体育館敷地を積極的に推奨する発言でない 消極的で腰が引けている

 今日11月19日午後1時から体育館病院の市民懇談会がありました。おそらく14日の病院評価委員会で異論がなかったという前提で意気揚々と市の説明があったと思われます。

 ところで何度か紹介した「今の場所を強く否定する理由はない。」という発言。これは会議での滋賀県理事角野委員の意見。

 角野理事は栢木市長の長年の支援者であり、指南役。また、滋賀医科大学、前川病院事業管理者、柏木顧問、さらには一山滋賀県立総合病院総長など、評価委員会の構成員の中心に位置する存在。なお、角野理事本人も公開されている履歴では滋賀医大の卒業。

 しかし、その角野理事であっても、体育館病院の評価は、「最善」とは言えず、「今の場所を強く否定する理由はない。」とまでしか言えなかった。正直なところこれが限界。言うまでもなく、この発言は体育館敷地の立地を積極的に推奨する発言ではない。むしろ消極的で腰が引けている。いわゆる「へっぴり腰」。

 なお、市ホームページに早くも会議録が公開されていて、そこでは次のとおり記録されている。

 「私自身には今提案されている場所を強く否定する理由はない。電磁波の話でも、守山野洲医師会として心配されるのであれば、国等に意見される必要があるのではないか。」(2ページB委員)。

 会場では、電磁波の話の部分がはっきり聞き取れなかったが、記録で見ると理事の発言は尊大。問題は市が決めようとしている立地の危険性であるのに、医師会は国に何の意見を言う必要があるのか?土地の危険性の問題を基準の問題にすり替えようとしている。

「否定する理由はない」発言は正しくない 否定する理由はいくらでもある

 上で述べたように、角野理事の発言は図らずも体育館敷地を積極的に推奨する発言ではなく、消極的な選定理由発言。この程度の判断で「50年先を見越した」巨額な事業を決定して良いものではない。

 そして、それ以上に問題なことは、「否定する理由はない。」という発言が正しくないこと。その理由については今さら改めて言うまでもなく、土地の危険性、不便さ、体育館の利用と機能に大きな支障が出ること、関連工事で事業費がかさむこと、国交付金が出ないこと等々数えきれないぐらい数多(あまた)ある。ということは否定する理由がいくらでもあるということ。

維持期病棟 高齢化で医療需要が伸びるのは野洲市だけではない 「一定理解した」と医大学長も腰が引けている

 ところで、今日会議録を読んで、気づいたこと。それは、滋賀医大学長の上本委員長の次の発言。会場では聞き取りにくかった。

 「今回の計画で前回と変わったところは維持期病棟であるが、野洲市の医療需要が高齢化によって今後まだ 20 年位大きく伸びると見込まれることを聞きそれを見越しての増床ということで一定理解した。」(4ページ)

 高齢化によって今後医療需要が大きく伸びることを委員長自らデータを検証したのではなく、単に聞いただけのこと。そのうえ、高齢化によって今後医療需要が大なり小なり伸びるのは野洲市に限ったことではない。ということは、そのような所には維持期病棟の設置を進めるのか?しかし学長にはそこまでの確証と覚悟はないようだ。「一定理解した。」と留保付きで終わっている。これで、評価委員会の了承が出たと言えるのか?会議録を吟味すれば、委員の腰は引けている。