸本理事からスライドを使って、的確で分かりやすく情報提供。そのためもあってか、後の意見交換では、岸本理事に野洲市民になって市長になって欲しいという意見まで出た。もちろん、岸本理事はそれは無理であると明言。

 今の日本の長寿は、和食がヘルシーだからでなく国民皆保険制度によりいつでも身近で医療が受けられるからである。

 病院は医師、看護師、薬剤師、事務職員等など適切な人が確保できる場所であり、徒歩圏内にアパートなどの住居が多いことなどが必要。しかし、体育館病院にはそれが欠けており、医師、看護師等々の職員が来ない。持続可能な経営が成りたたない。5年後の黒字はあり得ない。

 

 医療体制は大学病院、大病院、中小病院、診療所のピラミッド構造になっている。市立野洲病院は大病院と診療所をつなぐ役割を担っており、これがなくなると市民が医療を受けられなくなる。

 栢木市長になってから新病院の場所は、現地建替え、駅前Bブロック、体育館と変わってきた。要するに、駅前に建てないことが目的になっているが、そもそも病院を建てる気があるのか?

 体育館病院では経営が成り立たないことが明らかで、建ってしばらくしてから民間に委ねようという動きになる。しかし、民間はタダでは引き受けない。結果的に市民にとっては病院がなくなり、100億円を超える大きな借金だけが残ることになる。

 現在、病院の立地は駅前が流れになっている。最近では奈良県の大和高田市で駅直結の市民病院の方針が出された。他方、郊外に建てた新新潟市民病院が大きな赤字を出している。黒字化を考えると駅前病院。

 体育館病院では交通手段が実質的に車に限られる、利用者も5万人市民に限られるため、経営が成りたたない。しかし、駅前病院なら多様な交通手段があるため、市民はもとより圏域30万人が対象となり経営が成り立つ。

 体育館病院の背後には別の動きがあるのではないか?

新病院は駅前 半額公約破った人に市政任せられない 栢木派議員に目を冷まして欲しい 市長を選んだ市民にも責任ある

 この後は、参加者による意見交換。13人から発言があったが、重なるところもあるので、趣旨ごとにまとめて主なものを紹介します。

①体育館病院では市から病院がなくなると思う。市民投票が必要。そうでなくては、新しい病院できない。

②不動産業やっているが、墓地、鉄塔が近くにある土地は売れない。また墓地近く路線価が安い。そのような土地に市は新病院を建てようとしている。市民懇談会で市は鉄塔問題はないと答えたが、市は騙した。

③昨日市の電磁波説明会に行った。講師が所属するセンターについて市は中立の立場の機関と言ったが、1億円を超える運営費は電力会社等企業の会費で賄われていて、中立ではない。電磁波はぺースメーカーに影響ないと断言した。

④スウェーデンでは高圧電線下の幼稚園、小学校、公共施設を撤去している。日本でもそうすべきだし、新病院ではその対応が必要。

⑤市長の当選は半額公約。それを破った人に市政任せられない。市長が市民に向き合って話に応じないのは度胸がないから。さ迷って体育館になった。騙されたと気づいた市民が増えている。

⑥ここで議論しているだけでは解決できない。負け犬の遠吠えになる。署名集めは可能か?リコールは?

⑦議員としては、議案になっている病院の債務負担行為の予算の取り下げを提案する予定。また、駅前開発の予算も同様の対応をする。

⑧市と医師会との話し合いの経過としては、昨年9月にBブロックの話しはあったがそれ以降ない。医師会として話合いを求めたが市は拒否。

⑨市長は、自分の都合の良いように言い逃ればかりで、信頼できない。医師会との関係では、野洲市との問題でなく、市長との関係がなってない。

⑩体育館病院では経営破綻する。市長への手紙に対してもまともな回答ない。

⑪議会で強く追及して欲しい。そうでないと負け犬の遠吠えになる。

⑫体育館病院では経営破綻する。50年先どころか、5年先に民間売却。

⑬議員としては市長に対して医師会との話し合い要望を出した。

⑭市長は嘘が多い。

⑮今日出された意見は参加している人は分かっている。それ以外の市民に知って欲しい。

⑯栢木派議員に目を冷まして欲しい。

⑰高齢化の中で病院は駅前でないとダメ。

⑱市の資料は根拠のない見込みばかり。

⑲駅前の市有地は売るらしい。これは商売。このようなことをさせてはいけない。市民のための施設をつくるべき。

⑳体育館病院では国からの10億5千万円がない。また、また、10億円を超える借入金の一括返済が必要になる。

㉑市長は市民の意見を聞かない。市長を選んだ市民にも責任ある。

駅前病院への期待と体育館病院を強行する市長に対する厳しい批判

 以上のように、次々と手が上がり、駅前病院への期待と体育館病院を強行する市長に対する厳しい批判が出されました。

 この後、今後の取組として、病院に対する市民の生の声を集約する仕組みづくりとその実践活動の方向性について簡単に説明がありました。