目当てのアンドレア・ロスト 良く通る魅力的な声と歌、演技、容貌いずれも魅力的

 今日は午後からびわ湖ホールでモーツァルトの歌劇『魔笛』を観てきました。演奏は、ハンガリー国立歌劇場。歌手はチラシにはパミーナ役のアンドレア・ロスト(ソプラノ)しか載っていませんが、多分歌劇場の専属歌手たち。

 お目当てのアンドレア・ロストの声と歌は期待どおりで良かった。ロストはハンガリーの出身で1989年のデビュー。良く通る魅力的な声と歌、そして演技、容貌いずれも魅力的。

 彼女は、ベルリン・フィルのマーラーの交響曲やウィーン国立歌劇場のモーツァルトの「フィガロの結婚」などで故クラウディオ・アバドと共演している。また、ムーティ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団のヴェルディの歌劇「リゴレット」のジルダやチャールズ・マッケラス指揮のドニゼッティの歌劇「ランメルモールのルチア」のタイトルロール(題名役)のルチアなど1990年代に良い録音がある。今そのルチアをCDで聞きながら書いているところです。

 今日のその他の歌手たちも良く、なかでもタミーノ役のゲルゲイ・ウイヴァーリとザラストロ役のイシュトヴァ―ン・コヴァーチが良かった。なお、舞台の写真は撮れないので、チラシをコピーしておきます。

  伴奏というより、協奏の位置づけのオーケストラの演奏も小編成ながら音は十分出て、小気味でかつ厳かな手堅い演奏。また、演出と舞台も幕とプロジェクター映像も組み合わせた機能的なものだが、随所に工夫があって楽しめた。さすが、伝統のある歌劇場の上演。

小倉遊亀さんの静物画 「西洋における対象の捉え方が影響」 安易に美術館と観光とを結び付けるのは見通し甘い

 ところで、びわ湖ホールへ行く前に県立美術館に寄っていきました。お目当ては、常設展の「小倉遊亀コーナー」。今の期間は「花鳥から静物画へ」のテーマで静物画が集められている。彼女の絵は、いつ何度見ても楽しく、ものの見方への気づきを教えられる。今日絵を見ながら、アネモネの絵でフランスのルドンを、また果物の絵でセザンヌを連想。帰宅してネットで美術館のホームページで展示案内を見ると彼女が「静物画を得意とするに至るには、西洋における対象の捉え方が影響を与えたと考えられます。」とあり、なるほどと思った。同じ常設展の「信楽焼と滋賀の人間国宝たち」の志村ふくみさんの作品も良かった。

 降雨ではあったが、日曜の紅葉時期の昼過ぎの美術館であるのに残念ながら人出は多くない。おかげでゆっくりと作品を楽しめるが、三日月知事のように何でも安易に観光と結び付けるのは見通しが甘いと実感しました。