市民からは概ね評価いただいた 医師会の了解得られている どちらが正しいかの判断は市民に委ねられている

 今日12月8日の本会議一般質問での病院と駅前関連は、小菅議員と橋議員の質問でした。

 小菅議員は体育館病院基本計画等について質問。

 まず、評価委員会、市民懇談会、特別委員会などを通じて病院事業の一連の進め方について質問。市長は、市民等の大方の了解は得られた旨を発言しているが、改めて見解を問うた?

 市長の答えは予想どおり、問いかける前から答えが分かっている、基本計画等は概ね評価いただいたという答え。

 次に、議員は守山野洲医師会の了解が得られていないことについて質問。市長の答えは、了解は得られているし、今後も説明していく。

 これに対して議員が医師会は説明がないと話していると問い返した。市長の答えは、それはいつの話か知らないが、局面毎に説明してきたと、医師会への完璧な対応を主張。ここまで来れば、市長としては答えはこれしかない。

 後で紹介する橋議員の質問に対する答弁でも同様だが、議員・市民の状況認識と市長のそれには、ズレと開きがある。どちらが正しいかは、あえてここでは判断しないが、いずれにしても近い将来良い結果をもたらさない。どちらが正しいかの判断は市民に委ねられている。

 

 

リスク・コミュニケーションもリスク・マネジメントも今の野洲市には存在していない 待ち構える危険は?

 次に、小菅議員は軟弱地盤と電磁波の影響による健康被害

問題について予想外の最悪事態を想定しているのかとの趣旨で質問。

 これに対しては、評価委員会や特別委員会での答えと同様、これまでの情報と現行基準で対応。最悪は想定していないとの布施政策監と前川管理者の答弁。

 電磁波の影響による健康被害に関しては、短期間あるいは一時的な被ばくによる急性効果は国際基準ではないと言えるが、入院患者や職員の恒常的被爆による慢性効果はエビデンスがなく、不明であると管理者が答えた。

 電磁波についての市民講座の目的についての質問に対しては、電磁界情報センターは中立的なリスク・コミュニケーションのための組織と答弁。

 以上のとおり、質問と答えがかみ合わず、すでにコミュニケーションが成立していない。リスク・マネジメント(危険回避管理)の基本は言うまでもなく最悪事態を想定した対応。管理者の答えはリスク管理に反する考え方。

 市民等から概ね評価いただいたとか医師会の了解が得られているとかといった、市長答弁も含め、今日の答弁からは、リスク・コミュニケーションもリスク・マネジメントも今の野洲市には存在していない。この先どのような危険・危機が待ち構えているのか?

体育館病院で押し切るための、なにもかも先送りで見通しの甘い無責任な答弁

 小菅議員は病床数の変更と維持期病棟についても質問。

 医師会が急性期50床では足らないと言っている。これに対し管理者は障害者病床の3分の1は急性期に使えるので対応できると答弁。しかし、答弁のなかで、まだ障害者病床に決めていないと言ったし、また、すでに現在新型コロナ患者で50床が埋まっていると答弁したので、論理が合わない。

 また、急性期50床では患者10人に対し看護師1人の10対1対応であるが、維持期病床では20対1になり、看護師の負担が増え、職務が大変だから看護師が集めにくいことに関しては、必要に応じて独自に看護師を増やすと管理者が答弁。増員分の経費はどう捻出するのか?また、障害者病棟では10対1なので問題ないとも。

 体育館病院で押し切るための、なにもかも先送りで見通しの甘い無責任な答弁。

病院市民懇談会は野洲市が民主的に健全に保たれていることの証し

 次の橋議員の市民病院整備事業についての質問。

 まず、市民懇談会の状況は市民の間に分断の溝があるのではないかとの趣旨で質問。

 市長の答えは、懇談会は穏やかで様々な意見が出された。野洲市が民主的に健全に保たれていることの証し。懇談会は両日ともに穏やかで様々な意見が出され、悪い雰囲気ではなかった。ネガティブに考えすぎである。

 これに対して橋議員は、ネガティブに考えざるを得ない。栢木市長の現地半額建て替え公約が守られ、それが順調に進んでいたなら、今頃立替え工事が進んでいる。

 これに対する市長の答えは、現地半額建て替えは公約でなく対案。今さら過去のことを言っても意味がというない趣旨の答弁。それが民主主義だ。

市長医師会との公開の協議を拒んではいない

 次に医師会との関係について。 

 医師会への説明は今年9月議会以降何回したか?

 答えは、市長としては協議の場を持っていない。前川管理者と職員が行った。

 議員の質問。医師会は市長との協議の場を公開で持ちたいと希望しているが、市はそれを拒んでいる旨聞いたが?

 これに対する市長の答え。議員は勘違いしている。計画の策定を持って協議すると言ってきた。公開を拒んではいない。

高専へのアクセス道路 鯛でエビを釣るような話

 以上のほか、橋議員は駅南口整備構想の見直しと県立高専についても質問。

 まず高専については橋議員は賛成のようで、大きく期待している旨を前置きして質問。駅から高専へのアクセス道路として、野洲駅北口線の整備について聞いた。野洲駅北口線とは駅からまっすぐに野洲川に向かっている広い通りで、野洲川に橋を架けて対岸の守山市に至る、古い時代の都市計画決定済み路線。しかし、市三宅の住宅地の住居移転を伴うとともに、もともと法線に無理があり実現性がなかった上に、今では国道8号バイパスと県道湖南幹線の開通が見込まれる中でその必要性は薄くなっている。

 この質問に対して、三上部長は、ハードルは高いとしながらも県に要望していると答弁。本当に整備するなら、その事業費は高専の比でなく高額になる。もちろん、地元負担金として市の財政支出も必要になる。高専のグラウンド整備を市が行うことを約束しているようだし、まさに鯛でエビを釣るような話。

 また、橋議員は市三宅地先の北に広がる一団の農地の市街化区域化についても前向きな対応を求めて市長に質問。市長は、今後地元の意向を聞き検討と答弁。

 駅前開発 最初から民間任せで、市民のためのチェック機能を市が果たさない ここでもリスク管理はない

 橋議員は駅前商業開発についての質問に対する赤坂部長の答弁で明らかになったこと。

 それは、駅前商業開発は、特に駅前の住民から強い要望があるので急ぐ。ただし、状況によっては開業を延期する可能性があるなど。

 そのなかで最も驚いたことは、事業遂行に当たっての民間との複雑な契約関係等の履行をチェックする、「リーガルチェック」を民間事業者が依頼する弁護士等に任せるとの答弁。本来は市が直接、独自に専門の弁護士を依頼すべきであるのに、これでは最初から何もかも民間任せで、市民のためのチェック機能を市が果たさない。ここでも、リスク・コミュニケーションもリスク・マネジメントも今の野洲市には存在していない。