戸建て住宅の土地代より安い土地に199床の病院 市民は固定資産税を払い過ぎ

 本題に入る前に、今日の写真を1枚貼り付けておきます。紅葉の絨毯。

 ところで、昨日の会議で計画案の問題点は実質何も議論されなかった。そこで、資料から見える問題点をいくつかあげてみます。

 まず、積算での問題の一例。用地費が1千万円となっている。これは戸建て住宅の土地代より安い。そこに199床の病院を建てる積算になっている。面積は7200㎡と記載してあるので、平米単価1389円。法律上は建物を建てられない市街化調整区域だから評価は低い。しかし、この土地は農地と違って手続きにより建築可能な現況宅地。

 たとえば、市内の旧集落の市街化調整区域で同じような条件の土地の評価でも、固定資産税の評価額(課税標準額)でみれば、この2倍以上はすると思われる。

 もし、今回の用地費の積算を市が責任をもって公表した数字とするなら、市民は所有地を高く評価され、その結果固定資産税を払い過ぎていることになる。

 なお、用地費は駅前Aブロックの場合約11.3億円、Bブロックで約6億円だった。ここで事業費の多額な圧縮が行われている。しかし、その分市民にとっては不便だし、病院事業としてもシャトルバスや今回初めて出てきた無料のデマンド・バスだかタクシー(本当に無料でやるのか?)のための大きな経費が毎年必要となり、決して安くはならない。

駅前との比較発言 この人たちは、本当に学者・科学者なのか?

 もうひとつ。今日、先に紹介した記事には「今からまた駅前にしている時間はない。前に進んでほしい」(毎日新聞2022年11月15日)とありました。

 また、昨日紹介したように、委員長である滋賀医大上本学長は会議のまとめとして、「これを逃すと困ったことになる。早く。」と発言。

 しかし、これらの発言は、体育館病院のスケジュールと「今からまた駅前にし」た場合との比較をしたうえでの発言なのか?いや、どうもそうは思えない。厳密に比較・評価しないで頭から思い付きでしゃべっているとしか思えない。

 市のスケジュールでは、設計施行一括発注方式だから工期が短縮できるとしている。確かに、通常だと3回、設計管理も入れると4回必要な入札が1回で済むため発注手続き期間は短縮できる。しかし、設計業務や工事に必要な期間は通常発注でも同じ。

 通常、基本設計と実施設計には実質的に2年は必要。昨日の会議でも建築が専門の県立大教授の白井委員は市の示したスケジュールはきついと言っていた。

 また、一括発注方式であるために、逆に要求水準書の作成に1年弱かかる。そのための経費として、余分で多額な費用ももちろんかかってくる。さらには、工事に関しても土壌・地盤対策工事、体育館の屋外階段移設工事、国スポと障がい者スポーツ大会の期間は前後も含め工事が中断するなど駅前土地では不必要な行程が多い。

 かたや、駅前の土地はいつでも建築可能な更地。これで本当に、体育館病院の方が早いと言えるのか?きちっと比較もしないで、思い付きか印象論で発言しているこの人たちは、本当に学者・科学者なのか?栢木市長の意には添えたとしても、市民のことが視野に入っていないのではないか?