市内でもドラッグストアが医院を誘致する動き

 今日ネットでしばらくのあいだ情報を探っていたら、市内にあるドラッグストアが敷地内にクリニック誘致計画をもって、出店者を公募している情報(Y's Journal)に行き当たりました。このドラッグストアは中部、近畿等が中心の展開だが、野洲市内ではおそらく一番早い出店。当初とは場所が変わって、今は以前よりは広い敷地に移っているが、いずれにしても土地は市街化区域。

 そう言えば、県道沿いの新しく造成された商業地域に、全国で最大の売上あげている大手ドラッグストアが、市内で最近2店めをオープンした。そこでも敷地内に同時に内科医院が開院。おそらく好条件を提示して誘致したのではないか?

 以前であれば、医院が開院すると隣接して調剤薬局ができた。ところが、最近の動向は逆で、市街化区域に展開するドラッグストアが医院を誘致する動きが出てきている。

院外薬局が設置されない可能性の方が高いか実質不可能

 ところで、市長が決定した体育館病院計画では、ただでさえも狭い病院の建物内に院外薬局を誘致することになっている。今年体育館病院の方針が出されたときに、部長会議だったか議会の審議だったかで、市の担当次長が、全国大手の薬局チェーンが出店に関心を示している旨発言したことが記憶にある。今あらためて記録を探る余裕はないが、その時また例の眉唾発言ではないかと感じた記憶が残っているので確かと思われる。

 その時の計画では院外薬局は確か病院敷地内の別建てであったはずで、病院に入らなくても利用できた。決定計画では病院の建物内で一段と狭くなっている。

 この院内の院外薬局では利用者は患者に限られる。その患者にしても、迎えの家族などを無駄に待たしたり、便数の少ないバスを見送ったりしてまでこの薬局を利用するくらいなら、自宅近くの薬局を利用するようになる。したがって、この薬局の経営が厳しいものとなることは今からでも予想がつく。もちろん、病院で使う薬剤一式をこの薬局から購入するという、栢木市長が得意の「民主的」な随契をするのであれば別だが。

 ということで、全国大手薬局チェーンが病院に出店するどころか、逆に院外薬局が設置されない可能性の方が高いか実質不可能。この一例だけとらえても、体育館病院の成立根拠が崩れる。

「間違いをそのままにしておかれると、何が正しいのかが分からなくなる」、「本当のことを教えてくれてありがとう」 野洲市と私たち市民が置かれている状況

 ところで、話題は変わりますが、今日の新聞に認知症治療で全国的に評価が高い守山市の藤本クリニックの藤本院長の講演を紹介した記事が出ていました。「滝野隆浩の掃苔記 人生はあきらめない」(毎日新聞2022年12月11日)

 記事の概要は次のとおり。

 「東京で11月下旬に開催された日本認知症学会のシンポジウムで、藤本クリニック(滋賀県守山市)の藤本直規院長(70)が講演するのを聞いた。1990年、滋賀県立の病院に『もの忘れ外来』を開設。99年に専門クリニックを開業し、認知症患者や家族と向き合ってきた。演題は『若年性認知症の人の生活を支えるために医療とケアができること』だった。」(毎日新聞2022年12月11日)

 この後、「若年・軽度認知症専用デイサービス『もの忘れカフェ』」などの実践的な取り組みの紹介が続く。このあたりのことは、今年4月に出版された藤本院長の著書「認知症の人との絆 支援の空白をなくすために」(株式会社ワールドぷラニング発行)に詳しい。なお、この本についてもすでに京都新聞で詳しく紹介されている。

 今日この毎日新聞の記事を読んでいて意味深い一文に出会った。それは、「間違いをそのままにしておかれると、何が正しいのかが分からなくなる。」「先生、本当のことを教えてくれてありがとう。認知症になったことはあきらめるが、これからの人生はあきらめない。」という患者の言葉。

 今の野洲市と私たち市民が置かれている状況は、まさにこの意味深い一文が指示してくれるとおり。